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ドイツ・ベルリンで話題のセカンド・ショップ|スタンドを借りて古着販売

ドイツのセカンドショップLove at second sight

環境大国として「サステナブル・ツーリズム」の観点からも注目度の高いドイツですが、モノを大事にする文化は昔から人々に根付いているようです。ベルリンでは、不要となった衣類や日用品、家具などが、ドイツ語でご自由にお持ち下さいの意味を持つ”Verschenken(フェアシェンケン)”と書かれたメモとともに、アパートメントの入り口や歩道に置かれている光景を毎日のように見ます。

不要となった衣類などをゴミとしてすぐに捨ててしまうのではなく、必要な人に無償で譲り、再利用してもらいたいという考えから日常的な習慣となっているのです。

ドイル・ベルリンは様々なスタイルのショップが点在する古着天国

ベルリンには、リサイクル、リユース、アップサイクル、リメイクなどの方法を用いた古着を扱う店舗が数え切れないほどありますが、テイストからコンセプト、運営方法に至るまで、様々なスタイルがあり、それぞれのショップで異なります。

希少価値の高いデッドストックや年代物の古着を扱ういわゆる通常のヴィンテージショップ、カジュアルブランドからデザイナーズブランドの中古品を扱うセカンドハンドショップ、街中に設置されている回収ボックスや直接店頭で寄付された衣類を販売するリサイクルショップなどが、非営利団体が運営するチャリティーイベント、毎週末開催されているフリーマーケットなど、街の至るところに点在しており、古着天国と言えるでしょう。

ファッションが好きな旅行者やアパレルの店舗運営を行っている事業者は、古着の買付けや運営スタイルのリサーチのためにベルリンを訪れることはかなりおすすめです。なぜなら、ベルリンの古着の価格帯はパリやミラノ、ロンドンといった他の近隣都市と比べて安く、良質なモノを手頃な値段で購入できる可能性が高いからです。売り場面積が広く、見応えがあり、カフェが隣接されているショップもあるため、ショッピング中の休憩にも最適です。

ラックだけ自分の売り場が持てるショップとは?

ラックだけ自分の売り場が持てるショップ

今回紹介したい「Love at second sight(ラブ・アット・セカンド・サイト)」は、昨年11月にクロイツベルク区にオープンしたばかりのセカンドハンドショップですが、これまでにはない新しいスタイルのセカンドハンドショップとして注目を集めています。人気インスタグラマーが投稿したことも影響しているのかもしれませんが、平日の夕方でも客足が途絶えることがないほどの人気です。

同店では、不要となった衣類やアクセサリーを売りたい人に有料でスタンド(1ラックと売り場スペース)を貸し出し、値付けを行い、売れた金額から店舗側の手数料を引いた分が売上として受け取れるシステムとなっています。

実際の流れは以下の通りです。

  1. 店頭もしくは、オンラインサイトで登録。
  2. レンタルしたい日程を選択。
  3. スタンド代を先払いし、予約確認メールを受け取る。
  4. 商品に付ける価格ラベルを店頭で印刷。事前に自分のアカウントから記入することも店頭で手書きで行うことも可能。
  5. 価格ラベルを衣類に取り付けた状態でレンタル初日に店舗に持参。
  6. 販売アイテムをハンガーに掛け、靴やアクセサリーは下に配置。

気になる金額ですが、1スタンド40ユーロ(約6,800円)で期間は1週間となります。2週間レンタルも可能となっており、金額は78ユーロ(約13,200円)です。手数料はどちらも一律20%です。レンタル料金には、ハンガーやS字フック、15個のセキュリティタグの貸し出しも含まれており、セキュリティタグが追加で必要な場合は、1個につき20セントで借りることが可能です。また、ラベルを取り付けるための紐などがない場合は、1ユーロで購入するかラベルガンをレンタルすることも可能です。

Love at second sightの洋服

上記のように自分で値付けを行う以外にも、オールインクルーシブのサービスも行っています。レンタル開始の1週間前までに店頭に商品を持ち込めば、残りの作業を全て店側が行ってくれるサービスです。ただし、オールインクルーシブの場合は手数料が35%と高くなり、セキュリティタグは20個のレンタルが可能となります。

「Love at second sight」のスタッフはヴィンテージファッション業界で15年以上の経験を持つプロフェッショナルで、売れ筋のブランド、デザイン、サイズなどを熟知していることから、自分で値付けすることが難しい人にとってはありがたいサービスと言えるでしょう。また、店舗にとっても販売率が上がった方が利益に繋がるため、双方にメリットが生まれる良いシステムではないでしょうか。

注意点としては、アイルランド発のファストブランド「PRIMARK」と中国のオンラインショップ「SHEIN」といったファストブランドの中でも最も安価で縫製や生地のクオリティーが低いブランドの取り扱いは不可となっていることです。事実、ドイツ製のドラム式洗濯機で一度洗っただけでほつれたり、穴が空いてしまったことがあります。いくら安くてデザインが気に入っていたとしても数回だけで着れなくなってしまうのは、あらゆる点においてサステナブルではありません。

Love at second sightお店の外観

「Love at second sight」は最寄駅からも近く、大通り沿いにあってアクセスも良い好立地です。ガラス貼りの大きな窓から日差しの入る明るい店内は奥行きが広く、売り場面積も広いですが、すでに空きスペースがないほどラックで埋まっています。

Love at second sightの洋服

ファッション好きにはたまらない商品数と空間に興奮を覚えるほどです。当然ながらブランドも様々で、「ZARA」や「COS」「MANGO」、「ユニクロ」といった馴染みのあるブランドから、ベルリンではあまり見かけない珍しいデザイナーズブランドやハイブランド、スポーツブランドとかなり充実しています。じっくり見たい場合は1時間では到底見切れないほどの量なので、時間に余裕を持って来店することをおすすめします。

Love at second sightの店内

また、今年の2月から古着をアップサイクルして作ったオリジナルアクセサリーの販売をスタートしています。主に、ウール、シルク、レザー製の古着からヘアアクセサリーやジュエリーを作っており、全て1点物という希少価値も生み出しています。ヴィンテージショップやセレクトショップがオリジナルアイテムを販売することは珍しくないですが、セカンドハンドショップでオリジナルアイテムを取り扱うことは稀なことです。オープンしてから1年経っていない人気店であっても独自のアイデアを迅速に取り入れ、より多くの顧客を掴んでいく戦略を練っていくことが店舗運営を行う上で大切なのかもしれません。

Love at second sightのファッション雑貨

ドイツ・ベルリンの変わりゆく古着事情

コロナ禍により、経営困難となり、閉店してしまった店舗も多数あります。特に、不要となった衣類を買い取ってくれる店舗は消滅してしまいました。衛生上の問題も影響しているのかもしれません。現在も状態の良いデザイナーズブランドに限り、委託で取り扱う店舗はいくつかありますが、多くの人は、オークションサイトやFacebookのコミュニティグループ、フリーマーケットなどに出品するしかありません。

筆者もこれまでに何度も自宅で断捨離セールやムービングセールを開催し、フリーマーケットにも出店してきましたが、満足のいく結果にはなりませんでした。野外で開催されるマーケットは天候に左右され、オークションサイトは詐欺やキャンセル問題も付きまといます。

ドイツの古着ショップ事情

そういった状況の中で「Love at second sight」のようなスタイルは、今後さらに需要が高まっていくのではないでしょうか?利用者は不要となった衣類を捨てることなく、少なからず対価を得ることができ、店舗にとってはレンタル料と手数料を得ることができるだけでなく、買付けを行う手間も省け、売れ筋傾向を知ることもできるのです。

参照:
Love At Second Sight

Picture of 宮沢香奈

宮沢香奈

宮沢香奈(みやざわ かな)ライター/PR ブランドディレクター、プレスなどを経て、2012年からフリーランスライターとして本格的に執筆活動をスタート。2014年に東京からベルリンへと活動拠点を移し、ヨーロッパのローカルカルチャーを中心とした記事を多くの媒体にて執筆中。また、国内外のフェスや音楽レーベル、ファッションブランドのPRとしても活動中。

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