化粧品にも含まれるマイクロプラスチック|脱プラのコスメブランドを紹介
環境問題への関心が高まる中で、プラスチックによる海洋汚染問題について知っている方も多いと思います。脱プラスチックの流れはレジ袋の有料化から始まり、今年の春からはコンビニや宿泊施設でも有料化や使用料を削減する取り組みが開始されます。
また、企業だけでなく私たち消費者もペットボトル飲料ではなく、マイボトルを持ち歩くなど、生活スタイルが変わった方も多いのではないでしょうか。しかし、私たちが知らず知らずのうちに海に流してしまっているのが、メイク用品や洗顔料に含まれているプラスチックです。
この記事では、これらに含まれるマイクロプラスチックによる海洋汚染と取り組んでいる企業事例を3社ご紹介します。
はじめから小さいマイクロビーズの問題
マイクロプラスチックとは、海に流れ着いたプラスチックが紫外線を浴びることで耐久性が下がり、風や波の影響などの外的要因で小さな破片となり、5mm以下からナノサイズまでになったものを指します。
一方のマイクロビーズは、マイクロプラスチックの中に含まれますが、初めから小さいプラスチック原料のことを指します。主にお化粧品などに使用されているラメや、洗顔料などにも含まれています。これらは粒子が小さいので、下水処理施設のフィルターを通り抜けそのまま海へと流れています。
EU諸国やアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、台湾などでは、このマイクロビーズを含む製品の製造や販売を規制しています。
日本国内では、事業者に対して使用の抑制を務めるよう求めている程度です。
商品の原材料には、マイクロビーズではなく「ポリエチレン」「ポリプロピレン」「コポリマー」などと表記されています。
マイクロプラスチックによる影響とは?
これらのマイクロプラスチックは、私たち人間だけでなく生態系や気候変動にも悪影響を及ぼしています。
私たちへの脅威
米ミネソタ大学やニューヨーク州立大学などの研究グループが行った調査によると、すでにビールや食塩の中にマイクロプラスチックが混入していることが発表されています。
一部では、摂取しても人体に影響はないと言われていますが、マイクロプラスチックに吸着した環境ホルモン等の有害物質が健康被害となる可能性が出てくるのではないかと懸念されています。
生態系への影響
餌と間違えてプラスチックを摂取した海鳥のカルシウムやコレステロールの値が正常でないことがわかりました。
カルシウムの値が低いと卵の殻が薄くなり孵化率が低下し、生態系のバランスが崩れるなどの影響を及ぼすのではないかと言われています。
気候変動への影響
一部のサンゴが好んでマイクロプラスチックを食べているそうです。しかし、栄養が取れないため栄養失調を引き起こし、白化現象につながると発表されています。
すると光合成が行われなくなるので、これまで吸収されていた二酸化炭素が吸収されなくなり、地球温高がさらに進んでしまいます。
脱プラスチックの化粧品ブランド
LUSH
植物由来のものしか使用せず、ヴィーガンにも対応しているスキンケアブランドで、日本でも多くの人が一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
プラスチック包装紙などは使用せず、また容器の回収などを行っているLUSHですが、ボディパウダーや入浴剤などで使用するラメにも自然由来のものを使用しています。
bareMinerals
肌にも環境にも優しいお化粧品ブランドで、マイクロビーズを使用しておらず、商品によっては入れ物にもプラスチックを使用していません。
使用後の容器はリサイクルしやすい設計になっており、さまざまな素材が混ざっていてリサイクル率が低い化粧品のパッケージの課題を解決しています。
Axiology
ゴミを可能な限り出さないブランドで、一つの商品でリップ、チーク、アイシャドウまでカバーしてくれるクレヨン型のお化粧品です。
自然由来の成分しか使用していませんが、保湿力もあるので顔のどこにでも使用できます。また包装紙もコンポスト可能な素材でできています。
ZAO
商品の入れ物が全てバンブー(竹)からできているのが大きな特徴です。しかも中身を入れ替えることができるので、入れ物は繰り返し使用することができます。
もちろん成分にもマイクロビーズは使用しておらず、100%自然由来のものを使用しています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
このまま消費者も企業も行動を変えない場合、プラスチックの容器を増やしてしまうだけでなく、成分に含まれるマイクロビーズで海洋汚染を悪化させてしまいます。
まずは、マイクロビーズの実態を知り、これらが含まれる商品を購入しないことが大切だと感じます。