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ハイブランドも注目するヴィーガンレザーとは

ハイブランドも注目するヴィーガンレザーとは

近年、環境保護や動物愛護の活動が盛んです。そのような流れのなか、衣類や雑貨の素材も「環境に優しい」をコンセプトにしたものがクローズアップされています。本記事では、国内外で注目されている動物たちを傷つけないヴィーガンレザーについてご紹介します。

「サステナブル」と言われるヴィーガンレザーについて

動物由来のレザーは、動物の皮を剥がした後、加工の段階で生地に化学物質の塩基性硫酸クロムを塗る作業があります。この物質自体は、もともと有害なものではありませんが、加熱すると化学反応を起こし、有害物質に変化するリスクが発生します。しかも、水に分解しづらい性質を持っているので、排水すると水質汚染につながってしまうのです。つまり、動物由来のレザーは、私たちの手に届くまでに、環境汚染につながるといえるでしょう。

一方、ヴィーガンレザーとは、動物の革を使わず、人工的に風合いや質感を本革に似せて作られた素材であり、工程の段階でダメージを与えるモノが存在しません。

そして、ヴィーガンレザーには、合成皮革・人工皮革・植物皮革の3種類があります。中でも植物由来のヴィーガンレザー(植物皮革)は、地球環境問題と動物倫理(アニマルウェルフェア)に配慮された素材であることから注目がされています。

ヴィーガンレザーの素材の種類

ヴィーガンレザーは、植物由来素材を原料としていますが、その中でも環境に優しいとされているヴィーガンレザーの素材の主な種類は以下のとおりです。

アップルレザー

アップルレザー
引用:有限会社ニチモウ – アップルレザー

アップルレザー(アップルスキン)は、リンゴの搾りかすとして残った芯や皮を原料とし、ポリウレタン樹脂を合成したヴィーガンレザーです。軽量で、かつ水に強く、耐久性にも優れています。

カクタスレザー

カクタスレザー
引用:CRAFSTO – サボテンレザー

カクタスレザー(サボテンレザー)とは、メキシコで生育したサボテンの葉を加工し、化学薬品を使わずに創り上げた素材です。ちなみにサボテンは水が少ない乾燥した天候でも育ち、かつCO2を吸い上げる力があるため、脱炭素にもつながる素材です。素材自体の耐久性が高く、長い間使えます。

マッシュルームレザー

マッシュルームレザー
引用:MycoWorks – マッシュルームレザー

マッシュルームレザーとは、きのこの菌糸体を培養して作られた素材です。きのこの菌糸の繊維質が動物由来のレザーに似ており、質感が柔らかいのが特徴。有名ブランドがマッシュルームレザーを使ったバッグ類に携わっているという点で、話題となり注目度がアップしています。

パイナップルリーフレザー

パイナップルリーフレザー
引用:株式会社ナダヤ – パイナップルリーフレザー

パイナップルリーフレザーとは、廃棄されるパイナップルの葉の繊維を使った素材です。イギリスのANANAS ANAM(アナナス・アナム)社が開発し、「ピニャテックス」という素材名でリリースしています。耐久性と撥水性が優れているため、雨でも活用できるのが特筆すべき点です。環境へのダメージを極力避けながら、農家に新たな収入源を生み出す取り組みをする点においては「三方よし」の素材といえるかもしれません。

ワインレザー

ワインレザー
引用:LOVST TOKYO – グレープレザー

ワインレザー(グレープレザー)とは、ワイン製造途中で廃棄されるブドウの搾りかす(皮・茎・種子)を原料とした素材です。この素材はイタリアのVEGEA(ベジェア)というベンチャー企業が開発しました。耐久性や耐水性はもちろんのこと、通気性にも優れており、強度と柔軟性でも高い評価を受けています。実際に自動車のベントレーの100周年記念のコンセプトカーのシートなどに採用されています。

ヴィーガンレザーを活用している企業事例

ヴィーガンレザーは私たちにおなじみのブランドや企業も商品づくりに採り入れています。企業事例については以下のとおりです。

・エルメス:マイコワークスと共同開発したバッグ素材としてマッシュルームレザーを活用

・ボルボ:全ての電動化モデルのインテリアにバイオベースやリサイクルソースを原料とした素材を活用

・銀座ワシントン:アップルレザーを使用し、デザイン性と機能性に優れたパンプスをリリース

日本国内で取り組んでいるのが土屋鞄製造所です。自社の新しい試みとして、キノコの菌糸体(※菌が構成する、根のような細かい糸状の組織体)85%+再生繊維15%で仕立てたシートの表面にポリウレタン樹脂をコーティングした“Mylo™”という名のマッシュルームレザーを使ったランドセルやバッグ、財布をリリースしています。菌糸体の細かい繊維によって本革のように柔らかな手触りと上質感のある風合いを出しているのが特徴であり、かつ十分な強度を保てる素材を実現しています。柔軟性も備わっているので、今後、あらゆる製品に活用できる見込みがあるといわれています。

上記のブランド以外にもヴィーガンレザーを扱うベルト店なども登場し、着実に認知度を高めています。

最後に

ヴィーガンレザーは、植物由来の素材であり、工程の段階で犠牲になるモノもなく、動物由来素材よりも水質汚染のリスクが少ないのが特徴です。まさに地球環境に優しい素材です。最近ではサボテンやリンゴの廃棄物(主に芯や種)、マッシュルームレザーなどといった植物由来のレザーを使ったアイテムがラインアップされています。そして、ヴィーガンレザーは、耐久性と耐水性にも優れているので、雨に濡れた場合でもダメージの心配がなく、使い勝手も良いのが特筆すべき点です。

財布やバッグの購入が必要となったとき、ただデザインやブランドの観点から着目するのではなく、製造の工程で素材が地球環境にどのようなインパクトを与えているかを知っておくことも必要かもしれません。ヴィーガンレザーは、製造する側も使う側、そして地球環境にとっても「メリット」があります。おそらくヴィーガンレザーは、私たちの生活により身近な存在になるのではないかと思います。

丸末彩加

丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!
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