環境(水、森林、海洋、エネルギー資源)

SDGs|世界の水問題|日本企業の具体的な取組事例5つ

SDGsでは目標6に掲げられた「安全な水とトイレを世界に」への取り組み。

安全な水と衛生的なトイレなど、日本に住んでいれば当たり前に利用することができ、そのありがたみを実感する機会は少ないでしょう。

しかし、世界にはそれらを享受できる人々ばかりではありません。

そこでこの記事では、そんな世界の水問題を考えるとともに、国境を超えてそれらの解決に向けて活動する日本企業の取り組みをご紹介します。

SDGs目標6:安全な水とトイレをみんなに

SDGs目標6:安全な水とトイレをみんなに

日本では当たり前に利用できる飲み水と衛生的なトイレですが、主にアフリカなどを中心とした開発途上国では、それは当たり前の状況ではなく、人々は不衛生な水やトイレを利用せざるを得ない、もしくは利用自体ができない状況にあります。

飲み水の世界事情

国際NGOウォーターエイドが発表した「気候変動の最前線:2020年 世界の水の現状」によれば、地球上で安心できる飲み水を確保できない人たちの数は現在20億人もいるといわれています。

この数値自体は各国の取り組みにより改善の傾向にはありますが、それでも約1億4千万人以上の人々が雨水や泥水などの地表水を飲まざるを得ない状況にあり、世界中のどこでも安心して飲み水を確保するには、少なくとも100年はかかると見られているのが現状です。

トイレなど水回りの衛生施設

ユニセフの資料によれば世界で42億人が安全に管理された衛生施設(トイレ)を使用できず、そのうち6億7千万人以上が屋外排泄を選ばずを得ない状況にあるといいます。

衛生的で安心して利用できるトイレは、人々の健康を保ち感染症の拡大を予防するだけでなく、尊厳を持った暮らしをする上で重要な役割を果たしているのです。

世界の水問題に取り組む日本企業の取り組み事例5選

世界の水問題に取り組む日本企業の取り組み事例5選

気候変動の影響で世界の水資源は今後ますます不足すると考えられており、水ビジネスとしても大きな注目を集めています。

これら世界を股にかけたビジネスを通じてSDGs目標6に貢献するには、日本のみならず世界でも名のしれた大手企業の取り組みが事例としては参考となるでしょう。

排水管理と水に影響を及ぼす物質のチェック・研究

排水管理と水に影響を及ぼす物質のチェック・研究
画像引用:株式会社島津製作所【事業を通じたSDGsへの取り組み】

分析計測機器や産業機器の開発・製造で、さまざまな産業分野へのサポートを続ける株式会社島津製作所

同社ではSDGsをはじめとするグローバルな社会課題を解決するためには、科学技術の重要性がますます高まる考え、それらのニーズに対応した革新的な製品・サービスの開発に力を注ぎ続けています。

水、大気、土壌中の環境汚染物質や環境ホルモンの測定・モニタリングや、排水管理(半導体製造などの洗浄工程における不純物金属のモニタ機器)など同社の取り組みによる研究結果は、SDGs6の達成への欠かせない資料としての大きな価値を持ちます。

海水淡水化技術で世界の水資源問題に貢献

水の惑星といわれるほど水資源の多い地球ですが、海の水や地下水を含めた地球上の水の97%は海水で、そのまま飲用水や生活水として利用することはできません。

この海水をそのまま引用できる淡水に変える記述を海水淡水化技術といい、日本が世界の水問題解決に貢献できる代表的な技術の1つです。

水処理装置メーカーである水処理エース株式会社では、海水淡水化装置、含塩水脱塩造水装置などの開発・製造により、日本国内をはじめ世界各国で安心・安全な水を造り続け、SDGs6の解決へ向けて大きな貢献を果たしています。

同社では、社員全員が「技術者集団」という自覚を持ち、常に情報感度を高め他業種の機会の仕組みや知識を積極的に吸収していこうという考えを持つことで、他社の追随を許さない技術力と経験を誇っているのです。

空気から水を作る飲料水生成機で安全な水を提供

慢性的な水不足が続く地域や、災害時に急に水の供給が止まった地域に対しても安心・安全な飲み水を提供するため、空気から水を作る装置を開発したのが株式会社JTECT(ジェイテクト/旧:岐阜電設株式会社)。

世界中すべての人に安全でおいしい水を届けたいという想いの元作られた、同社の製品が「泉せせらぎ」です。

2018年7月の西日本豪雨の際は、川が氾濫、決壊するなどして町内の46%が浸水するなど甚大な被害を受けた広島県三原市本郷町へ対し、災害支援活動として泉せせらぎを無償貸与。

このような事例を含め、国内外の水不足に悩む地域への貢献を通してSDGs6の解決への取り組みを進めています。

水資源の保護団体への支援プロジェクト

水資源の保護団体への支援プロジェクト
画像引用:コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社【社会との共創価値(CSV)/資源】

清涼飲料水事業を中心に世界200以上の国でビジネスを展開するザ コカ・コーラ カンパニーの傘下であるコカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社の共通理念は地域に根ざした事業。

その理念を元にSDGsへの取り組みも積極的に行っており、SDGs6へも水の還元率100%以上や使用量を2030年までに30%削減するなどを目標として掲げています。

各工場では「製造に使用した水」と「製品に使用した水」の2つの分類し、水の回収・処理や水源の保全活動などを率先して行うことで目標達成を目指しているのです。

また、「い・ろ・は・す の森活」と名付けたプロジェクトでは、売上金の一部を日本各地に広がる森林の保全活動に寄付するなど、豊かな森林を守ることで次世代への水資源を引き継ぐ活動を支援しています。

水環境基金を設立し途上国の水環境を支援

水環境基金を設立し途上国の水環境を支援
画像引用:TOTO株式会社【SDGs×TOTO】

トイレといえばTOTOというほど、そのイメージが定着した水回りの製品を扱うTOTO株式会社では、2025年に「TOTO水環境基金」を設立しました。

この基金は「2030年の世界のあるべき姿」の実現に向け、TOTOとして何ができるだろうと問いかけることから始まったといいます。

トイレに使う洗浄水量の削減や、商品製造時のCO2削減など、SDGsに関わる幅広い取り組みを行う同社ですが、その一環として2005年に同基金は設立されました。

この基金の特徴は、地域社会が持続的に発展していくためには、その地域の住民による活動が不可欠と捉え、一時的な物資や資金援助ではなく、地域で活動を続ける団体を助成することで持続的な環境活動を間接的に支援するという点にあります。

この取り組みにより、パキスタンでの水汲み場設立やインド干ばつ地域での井戸再生事業など、日本国内外を問わず地域の人々が自身の力で生活環境を整えていく手伝いをするという考え方そのものが、持続可能な社会を作るという目標に直結した考え方となるのではないでしょうか。

まとめ

SDGs6「安全な水とトイレを世界に」へ取り組む日本企業の事例として、5つの企業の取り組みをご紹介しました。

ここで取り上げた企業の多くは、日本でも大手の企業であり、その業界でもリーディングカンパニーの位置にある企業かもしれません。

そうした大手企業の取り組み方を地方の中小企業が簡単に真似できるわけではありませんが、その理念や取り組みに関する考え方は大いに参考になるはずです。

SDGsへの取り組みは何も大きなことをしなければならないわけでもなく、こうした大手企業の取り組みの中から自社の業務内容に合致した、小さな取り組みを見つけることはできるでしょう。

まずは地域に根ざした身近な課題を見つけ、その解決を目指すことが、大きな社会課題そのものを解決する道標となってくれるはずです。

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