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サーキュラー・バイオエコノミーとは?

サーキュラー・バイオエコノミーとは?

私たちが毎日使っているスマートフォン、毎日食べる料理や着ている衣服。これらは、全て地球の資源である石油や鉱物、水資源や森林を消費して作られています。今の大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムを継続し続け、かつ人口が増加することによって、更なる環境破壊が引き起こされるだけでなく、資源が枯渇してしまうことも懸念されています。

そこで注目されているのが、自然と調和しながら経済成長することを目指すサーキュラー・バイオエコノミーです。サーキュラー・バイオエコノミーとは、「サーキュラーエコノミー」と「バイオエコノミー」を組み合わせた言葉です。日本では「循環型共生経済」と訳されます。

サーキュラー・バイオエコノミー

サーキュラーエコノミーとは、可能な限り資源の無駄をなくし、資源を循環させることで廃棄をなくす経済のことを指します。サーキュラーエコノミーは、これまでの3R(リデュース・リユース・リサイクル)とは定義が異なり、広範囲な経済活動全体を対象としています。

サーキュラーエコノミーについて詳しくはこちら▼

では、サーキュラー・バイオエコノミーの「バイオ」とは何を指すのでしょうか?英語でバイオ(bio)は、生命や生物を表す接頭語です。日本語では、一般的に生物学を意味する「バイオロジー」と「テクノロジー」(技術)の合成語である「バイオテクノロジー」を指します。生物が持っている能力や働きを人間の暮らしに役立てる技術のことです。

バイオエコノミーとは、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の代わりに生物資源(さとうきびやとうもろこしなどの資源作物、家畜の排せつ物や食品廃棄物などの廃棄物類、稲わらや麦わらなどのバイオマス)やバイオテクノロジーを活用して経済活動を行うことです。

サーキュラーエコノミーは、これまでの大量生産・大量消費ではなく、資源を循環させることで地球への負荷軽減を目指します。一方、 バイオエコノミーは、生物の力を借りながら自然と共生する経済を目指しています。つまり、サーキュラー・バイオエコノミーとは、自然と調和しながら私たち人間も豊かになれる持続可能な経済のことを指します。

サーキュラー・バイオエコノミーの実践

EFI
引用:欧州森林研究所(EFI)

フィンランドに本拠を置く国際科学組織である欧州森林研究所(EFI)は、サーキュラー・バイオエコノミーのための10項目の行動計画を発表しています。同研究所は、自然環境と経済の両立を実現するには、土地や食料、健康や産業構造の全体的な変革・管理にあたって、サーキュラー・バイオエコノミーへの移行が重要だとし、以下の10項目の行動を提唱しています。

  1. 持続可能なウェルビーイングに焦点を当てる
  2. 自然と生物多様性に投資する
  3. 繁栄のための公平な分配を生み出す
  4. 土地・食料・健康システムを全体的に再考する
  5. 産業部門を変革する
  6. 環境に配慮した視点で都市を再考する
  7. 有効な規制の枠組みを作成する
  8. 投資と政策においてミッション重視のイノベーションを提供する
  9. 資金へのアクセスを可能にし、リスク対応力を強化する
  10. 研究と教育を強化し、拡大する

サーキュラー・バイオエコノミーの取り組み事例

サーキュラー・バイオエコノミーを推進しているThe Circular Bioeconomy Alliance(サーキュラー・バイオエコノミー アライアンス)が発表している事例を紹介します。

サーキュラー・バイオエコノミーアライアンスは、2020年にイギリスの国王チャールズ3世によって設立されました。同アライアンスは、世界全体で生物多様性を回復させながら、サーキュラー・バイオエコノミーを推進します。また、投資家、企業、政府・非政府組織や地域コミュニティを結び、知識に基づく支援だけでなく、学習とネットワーキングのプラットフォームとしての役割も果たしています。

詳しくはこちら(英語)▼

インドネシアのマングローブ再生

サーキュラー・バイオエコノミーアライアンスが既に行っているプロジェクトの一つに、インドネシアのマングローブ再生プロジェクトがあります。同プロジェクトは、2017年にインドネシアのスマトラ島で始まりました。マングローブ林を再生・保護することは、生物多様性の保全や気候変動対策、海外線の保護などに繋がります。同プロジェクトは、2019年から2022年の間で合計100万本のマングローブを植林し、コミュニティ意識の向上や女性の参画や能力開発など、地元の地域社会に経済的な機会も提供しました。

最後に

サーキュラー・バイオエコノミーに注目してみてください。世界では気候変動に続いて、生物多様性保全に対する取り組みが活発化しています。経済活動と自然環境の調和を目指すサーキュラー・バイオエコノミーの推進は、今後大きな注目を集めていくでしょう。

参照:
https://circularbioeconomyalliance.org/
https://efi.int/articles/new-action-plan-puts-nature-heart-economy

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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