レシートによる環境負荷

紙のレシートは必要ない!レシートによる環境負荷と削減のための取り組みとは?

私たちは普段買い物をすると、お釣りと一緒にレシートが印刷されます。

「要りません」と断る方も増えましたが、手渡されないだけで私たちの知らないところで捨てられています。

欧米ではレシートのペーパーレス化を進めており、電子レシートの発行を行う企業や、決まった時間内にレシートが必要というボタンを押さないと発行されないシステムの導入など、さまざまな取り組みが行われています。

なぜレシートを削減する必要があるのか

紙レシート

アメリカの環境団体グリーン・アメリカによると、レシートは「感熱紙」という熱が伝わると黒く印字される特殊なインクが表面に塗られており、リサイクルすることができません。それだけでなく、大量の木材と多くの水を消費するなど、生産過程で大きな環境負荷をかけていることから削減する動きが進んでいます。

レシートによる環境負荷

イギリス - 1年間のレシート生産における環境負荷
イギリス – 1年間のレシート生産における環境負荷

イギリスを例に取り、それぞれの環境負荷や問題点について見ていきます。

原料の木材に関して

森林伐採

イギリスでは、1年間で112億以上のレシートを発行しており、毎年約20万本もの木を伐採し、2万8000トンの二酸化炭素を排出しています。

木は光合成を行うだけでなく、大気のほこりや花粉を吸着することで自然環境を安定させるなど、さまざまな役割を担っています。

これらの木を伐採せずに残すことで、年間4,000トン地球温暖化の緩和につながります。

水資源に関して

年間おおよそ16億リットルが使用されていると推測されており、これは150万人が1年間十分に飲むことのできる水量に相当します。

この後ご紹介しますが、レシートに使用されているBPAという化学薬品が水に溶け出すことで水質汚染や魚や鳥の繁殖に影響を及ぼしています。

化学薬品の使用

化学薬品の使用

レシートの紙がリサイクルできないことは前述した通りですが、その紙にはビスフェノールA(BPA)またはビスフェノールS(BPS)と呼ばれる化学物質で加工されているからです。

これらは体内に吸収されることで、生殖機能障害や二型糖尿病、甲状腺疾患などをおよぼす危険性があると指摘されており、私たち人類だけでなく生き物にとっても深刻な問題となっています。

イギリスでは、年間120トンを超えるBPAが使用されていると推定されています。

廃棄の問題

水質汚染

レシートは製造してもすぐにゴミになり、年間1万640トンにもなります。トイレットペーパーなどにリサイクルしてしまう企業がいることも問題であり、それらが流されることでBPAによる水質汚染が起きています。

スマートレシート導入事例

お隣韓国と国内の導入事例についてそれぞれご紹介します。

韓国の導入事例
韓国では、紙のレシートではなく電子レシートを受け取ることで100ウォン(およそ10円)返金される仕組みを今年の1月から始めています。

これまで返品手続きや購入証明は紙のレシートでしか認められませんでしたが、法律の変更により、電子レシートでも認められるようになりました。

しかし、なかなか消費者の行動には繋がらなかったため、キャッシュバックという取り組みを導入したそうです。

国内での導入事例
国内では昨年2021年の12月から、コンビニのミニストップが全店舗に電子レシートシステム「スマートレシート」を導入しています。

ミニストップアプリ、またはスマートレシートアプリをダウンロードして利用する必要がありますが、13ヶ月分のレシートが確認できるだけでなく、自動的に9種類の品目に振り分けられるので買い物の傾向の把握をすることも可能です。

電子レシート導入のメリットとデメリット

電子レシート

企業が実際に電子レシートを導入することのメリットとデメリットについてそれぞれご紹介します。

メリット
消費者から電子レシートの情報を収集をしてもいいという合意を得ることができれば、消費者の購買履歴や傾向をAIで分析し、その人にあったマーケティングを行うことが可能になります。

また、毎月購入しているレシートの紙ロールも必要なくなり、固定費用の削減につながります。

デメリット
電子レシートに対応したレジの導入など、初期投資がかかるという点が挙げられます。

また、日本に限らずですが、高齢世代にとってはそもそもスマートフォンを持っていない、使い方が分からないなど、地域や業界によってはなかなか浸透しない可能性もあります。

最後に

レシートは、一人一人が受け取る量はそれほど多くないように感じます。しかし、知らないところでさまざまな環境負荷を与えており、解決すべき問題の一つです。

今後、より多くの企業が電子レシートを導入し、韓国の事例のように消費者に対してメリットを提示することで、国内でもより浸透していくのではないでしょうか。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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参照:
https://www.beatthereceipt.com/#anatomy_landfill
https://www.tellerreport.com/business/2022-01-18-%22if-you-receive-an-e-receipt–100-won%22—-reduce-carbon-and-get-your-money-back.r19CnE4pF.html
https://www.ministop.co.jp/service/smartreceipt/

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