eco検定で持続可能性の知識を深めよう!勉強方法や活用ポイントを紹介
2021年12月にeco検定を受験しました。その際の勉強方法や、今後サステナビリティというビジネスの分野においてどのように活かせるのかという視点で感想を共有したいと思います。
eco検定の概要
正式名称は「環境社会検定試験」といい、東京商工会議所が主催する民間の検定試験で、どなたでも受験することが可能です。受験方法には2種類あり、直接会場で受験する方法とオンラインで決まった期間内に受験する方法があります。制限時間は2時間、100点満点中70点以上で合格となり、2020年の合格率は79.1%となっています。より詳しい申し込みや受験の日程について知りたい方はこちらをご確認ください。
eco検定で学ぶことのできる分野
①持続可能な社会に向けて、これまでの日本そして世界の歴史
サステナビリティという分野に関わっていると、SDGs、IPCC、COP26、COP15など、耳にする機会が多いのではないでしょうか?もちろん、一つ一つの意味や目的は把握しているかもしれませんが、設立された背景などを学ぶことで、これまでにあった流れやなどの理解を深めることができます。
②地球で起きている環境問題
生命がどのようにして誕生したのか、そして人間が生きていける今の「環境」を形成するために必要であった大気の循環・水の循環・森林や土壌・生態系などの基礎知識について学びます。その後、現在起きている環境問題について分野に分けて知ることができます。
- 気候変動・地球温暖化
- 科学的に証明されていることや、温暖化への対策として「緩和策」と「適応策」が存在すること、そして国際的な取り組みについて学びます。
- 科学的に証明されていることや、温暖化への対策として「緩和策」と「適応策」が存在すること、そして国際的な取り組みについて学びます。
- エネルギー問題
- 日本のエネルギー問題や化石燃料、原子力発電、それぞれの供給源の種類や特性について、もちろん太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などの再生可能エネルギーについても学びます。そして発電したエネルギーをいかに効率的に使用するか、という省エネの対策についても触れられています。
- 日本のエネルギー問題や化石燃料、原子力発電、それぞれの供給源の種類や特性について、もちろん太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱などの再生可能エネルギーについても学びます。そして発電したエネルギーをいかに効率的に使用するか、という省エネの対策についても触れられています。
- 生物多様性
- 気候変動の次に世界が注目しているトピックが生物多様性であり、現在TNFDという生物多様性に関する枠組みが発表されていますが、ビジネスと生物多様性に関しても知ることができます。また、絶滅危惧種の保全に向けた世界の取り組みや、どのように矯正していく社会を目指すのかについても学びます。
- 気候変動の次に世界が注目しているトピックが生物多様性であり、現在TNFDという生物多様性に関する枠組みが発表されていますが、ビジネスと生物多様性に関しても知ることができます。また、絶滅危惧種の保全に向けた世界の取り組みや、どのように矯正していく社会を目指すのかについても学びます。
- 地球環境問題と地域環境問題
- 地球環境問題とは、文字通り地球全体や広域に影響をもたらし、国際社会で協力しないと解決できない問題のことを指します。例えば、オゾン層の保全や海洋問題、酸性雨、砂漠化問題、森林破壊などが含まれます。それらの原因や影響、そして講じられている対策について学びます。
- 地域環境問題とは、影響が地域に限定され、原因が明瞭に捉えられる問題のことを指します。例えば、水質汚濁、土壌の汚染、騒音、地盤沈下や悪臭などが当てはまります。これらの原因、影響、そして講じられている対策について学びます。
- 循環型社会
- ここでは主に廃棄物に関することを学びます。包装容器、家電、建設、食品、自動車などの処理方法についても触れるので、ごみ問題やリサイクルについても知ることが出来ます。
- ここでは主に廃棄物に関することを学びます。包装容器、家電、建設、食品、自動車などの処理方法についても触れるので、ごみ問題やリサイクルについても知ることが出来ます。
- 化学物質
- 化学によって生活が豊かになった一方で、人体への影響や環境へのリスクがあるので、化学物質を適切に管理するための法律について学びます。
環境問題は大きく分けるとこのように分類されます。
③それぞれのセクターの関わり方
そして3つ目は、各セクターの役割や取り組んでいることなどについて学びます。国際機関や政府、自治体、企業、そして私たち個人ができる行動にまで落とし込まれています。もちろんSDGsのことも学べるように、公式テキストの項目にはそれぞれSDGsのどの目標に関係しているのかが表示されています。
ESGの「E」の部分を網羅している
eco検定は浅めではありますが、ESGの「E」に関する幅広い分野をカバーしているということで受験しました。CDP、SASB、FTSE Russellなどの国際的な機関による情報開示の質問項目と比較すると分かりますが、eco検定で学ぶトピックと(一部産業によって違う場合もありますが)被っていることが理解できます。
そして企業によっては、マテリアリティのKPIに掲げているところもあります。
イオンモールさんの気候変動・地球温暖化のマテリアリティのには以下のようにeco検定の取得率100%と記載されています。
①EV充電器設置の拡⼤、EV充電器設置台数
引用:イオンモールのマテリアリティ
②再⽣可能エネルギー創出による年間CO2排出量総量35%削減
③地域住⺠、専⾨店向け環境啓蒙取り組みの強化
④eco検定の取得率100%
TCFDのシナリオ分析でも気候変動によって起こる機会とリスクについて考える項目があると思いますが、テキストには気候変動に対する緩和策や適応策についても部門別に紹介されているので参考になるのではないかと思います。
また、現在は気候変動、生物多様性、循環型社会、とそれぞれバラバラに考えられていますが、実際は複雑に絡み合った一つの課題として広く捉えていく必要が出てくると考えられます。
E、S、G、もちろんどれも重要なことですが、eco検定はEの部分を広く理解するにはとても最適なのではないかと感じました。
勉強方法と期間
eco検定の公式サイトでは平均1〜2ヶ月と答えている方が多いですが、私も1ヶ月前から少しずつ勉強し始めました。始めは過去問を3回解けば大丈夫、と問題集しか手元になかったのですが、私は性格上全ての選択肢の意味や細かい違いを理解したいタイプなので公式テキストも使用しました。よって、目指すゴールによって勉強方法も異なると思います。
最後に
いかがでしたでしょうか?
自分とあまり関係のない化学物質やこれまでの歴史については、少し理解するのに苦労しました。しかし、最近よく耳にする「フードロス」という言葉や食料自給率の話から始まり、どう環境と関係しているのかを専門用語と一緒に学ぶことができたり、実は世界で使われる農薬の25%が綿花の生産に使われているという衝撃の事実など、新たな発見もありました。
また、ESGのEで問われる部分についても、専門的なことまではわからなくとも、表面的には理解することができるようになります。
eco検定に限らずですが、合格することが重要なのではなく、学んだ知識を今後どう生かすかが大切だと感じています。環境に関する話題はどんどん変化していくので、常にアップデートしながら継続的に学んで行きたいと思います。