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フラワーロスの活用方法とは?取り組み事例を解説

フラワーロスの活用方法とは?取り組み事例を解説

新型コロナウイルス感染予防によって、卒業式や冠婚葬祭の中止および縮小、またロックダウンにより飲食店が休業状態となりました。その影響もあって、式典や店舗ディスプレイの際に使う花が大量に余ってしまい、捨てられてしまうという「フラワーロス」が話題となりました。

最近は、これらの花を「捨てずに、活かす」というムーブメントが出始めています。こちらの記事では、フラワーロスの活用法と取り組み事例を解説します。

「ロス」は色々なシーンで使われている

フラワーロスとは、まだ使えたり飾ったりすることができる花を破棄することです。最近では花だけでなく、あらゆる方面で「ロス(Loss)」というワードが使われています。フラワーロスと似ているニュアンスで使われている言葉が、「フードロス」です。フードロスとは、まだ食べられるにも関わらず破棄される食品のことです。最近では、コンビニの店頭でもフードロスを削減する目的として消費期限の早い食品を手前に陳列するなどの対策を取るようになりました。 

花屋の現状について

農林水産省の「令和3年産花き生産出荷統計」によると、2021年は32億4900万本の切り花の出荷がありました。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、イベントが中止や縮小になったこともあり、2020年より前の年と比較しても出荷量と作付面積の両方で下がっています。

しかし最近は、ゴミ削減の取り組みが浸透している影響もあり、売れ残りの切り花や規格外の花をドライフラワーにして鑑賞用にしたり、定期便として提供するなど、安定して生産・販売するための動きが活発化しています。

フラワーロス
引用:令和3年産花きの作付(収穫)面積及び出荷量

フラワーロスの活用事例

フラワーロスはどのような形で活用されているのでしょうか。国内で展開されている活用事例について紹介します。

農林水産省「花いっぱいプロジェクト」
農林水産省では、新型コロナウイルスの影響によって花の需要が減少した花きの消費拡大の一環として、花を買って家庭や職場に花をたしなむ「花いっぱいプロジェクト」を立ち上げました。ほかにも花の飾り方や管理方法などのアドバイザーも募っており、活動の活性化にも力を注いでいます。

日本サステナブルフラワー協会
日本サステナブルフラワー協会は、破棄する花を減らし、花を別のモノとして活かす取り組みを提案・実施している協会です。moaniというブランドは、花の破棄をせず、彩り溢れた状態の花をキャンドルなどのデコレーションとして活用しています。結婚式で使った生花ブーケを思い出として残せる取り組みにも積極的です。

2020スマイルフラワープロジェクト
2020スマイルフラワープロジェクトとは、フラワーロスを1本でも多くなくしたいという想いで立ち上げたプロジェクトです。花農家で「規格外」などの理由によって破棄される花を販売し、消費者に届ける仕組みを創っています。この仕組みによって、生産者の支援だけに留まらず、より多くの消費者にフラワーロスについて知ってもらい、消費者に花のある空間で穏やかな日々を過ごしてもらいたいという想いで活動を行っています。

FLOVER
FLOVER (フラバー)では「1本でも多くのお花を救いたい」という想いで、フラワーロスゼロを目指しているフローリストセレクションの花の定期便です。自宅やオフィス向けに規格外の花の個性的な魅力の情報発信も行っています。

最後に

フラワーロスは、フードロスに比べると認知度は低いかもしれません。一方でゴミ削減や破棄の際のCO2排出量削減の取り組みの一つとして徐々に認知度も高まっています。「ロス」を失くす意識と作り手のことを常日頃から考えておくと、ロス削減にどのようなことをしたら最適なのかが自身の生活の中で考えられるようになります。

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小田 るみ子

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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