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観光産業が「持続可能な観光」に取り組むべき理由とは?

観光産業が「持続可能な観光」に取り組むべき理由とは?

「持続可能な〜」という言葉を目にする機会は増えていませんか。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、これまでとは違った生活様式を数年実践したことで、人々の価値観は大きく変化し始めています。変化している価値観のキーワードの1つが、「持続可能な〜」です。環境や社会的負荷を軽減し、持続可能なビジネスモデルへ変容する動きは、観光産業でも見られます。

目次

サステナブルツーリズムにおけるヨーロッパの傾向

サステナブルな価値観やライフスタイルが定着しつつあるヨーロッパの旅行者は、以下のような傾向が見られるようになりました。

  • 宿泊施設を選ぶ際は料金だけでなく、自然エネルギーの電力を使用しているか確認する。
  • アメニティや食材は環境に配慮しているかどうか調べる。
  • 宿泊施設は、オーガニック認証や国際フェアトレード認証を取得しているかどうか確認する。
  • 移動は電気自動車や電動バイクなど、CO2排出量を削減できる選択肢があるかどうか確認する。

つまり、ヨーロッパの旅行者の一部は、地球環境や人権配慮を考慮したモノやサービス選びを重視し始めています。

サステナブルツーリズムのスタートは途上国

サステナブルツーリズムの先駆けは、エコツーリズムです。エコツーリズムをいち早く採り入れた場所は、アフリカなどを中心とした途上国でした。いずれの国や地域も、手付かずの大自然が多く残っています。自然保護と併行して、密猟や森林伐採をすることで収益化し、長期化する貧困問題の解決や雇用を生み出す取り組みを行っていました。このような取り組みが、環境や社会問題への意識が高いヨーロッパの旅行者たちに評価され、徐々にサステナブルツーリズムとして定着するようになっています。

旅行者も観光産業も「消費型」から「量より質」へ

新型コロナウイルス感染拡大前(※2019年以前)、日本国内では都市部や地方を問わず、多くのインバウンド観光客で賑わっていました。たくさんモノを買い込み、観光を余すところなく楽しむといったインバウンド観光客を皆さんも見かけたことがあることでしょう。インバウンド需要によって業績アップした施設や店舗もあったでしょう。一方で、文化や常識の違いなどで、ゴミ捨てのマナーや騒音などの新たな問題が発生しました。

新型コロナウイルス感染拡大のタイミングが、SDGsを意識したライフスタイルが浸透しつつある時期と相まって、観光産業も「エコ」や「持続可能」をコンセプトとした取り組みにシフトチェンジしています。例えば、地域の文化と自然を守ることや地域経済の発展にフォーカスし、量ではなく質を重視したツーリズムを再構築する動きが活発化しています。

持続可能な観光を目指すならJSTS-Dがおすすめ

観光産業がサステナブルツーリズムに取り組むメリットは、地域文化と環境問題に配慮することで観光地の地域住民と良い関係を継続的に構築出来る点です。また、観光産業は、多くの雇用を生み出し、地域経済に貢献します。

本来観光産業の発展は、喜ばしいことです。しかし、従来型の観光ビジネスモデルを持続可能な形へと変化させる必要があります。

観光産業が、サステナブルツーリズムを目指す近道は、集客の前に観光地に住む方や働く方が満足できる街づくりをすることです。街づくりという土台作りからスタートします。取り組みの第一歩として挙げられるのが、観光地の現状がどうなっているか調べ、分析することです。地域の課題点を洗い出し、どのような手段を取れば解決できるかを知見のある方を交えて取り組むと新しいアイデアが思い浮かぶかもしれません。

サステナブルツーリズムに取り組む場合、観光庁が策定した「日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-D)」の活用をお勧めします。​​持続可能な観光を推進する際に、地方、自治体や観光地域づくり法人(DMO)が、持続可能な観光地のマネジメントの導入を検討する際の参考情報となります。

JSTS-D
引用:JSTS-D

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最後に

空港の水際対策が緩和されたことにより、日本国外からのフライト数が徐々に増え、訪日外国人観光客が、再度日本を訪れるようになりました。

日本は、元々おもてなしや文化などで海外からも高く評価された経緯もあり、日本政策投資銀行と日本交通公社が共同で実施したアンケートによると、コロナ収束後に訪れたい国として「日本」が一位という結果も出ています。ツアー会社・旅行者・観光地の住民や従業員が一丸となって、「持続可能な観光」を意識した取り組みを実施し、日本の魅力を国内外に発信し続けることで、日本は観光立国を目指す事が出来ます。

小田 るみ子

小田 るみ子

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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