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サステナブルツーリズムのニーズ高まる|ブッキング・ドットコムレポート2023

サステナブルツーリズムのニーズ高まる|ブッキング・ドットコムレポート2023

オンライン旅行予約サービスを提供する大手Booking.com(ブッキング・ドットコム)は、2023年4月に「Sustainable Travel Report 2023」レポートを発表しました。

このレポートは、2023年2月に、日本を含む世界35ヶ国を対象として、サステナブルツーリズム(持続可能な観光)に関する調査を行いました。調査は、過去1年以内に旅行に出かけ、2023年も旅行の予定がある18歳以上の合計3万3000人以上が対象です。

結果からわかるサステナブルツーリズムへの関心の高さ

ブッキング・ドットコムが発表したレポートによると、サステナブルな観光に関心があると答えた人の割合は、2022年に行なった調査よりも高く、全体の74%を占めました。(2022年は66%)

今後1年以内に計画している旅行をサステナブルなものにしたいと回答した旅行者が76%に上る一方、物価高騰の影響で予算を見直す必要があると回答した割合も同数に上っています。

サステナブルな観光は、従来の観光よりも金額が高い場合が多いです。レポートでも、サステナブルな観光は旅費が高すぎると回答した旅行者が49%と半数を占めています。しかし、良い未来のためなら金額が高くても構わないと回答した旅行者も43%の割合を占めています。

サステナブルツーリズムの課題は価格以外にも

サステナブルツーリズムのニーズ高まる|ブッキング・ドットコムレポート2023

上図によると、旅行業者に対して、サステナブルな選択肢を増やしてほしいと回答した旅行者は74%で、2022年の66%よりも8%増加しています。また、サステナブルな観光の選択肢が不足していると最も多く回答した旅行者が多い国はタイで70%、一方最も少なかった国はオランダで35%です。

また44%の旅行者が、どこでサステナブルな観光に関する情報を入手すればいいのか分からないと回答しています。訪れた地域の文化を感じることができる本物の体験を求める旅行者が、全体の75%を占める一方、地域に貢献することのできるツアーやアクティビティをどのように見つけたらいいか分からないと答えた旅行者は全体の40%に上っています。

既に行われているサステナブルなアクション

同レポートによると、サステナビリティに対して高い関心を持っている旅行者は、旅行中もサステナブルな行動を行っていることが分かりました。例えば、客室を利用していない時はエアコンを消すと答えた割合は全体の67%で、2022年と比較して29%増加しています。また、タオルを繰り返し使う旅行者の割合も全体の60%で、2022年と比較して25%の増加です。他にも、繰り返し使用することのできるマイボトルを持参する旅行者は全体の60%、不必要な電気を消すなどの省エネ対策を行う旅行者は全体の77%、ゴミの分別をきちんと行う旅行者の割合は全体の45%、そして部屋の毎日清掃を断る旅行者の割合は全体の40%と、全体的に2022年よりも観光客のサステナビリティに対する関心が高まっていることが分かります。

交通手段についても同様です。フランスでは、鉄道で2時間半以内の移動が可能な都市間の航空機利用を禁止する法律が成立しました。今後、フランスに限らず、旅行の移動手段は、環境負荷の小さい方法を取ることが主流になるかもしれません。その動きは、既に始まっています。全体の43%の旅行者が、飛行機や自動車といった二酸化炭素を排出する交通手段ではなく、徒歩や自転車、公共交通機関での観光を予定していると回答しています。

また、混雑を避けてオフシーズンに観光することを計画している旅行者の割合は、全体の43%です。オフシーズンに観光することは、旅行者の増加によって引き起こされる地域住民の生活や自然環境に対してマイナスな影響を与えるオーバーツーリズムの緩和に繋がります。

第三者認証による透明性の確保が求められる時代へ

旅行者のサステナビリティに対する意識は、年々高まっています。ブッキングドットコムのレポートでは、全体の65%の旅行者が、自分が宿泊する施設が第三者機関によるサステナブル認証やラベルを取得していると安心して利用できると回答しています。そして、今後旅行を計画する際、サステナブル認証の取得有無を検索条件にしたいと回答した旅行者は、59%と半数を占めます。

一方で、全体の39%の旅行者は、旅行会社がサステナブルだと謳うツアーや宿泊施設といった選択肢が本当にサステナブルかどうかは疑わしいと回答しています。今後、観光産業全体で観光客の信頼を獲得していく必要性が明らかになりました。

最後に

2023年2月、筆者はアムステルダムとベルリンのホテルに滞在しました。その際、タオルを繰り返し利用する取り組みや部屋の清掃を断る取り組みは、既に当たり前のように行われていました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

日本政府観光局のデータによると、日本を訪れる外国人観光客の数は、2022年6月以降増加傾向にあり、今後も増えることが予想されます。ブッキング・ドットコムが発表した今回のレポートは、35ヵ国を対象としたものでグローバル全体の動きを反映したものではありません。

しかし、透明性の高く、信頼できるサステナブルな選択肢を用意することや第三者認証を取得することは、環境配慮に関心のない旅行者だけでなく、配慮したいと考える旅行者に対しても、日本で満足度高い滞在をして貰うために必要となるでしょう。

今回紹介したレポートの全文はこちらをご覧ください。

丸末彩加

丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!