GSTC2024シンガポール開催。持続可能な観光の未来を探る国際会議
世界規模の持続可能な観光推進を目指すGSTC(Global Sustainable Tourism Council)の年次国際会議「GSTC2024」が、2024年11月13日から15日までの3日間、シンガポールのセントーサ島で開催されます。
当メディアの編集部も実際に現地へ赴き、会議の様子や最新の持続可能な観光の取り組みについて、詳細なレポートをお届けする予定です。
今回は事前知識として、GSTC2024に関する情報をご紹介します。
GSTC2024の重要性
新型コロナウイルスのパンデミックからの回復期にある今、観光産業は大きな転換点を迎えています。観光需要の回復とともに、より持続可能な観光の実現が世界的な課題として挙げられています。GSTC2024は現在の重要な時期に、今後の方向性を示す重要な会議です。
2024年は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成期限である2030年まで残り6年となる重要な年です。本会議では、SDGsの目標達成に向けた観光産業の役割と、具体的な行動計画が議論されます。
GSTC2024の注目4大テーマ
本GSTC2024では、特に「持続可能な都市観光の推進」や「文化、遺産、コミュニティの保存」といったテーマが注目されています。
1. 持続可能な都市観光の推進
急速な都市化と観光需要の増加に直面する現代社会において、都市部における持続可能な観光の在り方が重要なテーマとなっています。本会議では、オーバーツーリズム対策や地域社会との共生など、具体的な施策について議論が交わされる予定です。
2. 持続可能なホスピタリティ
宿泊施設におけるカーボンニュートラルの実現や廃棄物削減、また従業員の労働環境改善など、ホスピタリティ産業全体の持続可能性について、先進的な取り組み事例の共有と課題解決に向けた討議が行われます。
3. バリューチェーン全体にわたる持続可能性の統合
観光産業におけるサプライチェーンの透明性向上や、環境負荷の少ない調達方法の確立など、バリューチェーン全体を通じた持続可能性の実現に向けた方策が検討されます。
4. 文化、遺産、コミュニティの保存
観光開発と文化遺産の保護の両立、地域コミュニティの参画促進など、観光がもたらす経済的利益と文化的価値の保全の調和について、具体的な施策が議論されます。
なぜシンガポールなのか
シンガポールは、持続可能な都市開発と観光の両立を実現している先進的な事例として知られています。「Garden City」から「City in Nature」へと進化を遂げ、持続可能な都市開発のモデルケースとして世界的に注目されています。
特に会場となるセントーサ島は、環境配慮型の観光開発を実践する先進的な事例として、参加者に多くの示唆を与えることでしょう。
サステナブルツーリズム実践のエクアリウスホテル
会場となるリゾート・ワールド・セントーサのエクアリウスホテルは、サステナブルツーリズムの模範的な施設です。持続可能な観光における卓越した取り組みが評価され、3つの重要な認証を取得しています。
- GSTCデスティネーション基準
- GSTCホテル業界基準
- SACEOSのMICEサステナビリティ認証(会場部門・中級)
これらの認証取得は、10年以上前の施設建設時から継続されてきたサステナビリティへの取り組みが実を結んだ証といえます。
GSTC認証の意義
エクアリウスホテルが取得した二つのGSTC認証は、同施設の持続可能な観光への包括的なアプローチを証明しています。
特に、デスティネーション基準とホテル業界基準の両方を満たすことは、施設単体としての取り組みだけでなく、地域全体の持続可能な観光開発にも貢献していることを示しています。
自然との調和を実現する施設設計
エクアリウス(Equarius)という名前は「調和」を意味し、その名の通り、ホテルは周辺の自然環境と見事な調和を実現しています。
緑豊かな環境に溶け込むように設計された建築は、持続可能な観光施設のあるべき姿を体現しているようですね。
実践的な学びの場として
包括的な持続可能性への取り組みを実践するエクアリウスホテルにて、GSTC2024が開催されることは「理論と実践の融合」という点で極めて意義深いといえます。
参加者は会議での議論と同時に、持続可能な観光の実践例を直接体験することができます。本会議に先立って開催されるトレーニングセッションでは、このホテル自体が実践的な学びの教材となります。
カンファレンスプログラム
持続可能な観光の実践に向けた集中トレーニングが開催されます。このセッションでは、GSTCの基準や評価方法について、実践的な知識を得ることができます。
11月13日(水) | ・開会式 ・持続可能な都市観光に関するセッション ・都市部における持続可能な観光の実現 ・オーバーツーリズム対策の最新事例 ・地域社会との共生モデルの構築 |
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11月14日(木) | ・持続可能なホスピタリティとバリューチェーンに関するセッション ・ホテル業界におけるカーボンニュートラルの実現 ・サプライチェーンの透明性向上 ・環境負荷の少ない調達方法の確立 ・パネルディスカッション:業界横断的な取り組みの可能性 |
11月15日(金) | ・文化遺産とコミュニティの保存に関するセッション ・観光開発と文化保護の両立 ・地域コミュニティの参画促進 ・全体総括・閉会式 ・行動計画の策定 ・今後の展望についての討議 |
GSTCの開催概要
開催日時
2024年11月12日(火)〜11月15日(金)
- トレーニングセッション:11月12日(火)
- 本会議:11月13日(水)〜15日(金)
会場
リゾート ワールド セントーサ エクアリウス ホテル (シンガポール セントーサ島)
まとめ
GSTC2024は、持続可能な観光の実現に向けた世界的な対話の場として、また実践的な知見を得る機会として重要な意味を持ちます。本会議での議論や知見の共有が、観光産業の持続可能な発展にどのように貢献するのか、大きな注目が集まっています。
当メディアの編集部は現地に赴き、会議の様子や最新の持続可能な観光の取り組みについて、詳細なレポートをお届けする予定です。後日公開予定の参加レポートをご期待ください。
参照