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ハワイの持続可能な食文化|最新サステナブルなレストラン・カフェを紹介

ハワイの持続可能な食文化|最新サステナブルなレストラン・カフェを紹介

ハワイの自然環境はその多様性と美しさで称賛されていますが、近年は数々の環境問題に直面しています。

そんな中、今注目されているのが持続可能な飲食業界です。飲食業界は、ハワイの自然環境に直面する問題に対処するのに重要な役割を果たしています。海洋生態系の保護や地元産食材の利用を通じて、地域経済と環境保護が一体となった取り組みが、ハワイを訪れる人々にもサステナブルな考え方を広めています。

今回は、ハワイの自然環境の課題を解説すると共に、今注目されている持続可能なレストラン・カフェをご紹介します。

ハワイが直面する環境問題

ハワイのダイヤモンドヘッドから見えるワイキキの景色

ハワイ諸島はその自然の美しさとは裏腹に、多くの環境問題に直面しています。これらの問題はハワイの自然資源、社会経済、そして観光業に深刻な影響を及ぼしています。ここからは、ハワイが直面している主な環境問題について、詳しく解説します。

海洋ごみと海洋生物への影響

ハワイの海は美しいだけでなく、豊かな生物多様性を誇っていますが、海洋ごみの問題は深刻です。特にプラスチックごみは海洋生物に深刻な影響を及ぼし、誤食や絡まりによって命を落とす事例が増えています。これにより、ハワイの海洋生態系が大きな脅威にさらされているのです。ハワイ州はこの問題に対処するため、ビーチクリーンアップやプラスチック削減の取り組みを積極的に推進。オアフ島のホノルル市では、条例でポリエチレン、ポリプロピレンや塩化ビニル樹脂などの石油系プラスチック製の使い捨て容器やビニール袋を使用して食品を提供することを禁止しています。

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気候変動と自然災害の増加

その地理的な特性から、気候変動の影響を強く受けるハワイ。中でも海面上昇による影響が顕著で、沿岸部や低地域に生活する人々が慢性的な物理的リスクに直面する可能性が高まっています。また、気温上昇によるサンゴ礁の白化現象が深刻化し、サンゴ生態系への悪影響が懸念されています。ハワイ州は気候変動への適応策として、太陽光パネルなどの再生可能エネルギーの導入や持続可能な土地利用の推進を進めています。

土地利用と生態系の喪失

ハワイ州では、観光業界の成長や農業の耕作地拡大による土地利用の変化が地域の生態系に大きな影響を与えています。特に森林の伐採や湿地の開発は、生態系の破壊や自然環境の変化を引き起こし、そこで生息する多くの固有種にとって大きな脅威となっています。そのため、貴重な自然環境の保護と固有種の保全が喫緊の課題です。こうした状況に対処するため、ハワイ州は生物多様性の保全に向けた取り組みを強化。その一環として、保護地域の拡大を進めています。州内の特定の地域を保護区として指定し開発を制限することで、自然環境の保全を図っています。

深刻化する水資源問題

ハワイの淡水資源は地域ごとに異なり、気候変動や人間の活動による影響を受けやすい状況にあります。特に、農業からの農薬や肥料、都市部からの排水が地下水や表流水を汚染することがあります。また、水不足の問題も深刻です。乾燥した地域や乾季には淡水資源の確保が難しくなる場合もあります。ハワイ州は持続可能な水資源管理を推進し、地元コミュニティと協力して水源地の保全に取り組んでいます。さらに、水資源の浄化技術の導入や小学校などでの水の実験を通した節水教育も積極的に行われています。

小学校などでの水の実験を通した節水教育
出典:City and County of Honolulu

ハワイ州の取り組み

ハワイ州では環境問題に対処するため、幅広い取り組みが進められています。海洋保護区の設立と管理、再生可能エネルギーの導入、持続可能な農業の奨励、そしてエコツーリズムの推進がその一部です。これらの取り組みは、地域経済の活性化と環境保護を両立させることを目指しています。特に、海洋生態系の保全や地元食材の利用を通じて、自然環境の保護と地域社会の持続可能な発展を促進しています。

また、世界的な観光地であるハワイでは、近年、環境に配慮した商品やサービスを求める観光客が増えており、ハワイの飲食業界においても自然環境保護への意識が高まっています。それに加え、地元の食材を使用し地元の農業をサポートすることを目指した「Farm to Table(ファーム・トゥ・テーブル)」運動がアメリカ国内で盛んになったことで、ハワイにおいてもサステナブルな取り組みに力を入れるレストランやカフェが増えました。

ここからは、ハワイで今注目を集める3つのレストラン・カフェをご紹介します。

ナチュール ワイキキ(natuRe waikiki)

ナチュールワイキキ

natuRe waikiki(ナチュール ワイキキ)は、ホノルル市ワイキキの中心地に位置するサステナブルなフレンチレストラン。環境保護と持続可能性を中心に据えたユニークなダイニング体験を提供しています。

ナチュール ワイキキは、地産地消のコンセプトを超えて、食材の環境への影響と持続可能性を重視するアプローチを取っています。地元産の食材を使用するだけでなく「Beyond the Farm to Table(ビヨンド・ザ・ファーム・トゥ・テーブル)」というコンセプトのもと、食材がどのように環境に関与するかを深く考慮しています。地元産食材の選定に関しては、環境への負荷を最小限に抑えるための配慮がなされ、持続可能な食糧システムの構築に向けた積極的な取り組みが行われています。

エグゼクティブシェフの小川苗さんによれば、地元の生産者との緊密な協力を通じて、新鮮かつ持続可能な食材を厳選しているそうです。ハワイの自然環境との調和をテーマに、地元食材の風味や質感を大切にしながら料理を提供。ナチュール ワイキキは、地元産食材の利用を通じて地域コミュニティとの結びつきも強化し、食の持続可能性に対する意識を高めることで、地元経済と環境保護の両面で貢献しています。

サステナブルな取り組み

地元農家との協力
ナチュール ワイキキでは、オアフ島や他の島の農家や農場を訪れ、彼らの農業への取り組み方や育て方を確認して食材の選定を行っています。これにより、地域の生産者とのパートナーシップを築き、地域経済に貢献しつつ、環境に配慮した食材の使用を実現しています。

食品の持続可能性と削減
食品ロスの削減にも取り組んでおり、リサイクルやコンポストを行っています。食材の切りくずは飼料に転用され、果物の皮や乾燥させた食品は料理の飾りやカクテルに再利用。通常であれば捨てられる部分をできるだけ活用しています。

地元の食材を活用
地元で採れた食材や地域特有の食材を使用するのはもちろん、環境問題の解決に繋がるように食材選びをしています。例えば、現在は鹿の増加が問題となっているため、鹿肉をメニューに取り入れています。地域の持続可能な資源管理につながるよう食材を選定し、その消費により生態系のバランスを保つことを目指しています。

ナチュールワイキキのビーガン・デザートメニュー

サステナブルなインテリアとデザイン
レストランのインテリアもサステナブルな素材やアイテムを使用しており、地元の植物や木を使った家具や装飾品が取り入れられています。建物自体も60年以上前の歴史的な建造物を利用しており、古いものを長く大切にするという価値観が反映されています。

ナチュールワイキキのインテリア

ナチュール ワイキキの取り組みは、地元や観光客から高い評価を受けており、サステナビリティへの意識を高める一翼を担っていると言えるでしょう。訪れる人々に、食を通じて地域の自然や環境問題についての理解を深める機会を提供し、地域全体のサステナビリティへの参加を促しています。

参照:
natuRe waikkiki
ハワイでサステナブルな食事体験|ナチュール ワイキキ・日本人シェフ小川苗さんインタビュー

アロ カフェ ハワイ(ALO Cafe Hawaii)

ALO Cafe Hawaii のアサイーボウル
出典:ALO Cafe Hawaii

ワイキキにあるALO Cafe Hawaiiは、プラントベースの食事に特化したカフェとして、クルエルティフリー *で健康志向のメニューを提供しています。ハワイのアサイーボウルに魅了された日本出身のMeikoさんとRyoichiさんが、健康意識が高く地球環境に配慮する観光客や地元の方々のニーズを満たすためにオープンしました。

*クルエルティフリーとは、文字通りだと「残虐性(cruelty)がない(free)」という意味。 具体的には、化粧品や日用品の開発・製造・市場進出などにおいて、製品が消費者の手元に届くまでのいかなるフェーズにおいても、動物を用いた実験がなされていないことを表す。

サステナブルな取り組み

食材の品質と原産地へのこだわり
メニューに使用する食材は、可能な限り地元産やオーガニックなものを使用。地元の生産者との緊密な協力を通じて、新鮮で持続可能な食材を選定しています。

食品の安全性
人工着色料や香料、精製砂糖、MSG(グルタミン酸ナトリウム)などの添加物は一切使用していません。自然の恵みを大切にし、食品の質を保つことに努め、健康に配慮した食事を提供することを重視しています。

環境への配慮
カフェ運営において、エコフレンドリーな取り組みを推進。例えば、マイクロプラスチックを含まないキーホルダーの販売や、地元で栽培・焙煎されたコーヒー豆、ファーム・トゥ・バー・チョコレートなど、地元の環境に優しいブランドとコラボレーションしています。

ALO Cafe Hawaii のグッズ
出典:ALO Cafe Hawaii

グローバルなプラントベース食品の需要に応じる
2004年から2022年にかけて、世界中でヴィーガニズムに対する関心が著しく高まり、特にイスラエル、オーストラリア、イギリス、オーストリア、ニュージーランドが注目されています。また、2004年から2019年の間に、アメリカにおけるヴィーガンの人口は30倍に増加。2019年にはほぼ1000万人に達しました。

このように、世界的にプラントベース食品の需要が高まっている中、ALO Cafe Hawaiiはその流れに合わせたメニューと理念で、多様な社会層に対応しています。

ALO Cafe Hawaiiは、健康意識の高い地元の人々や環境に敏感な観光客に向けて、持続可能な価値観を基盤にした食文化を提供することに力を入れています。

参照:ALO Cafe Hawaii

デュークス・ワイキキ(Duke’s Waikiki)

Duke's Waikikiからの景色

デュークス・ワイキキは、ワイキキビーチのオーシャンフロントに位置する伝統あるレストラン。その歴史は1960年代初頭にさかのぼります。レストランの名前は、ハワイのサーフィン界のレジェンドであるデューク・カハナモクにちなんで名付けられました。デュークス・ワイキキでは、地元のアーティストによるライブミュージックも開催され、ハワイアンカルチャーを体現する温かい雰囲気で知られています。

Duke's Waikiki のサラダ

そして、持続可能性と環境保護に対するコミットメントも、デュークス・ワイキキの特徴の一つです。

サステナブルな取り組み

ビーチクリーンアップ
地域コミュニティと協力して定期的にビーチクリーンアップを実施。この活動には地元の住民や観光客が参加し、ビーチや海岸に散らばるゴミを集めて清掃します。参加者には無料の朝食が提供されるなどの特典もあります。ビーチクリーンアップは地元コミュニティの一体感を高めるだけでなく、海洋環境の保護にも大きく貢献しています。

リーフフレンドリーな日焼け止め供給
海洋生態系への負荷を減らすために、Raw Elementsから供給されるリーフフレンドリーな日焼け止めのディスペンサーを設置。リーフフレンドリーな日焼け止めは、サンゴや海洋生物にとって安全であり、持続可能な観光業を推進する一環として導入しています。ゲストにも、安全かつ環境に配慮した選択ができる環境を提供しています。

プラスチック削減と生分解性ストローの利用
プラスチックボトルの使用を排除し、再利用可能で生分解性のストローを導入。これにより、プラスチック廃棄物の削減と海洋環境への負荷の軽減を目指しています。生分解性のストローは使用後に自然に分解されるため、海洋や海洋生物への悪影響が少なく、環境に配慮した選択肢として積極的に推奨されています。

食品廃棄物の管理
非食用の食品廃棄物は地元の農場に送られ、豚の餌として活用されるなど、リサイクルを行うとともに地域農業を支援しています。食べられる食品廃棄物は地元の支援団体に寄付され、地域社会の支援活動に貢献しています。

オーシャンフレンドリー・レストラン認証
デュークス・ワイキキはサーフライダー財団からのオーシャンフレンドリー・レストラン認証を受けています。この認証は、持続可能な取り組みを行い、海洋環境保護に積極的に貢献していることを示します。

デュークス・ワイキキの持続可能な取り組みは、伝統的なハワイのホスピタリティと自然保護の理念を結びつけています。その取り組みは、地元コミュニティとの協力によってさらに強化され、ハワイの美しい自然環境を次世代に残すための重要な一環となっているのです。

参照:Duke’s Waikiki

最後に

ハワイ・ワイキキビーチ

今回の記事では、ハワイの自然環境の課題と、その解決に向けたサステナブルなレストラン・カフェの取り組みを紹介しました。

美しい自然環境と共存しながら、環境問題に対処するための取り組みが進んでいるハワイ。特に飲食業界では、持続可能性を重視した取り組みが広がりつつあり、海洋生態系の保護や地元食材の活用を通じて、地域経済と環境保護が調和した新たな展望が生まれています。

地元の人々をはじめ、ハワイを訪れる観光客にも食を通じてサステナブルな視点を提供することで、持続可能な未来への一歩を踏み出すことができるでしょう。

参照:
What Climate Change Means for Hawaii
Plastic Pollution in Hawaii: Environmental Impacts and Solutions

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衿花

earth sustainability編集担当。大学在学中にオーストラリア留学を経験。大学を卒業し日本の企業で働いた後、ハワイのローカル企業に勤務しホノルルで約2年間過ごす。現在も時折ハワイを訪れ現地で取材を行い、ハワイ情報メディア『Aloha Note』の企画・執筆および編集を手掛ける。

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