グローバル企業が牽引?未来のエネルギーインフラは大きく変わる

世界では28億人もの人が、安全でクリーンなエネルギーへのアクセスが難しい状況です。適切な処置を行えず、人体に有害な物質を排出する燃料で作られたエネルギーは、地球環境に対して大きな負荷となります。この記事では、安全でクリーンなエネルギーをより多くの企業や個人に普及させるにはどんな取り組みが必要か解説します。

エネルギーをみんなに、そしてクリーンに|新しいエネルギーへの取り組み

地球の気候変動をもたらすしている温室効果ガス発生の最大の原因は、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料。発電などのために、これらを燃やすと、温室効果ガスの最大の原因である二酸化炭素を大量に排出します。

人類はこれまでの経済活動の中で、大量の温室効果ガスを排出してきました。その為、地球は今、気候変動の危機にさらされています。

これを減らして、地球環境への負荷を軽減する取り組みは少しずつ進んでいますが、これをさらに押し進めるグローバル企業と、それを支えるシステムとはどんなものなのかご紹介します。

先駆者は世界に名だたるグローバル企業。再生可能エネルギーの現状とは

温室効果ガスを大量に排出する従来型の発電所の稼働は、地球環境に大きな影響を与えています。日本でも、毎年豪雨などの災害に見舞われているのは周知の事実です。

世界では再生可能エネルギーの導入が進んでおり、巨大企業の中にはカーボンニュートラル(排出される温室効果ガスと吸収される温室効果ガスを差し引きゼロにすること)をすでに達成している企業も出てきました。

今回ご紹介する企業がどのような目標を掲げ、どのような取り組みをしているのかを詳しくみていきましょう。

IKEA(スウェーデン)

https://www.ikea.com/より引用

日本でも数多くの店舗を展開している世界最大の家具小売りの「IKEA(イケア)」は、2021年9月から本国のスウェーデンで再生エネルギーの販売に乗り出しました。

その仕組みは、提携企業が調達した太陽光または風力などの再生可能エネルギーで発電された電気を各家庭に再販売するというもの。その際IKEAは調達したそのままの価格で提供するということです。各家庭では、月額の固定料金と変動分の料金を支払うことになり、専用のモバイルアプリで、どれくらいの電力を使ったかを追跡することができます。

世界展開も視野に入れているとのことで、これが実現すれば日本でもクリーンなエネルギーを安価で手に入れられるようになるかもしれません。

IKEAは、2015年から家庭用ソーラーパネルの販売も行っており、それはすでに11の市場に及んでいます。IKEAの取り組みが世界中に広がっていけば、再生可能エネルギーの利用が進み、「2030年までに、だれもが、安い値段で、安定的で現代的なエネルギーを使えるようにする。」というSDGs7のターゲットに大きな貢献をします。

DigiKoo(ドイツ)

https://www.digikoo.de/より引用

再生可能エネルギーが発電されただけでは、私たちの手元に届くことはありません。配電ネットワークの構築も、SDGs7の目標達成のためには必要なことです。しかし再生可能エネルギーの発電が進むと、システムが複雑になることが予想されます。

ドイツのシステム開発企業「DigiKoo(ディジコー)」が取り組むのは、電力会社だけが負担するのではなく、配電ネットワークに関わるすべての企業・個人を巻き込むために、配電系統を「見せる化」するシステムです。この開発の目的は、今後、増加が見込まれる太陽光発電やEV充電設備を「一切の追加投資をせずに、既存の配電系統に調和させる」ことにあります。

日本でも資源エネルギー庁が電力やガスの供給において、双方向通信が可能な次世代型送配電ネットワークの構築を目標に掲げており、再生可能エネルギーの導入に対応した配電システムが強化されていくでしょう。

Apple(アメリカ)

https://www.apple.com/jp/environment/より引用

IT企業の巨人Appleには世界中に数多くの協力会社(サプライヤー)があります。そのうちの110社以上がAppleの製品を製造する際に使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーに変えていくということが発表されたのは2021年3月です。

すでにAppleは自社のカーボンニュートラル(排出される温室効果ガスと吸収される温室効果ガスを差し引きゼロにすること)を全世界の事業所で達成していますが、製造から製品ライフサイクルのすべてにおいて、2030年までにカーボンニュートラルを達成するという目標を定めています。

この目標を達成するために、サプライヤーがこれを達成するための支援をしていくとしています。具体的には、サプライヤーに再生エネルギー分野の専門家を派遣したり、自社がカーボンニュートラルを達成するまでの経験をサプライヤーに提供したりするなどの取り組みをする計画です。

このような取り組みは積水ハウスやトヨタ自動車など日本の大手企業で始まっていて、これから日本でもカーボンニュートラルに向けたサプライチェーンの変革が進んでいくでしょう。

まとめ

世界的にはもはやクリーンエネルギーの導入は当たり前のことになっていて、それぞれ再生可能エネルギーの再販、それを各家庭へ届ける配電ネットワークの開発、サプライヤーのカーボンニュートラル導入へのサポートと、先進的な取り組みをしていることがわかりました。

IKEAもAppleも日本でも展開しているグローバル企業で、これからはこういったグローバル企業が掲げた目標に向けて、多くの企業が追随することになっていくでしょう。また、DigiKooが開発しているような双方向通信が可能な次世代型送配電ネットワークもこれからますます必要とされる時代になっていきます。今は社会のインフラが大きく変わっていく転換点といえるでしょう。

SDGsは、ゴールを2030年に定めています。あと9年。達成のために何ができるのか、先進国の企業や個人の姿勢が問われています。

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