昆虫食の未来|コオロギ粉末クッキーを作ってみた感想と驚きの効果
今回は株式会社エコロギーが開発しているコオロギ粉末を使用して実際にクッキーを作成したので、その感想などを共有させていただきます。
注目集まる昆虫食
2013年にFAO(国際連合食料農業機関)が世界の人口増加に対応するために、人類は昆虫を食べる必要があるという内容のレポートを発表しました。
その結果、現在世界では100社を超える昆虫食のスタートアップ企業が誕生しており、ここ数年で日本でのスタートアップも増加しています。その一つが今回使用した粉末を製造している株式会社エコロギーです。
国内でも昆虫食に関係する企業が増えてきたことで、昆虫食が身近になりつつあります。昨年10月には、阪急うめだで昆虫食をテーマにしたイベントが開催されました。
コオロギ、バッタ、蚕などの昆虫を使ったプロテイン、カレー、ビール、チップス、スイーツなどさまざまな商品が紹介されました。これらは味が美味しいだけでなく、SNS映えすると若者の支持を得ています。実際に昆虫食を購入する人は、若者や女性が多いそうです。
日本能率協会総合研究所によると、昆虫食の市場は2025年に約1000億円まで拡大すると予測されており、今後ますます身近な食品になっていくと思われます。
人口の増加に伴う食糧不足
現在地球の人口は77億人ですが、今後2050年にかけて97億人まで増加すると予測されています。
私たちが生命を維持するためにはさまざまな栄養素が必要です。その5大栄養素が「タンパク質」「糖質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」です。
このうち、タンパク質は筋肉や内臓、皮膚や血液など身体を作るために必要な成分です。しかし、人間はこれらを体内で生成することも蓄積することもできないため、常に外部から補給する必要があります。
しかし、今後人口増加が起こると、2050年にはタンパク質の需要と供給のバランスが崩れる「タンパク質クライシス」という危機が起こると言われています。
また、現在私たちはタンパク質を肉や魚から摂取していますが、現在行われている方法では、地球温暖化のさらなる加速や森林伐採による生物多様性の喪失、水質汚染など、環境問題をさらに悪化させてしまいます。
注目されるコオロギという新食材
コオロギ粉末は他の動物性のタンパク質と比較しても、多くのタンパク質を含んでいることがわかります。
また、環境に対しても必要な餌の量や水の量、排出する温室効果ガスの量がより少なく済みます。
現在、世界全体で排出される温室効果ガスのうち、24%は農業・畜産業から排出されています。お肉ではなくコオロギを食べることで、温室効果ガスの削減にも貢献することができます。
また、コオロギはおおよそ1ヶ月で成長することから、効率よく生産することができます。
さらにコオロギは雑食なので、餌の選択肢の幅が広いという点が挙げられます。株式会社エコロギーでは、地域で余ったお菓子の残渣をコオロギの餌として使用しており、フードロスの削減にも貢献しています。
コオロギ粉末クッキー実食!
粉末が手に届き、袋を開けてみるととても美味しそうな海老の香りがしました。
お好み焼きやたこ焼きにも合いそうだなと思いましたが、今回はアイスボックスクッキーを作りました。
<材料>
- 薄力粉370g
- コオロギ粉末30g
- 卵1つ
- バター200g
- 砂糖140g
そしてお好みの量で粉チーズ、ココア、きな粉をそれぞれ生地を分けて形成しました。
粉の分量を間違えてしまったので、プレーンとチーズは形が崩れてしまいました。しかし、どれも味はとても美味しく仕上がりました。
海老の味がするかと思いましたが、プレーンは普段食べるクッキーと特に違いはありませんでした。個人的におすすめなのはチョコレート味です。
次回挑戦する際はもう少しコオロギ粉末の割合を増やしつつ、クッキーであれば胡椒入りも良いのではないかと思っています!
最後に
既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、現在昆虫食はゲテモノではなく、お煎餅やクッキー、フィナンシェやパン、カレーなど、さまざまなものに形を変えながら販売されています。
昆虫食やコオロギ粉末と聞くと食欲は湧かないかもしれませんが、今回家族や友人の数名に食べてもらったところ「美味しい」と言っていました。
コオロギ粉末は環境に優しいだけでなく、今後は人間の生命維持に欠かせない大事な栄養源になります。まずは先入観をなくして、一度挑戦されてみてはいかがでしょうか?
コオロギ粉末の使用に興味がある事業者の方がいらっしゃいましたら、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
参照:
5大栄養素とその役割について | 栄養補給について | カロリーメイト公式サイト | 大塚製薬
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