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プラスチック問題とSDGsと経済合理性

経済合理性の確保が鍵を握る海洋プラスチックの問題解決

世界各地から海に流れ込むプラスチックごみの量は年間800万トンと言われています。誤飲により海鳥やイルカなど多くの動物が命を落としたり、珊瑚礁の白化現象により気候変動を加速させてしまうなど、深刻な環境問題を引き起こしています。つまり、身の回りに溢れているプラスチック製品は、私たちの生活にとっては便利である一方、生態系に対する環境的負荷が大きすぎます。より環境負荷が小さいシステムへの変容を促す必要があります。規制やルールを厳格化し、古いシステムから脱却し、新しいシステムへと移るための経済合理性をもっと確保すべきです。

加速する脱プラスチックの動き

フランスでは2022年1月から野菜や果物のプラスチック包装が禁止になり、2040年までに全ての使い捨てプラスチックを廃止する目標まで発表しています。一方の国内では2022年4月からプラスチック新法が開始されるなど、国内外で脱プラスチックに向けた動きが加速しています。

増え続けるプラスチック

海洋プラスチック問題
世界のプラスチック生産量 出典: Global Change Data Lab “Global Plastic Production”

世界で使用されるプラスチックの量は増え続けており、それらの多くは私たちの暮らす街から水路や川を通じて海に流れ出ています。

海に流れ着いたプラスチックは、波や紫外線の影響で劣化することでマイクロプラスチックと呼ばれる5mm以下の小さな粒子になります。これらは既に人体からも発見されており、海洋生物だけでなく、私たちの健康被害も懸念されています。

誤飲で命を落とす生き物たち

海洋の中に住んでいる魚やウミガメがプラスチックを餌と間違えて誤飲したり、絡まったりすることで命を落としてしまいます。

クジラやイルカなどの哺乳類のうち半分以上に当たる56%がプラスチックを餌と間違えて誤飲したことがあるというデータまで発表されています。

海洋プラスチック問題
哺乳類のプラスチック誤飲量 出典:Australian Museum ”Plastic in our oceans is killing marine mammals”

さらに、海の中だけではなく海鳥への影響も出ており、オーストラリアのマイクロプラスチックの摂取量が多いと言われているアカアシミズナギドリという海鳥を調べると、カルシウムやコレステロールが正常値にないことがわかったそうです。カルシウム濃度が低いと卵の殻が薄くなり、孵化率が低下するのではないかと考えられています。

珊瑚礁の白化現象に

海洋プラスチック問題

劣化して5mm以下の小さな粒子になったマイクロプラスチックは、珊瑚礁の白化現象にも繋がっています。学術誌Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciencesで発表された論文によると、Astrangia poculataというサンゴの一種がマイクロプラスチックを「好んで」食べていることが判明しました。しかし、プラスチックを摂取しても消化されることがないので、それらのサンゴは栄養失調に陥ってしまいます。すると、光合成によって行われていた二酸化炭素の吸収や酸素の供給が行われなくなるだけでなく、サンゴの白化現象を引き起こすことになると発表されています。

焼却時に排出する二酸化炭素

また、使い捨てプラスチックは焼却時に二酸化炭素を排出するので、地球温暖化の加速にも繋がっています。資源・リサイクル促進センターによると、2020年度のゴミの内訳は以下のようになっています。

海洋プラスチック問題
廃棄物の内訳 出典:一般社団法人産業環境管理協会

容積比だと半分近くを占めており、また水に溶解した状態の重量を示す湿重量比も全体の2番目の多さになっており、プラスチックゴミの量が多いことが分かります。

健康への懸念

海洋には、過去に使用していた農薬や工業廃水などが含まれており、人体への影響はありませんが低濃度の汚染物質が含まれています。汚染物質は油と親和性があるため、石油から作られているプラスチックは汚染物質を吸着しやすいという性質があります。つまり、マイクロプラスチックは汚染物質を吸着している可能性が高く、人体への影響が懸念されています。

既に水道水や食塩、そして私たちの血液の中からも検出されており、食べるものにもよりますが。人々は毎週5グラムのプラスチックを食べているという研究も発表されています。

最後に

私たちの身の周りに溢れているプラスチックですが、正しく処分されずに海に流れ出てしまうことで絡まったり誤飲することで動物が命を落としてしまったり、マイクロプラスチックによる私たちの健康被害も懸念されています。また使い捨てプラスチックの焼却や珊瑚礁の発白化により、地球温暖化が進むことも深刻な問題です。

私はマイボトルを持ち歩いたり、プラスチックを削減するために固形シャンプーを使用して、ボトルや詰め替えのゴミを減らしたり、スキンケアもプラスチックを回収してくれるブランドを使用するなど出来る範囲で取り組んでいます。

<参照>
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2019.0726
https://www.kikonet.org/kiko-blog/2019-08-22/3593
https://australian.museum/blog/museullaneous/plastic-in-our-oceans-is-killing-marine-mammals/

丸末彩加

丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!
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