プラスチック粒子で起こる海洋汚染|深刻度と対策は?
![171兆個のプラスチック粒子で汚染|深刻さ増す海洋プラスチック問題](https://earthsustainability.jp/wp-content/uploads/2023/03/あすてな-21-1.jpg)
2023年3月8日、米科学誌プロスワンが、世界の海は推定171兆個のプラスチック粒子によって汚染されているという研究結果を発表しました。プラスチック粒子の量は、回収すれば重さ230万トンにのぼるとしています。
現在、海洋プラスチックが最も集中している地域は、地中海でと太平洋ゴミベルトです。太平洋ゴミベルトとは、北太平洋上にロープやブイといった大量の漂流ゴミが集まっている海域のことです。その面積は、日本の国土の約4倍です。
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化石燃料由来のプラスチックは、自然由来の素材ではないため、自然分解されることはありません。プラスチックゴミは、クジラや海鳥、カメ、魚といった野生動物が獲物と勘違いして飲み込むことで命を落としてしまうことがあります。また、小さい粒子になったマイクロプラスチックは、水道水からも検出されており、既に人間の肺や静脈、胎盤からも発見されています。
研究チームは、1979年から2019年にかけて、太平洋、大西洋、インド洋、地中海のそれぞれに設置された合計12,000地点のデータを分析しました。その結果、プラスチックによる海洋汚染は、2005年以来急激に増加していることが分かりました。
研究チームの1人であるリサ・アードル氏は、「従来の想定値を大幅に上回っている」と話しています。また、研究チームは、このまま何も対策を講じなければ、海に流れ込むプラスチックの量は今後40年間で約2.6倍増えると予測しています。
プラスチックゴミの多くは、雨や風、ポイ捨てなどを通じて河川に流入し海に運ばれます。他にも、誤って流されたり捨てられた漁具などもあります。
プラスチックのリサイクル促進や既に浮遊しているプラスチックを回収することは重要です。しかし、プラスチックの生産量と使用量を減らすことも同じくらい重要でしょう。
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