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注目のコスメのアップサイクルとは?現状や事例などを紹介

注目のコスメのアップサイクルとは?現状や事例などを紹介

アイシャドウや口紅などのコスメで、気がついたらあまり使っていないアイテムがあるかもしれません。そのまま「ゴミ」として捨ててしまうのは、抵抗あるという方も少なからずいることでしょう。そんなときにコスメをアップサイクルとして出し、クレヨンやジェルネイルなどに生まれ変わる事例を知っておくと、ゴミを減らすこともできるのです。

目次

アップサイクルとは何か

アップサイクルとは、捨てられるはずの廃棄物や不用品を有効活用し、新たな価値のある製品に生まれ変わらせたものです。アップサイクルの事例として挙げられる主な素材として、布を織るときに生じる繊維くずや、洋服を作るプロセスで出るハギレ、骨部分が壊れたビニール傘などがあります。

なぜアップサイクルが注目されているのか

アップサイクルが注目されている理由の一つが、SDGsの取り組みとの関連性です。特に、SDGs目標12「つくる責任つかう責任」は、アップサイクルと関係性が深く、かつ持続可能な消費生産の流れを保つことを目的としているので、ゴミやフードロスの削減に繋がっています。

ほかにも、世界全体の人口が増えている影響もあり、金山などの資源は枯渇の一途を辿っています。その為、代替資源としてアップサイクルが注目されています。

また、日本においては、エネルギーや食料の自給率が世界的に低いため、かつ資源が少ないという側面から資源の枯渇が課題となっています。このような社会背景から、資源の枯渇を避けるための方法の一つとして、アップサイクルへの関心度が高まっているのです。

コスメが抱えている問題

一般的にコスメというと「きれいになりたい」などの人々の心を満たすツールという認識ですが、その裏側には生産から販売までのフェーズにおいて個別の容器に充填する前の化粧品の中身が大量に廃棄されている問題が挙がっています。
株式会社モーンガータが2021年に5,000人を対象に調査したアンケートでは、コスメを使い切れずに途中で捨てるユーザーが86.3%いるという結果となりました。

毎年約2万トン以上のコスメが捨てられる時代に私たちができること | COLOR Again開発秘話|株式会社モーンガータのストーリー|PR TIMES STORY
引用:毎年約2万トン以上のコスメが捨てられる時代に私たちができること | COLOR Again開発秘話|株式会社モーンガータのストーリー|PR TIMES STORY

他にも、生産プロセスの段階で化粧品メーカーから出される化粧品の中身(=バルク)の廃棄量は、国内化粧品メーカー上位5社だけで年間約2万トンであることもこちらの調査でわかっています。それに加え、店頭や小売での在庫やテスターも含めるとさらに破棄されるコスメも多くなります。

コスメのアップサイクル事例

使わなくなったコスメや中途半端に残ってしまったコスメのアップサイクルの事例を紹介しましょう。

Helloyon(ハロヨン)
COSME no IPPO(コスメノイッポ)からリリースしているHelloyonは、「コスメ業界の美容ゴミを無くしていきたい」というコンセプトのもと、破棄される前のカラーコスメを集めた5色セットのクレヨンです。回収方法は、アイシャドーなどのパレットの中身を出し、赤系や緑系など大まかな色分けを行い、それを紙に包んだり、小分け袋に入れたりして送付します。

SminkArt (スミンクアート)
SminkArt は、アイシャドウ・チーク・ファンデーションなどの使わなくなった粉末ベースのコスメを集めた絵の具のブランドです。コスメを絵具で活用する以外にも、ジェルネイル・アクセサリー・キャンドルなどを創作用色材としてあたゆる活用方法があります。

コスメアート
コスメアートは、化粧品を色材に加工して接着剤と混ぜたコスメアートグルーという新たな画材を開発しています。ラメやパールのキラキラ感のあるアイテムが特徴であり、かつペースト状の創りとなっているので、凹凸感のあるテクスチャーを表現できます。通信教育を展開しています。

最後に

使いきれないコスメが自宅にあった場合、「捨てる」という概念から脱却しないとアップサイクルの流れと重要性が多くの人たちに浸透しません。

また、コスメのアップサイクルは、絵画の材料など多岐にわたって活用できます。もし、お手持ちのコスメのなかで使わないものがありましたら、アップサイクルを選ぶのも一つの手です。このような考えを持ち続けることが地球環境の保全にもつながる第一歩になります。

小田 るみ子

小田 るみ子

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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