三菱UFJフィナンシャル・グループの人権デューデリジェンス取り組み
コーポレートガバナンス・コードの改定やESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス)という言葉の認知度が広がったこともあり、多くの企業が気候変動対策や人権に対して取り組みを強化しています。
今回は株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)の人権への取り組みについてご紹介していきます。
MUFG人権方針
MUFGは、「MUFG Way」という全ての活動の指針があります。
MUFG Wayにおいて定める存在意義「世界が進むチカラになる。」を実現するうえで、人権の尊重を経営において取り組むべき重要課題を認識するとともに、事業活動の全てにおいて、人権尊重の責任を果たす努力をすることを誓っています。
尊重する人権
国際的な人権基準として、以下を尊重しています。
- 世界人権宣言
- 労働における基本原則および権利に関する宣言(国際労働機関(ILO))
- ビジネスと人権に関する指導原則
また、以下の国際的なイニシアティブへの支持を表明し、推進しています。
- OECD 多国籍企業ガイドライン
- 国連グローバル・コンパクト
- 責任投資原則/PRI
- 赤道原則/Equator Principles
- 国連環境計画・金融イニシアティブ/UNEP FI
- 21 世紀金融行動原則
そしてこれらが適用されるのは、グループ内だけでなくグループ各社のお客さまやサプライヤー(納入業者)に対しても人権の尊重を働き掛けていくとともに、お客さまやサプライヤー(納入業者)が人権を尊重していない場合は、適切に対処するように努めます。
役職員の人権配慮
雇用や就業におけるあらゆる差別の解消・撤廃に取り組んでいます。人種、国籍、信条、宗教、障がい、門地、性別、性的指向、性自認、年齢、健康状態等による差別やセクシュアルハラスメントやパワーハラスメント等のハラスメント行為、強制労働や児童労働等の人権侵害を容認しないことを明確にし、役職員についてもその遵守を徹底しています。
また、グループ各社に職場内の人権侵害についての相談窓口を設け、相談を受け付けるとともに、役職員各層別へ、人権問題に対する正しい理解と認識を深めるための人権啓発研修を実施しています。
お客さまへの人権配慮
お客さまに対しても人権を尊重し、侵害しないことを求めており、提供する商品やサービスが、人権侵害の発生と直接的に結びついている場合は適切に対応し、人権尊重を推進します。
取引に関しては、環境・社会への影響配慮の枠組みとして「MUFG 環境・社会ポリ シーフレームワーク」を制定しており、取引可否の判断は、必要に応じて当該ポリシーフレームワークに定めるデューデリジェンスを実施しています。
サプライヤーへの人権配慮の要請
サプライヤー(納入業者)に対しても、人権を尊重し、侵害しないことを求めていきます。また、人権への負の影響が引き起こされている場合には適切に対応し、人権尊重を推進しています。
人権に関するガバナンスと管理体制
人権方針は、取締役会にて決定され、必要に応じて見直しを行います。人権に関する取り組みは、サステナビリティ委員会において定期的に審議され、その内容は経営会議での審議を経て、取締役会に報告されます。人権に関する取り組みについて適切かつ積極的な情報開示を行い、透明性の確保に努めています。
ステークホルダー・エンゲージメント
関連するステークホルダーとの対話と協議を行うことにより、人権尊重の取り組みの向上と改善に努めていきます。
MUFGの人権デューデリジェンス
上記のような人権課題に対し、関係するステークホルダーの皆さまとともに人権侵害の予防に努めています。
社員に対して
雇用や就業におけるあらゆる差別の解消・撤廃に取り組んでおり、啓発活動を通じて、その遵守を徹底しています。また、社員向け相談窓口を設置し、ハラスメント、人間関係、個人的な悩みなど、さまざまな相談を受付けており、職場環境改善のサポートを行っています。
障がい者
特例子会社の設置や、障がい特性に応じた職場環境整備により、障がいのある従業員の活躍の場を拡げています。2021年MUFG全体では、約1,400名の障がいのある従業員が活躍しています。
シニア人材
シニア人材に対し継続的に活躍できる職場づくりや自律的なキャリア形成の支援を進めています。今後のキャリア形成をサポートすることを目的とした研修や能力開発を支援するプログラムなどを導入しており、定年以降、意欲のある社員に対し柔軟な勤務形態での継続雇用制度を設けています。
グローバル人材
MUFGは世界50以上の国でビジネスを展開しており、全社員のうち、約52%が海外採用社員で占められています(2021年3月末時点)。よって、タイトルマネジメント、評価・報酬決定プロセス、人事システム等を、マーケットスタンダードかつグローバルで共通の人事プラットフォームにて運営しています。
また、MUFGのカルチャー浸透のため、グローバル研修を行うことで意識の統一なども行なっています。
LGBTQ+に当てはまる人材
人権方針にて、性的指向・性自認等に基づくハラスメントや差別の禁止を明記しています。
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコス、MUSビジネスサービス、MUS情報システムでは、従業員の同性のパートナーを配偶者と同等とみなし、休暇や家賃補助等、社内の福利厚生の利用を可能とする「同性パートナーシップ認定」制度を導入しています。
また、eラーニングの研修などを通じて従業員の理解促進に取り組んでいます。
お客さまに対して
お客さまが安心してご利用いただけるよう、あらゆるお客さまに配慮した接客・応対(ホスピタリティ)、安全・安心な店舗づくりなど、ソフト面とハード面におけるユニバーサルデザインの導入に取り組んでいます。
また、事業活動で関わりのある全てのお客さまの個人情報について、適切な取り扱いや漏えいの防止を徹底し、プライバシーの保護に努めています。
大規模なインフラ整備や資源開発などは、その周辺の地域社会や自然環境に対して、負の影響を及ぼす可能性があります。グループ傘下である三菱UFJ銀行が融資などを行う際は、赤道原則に基づき、融資先の事業における人権配慮の状況を含む社会・環境に対するリスクや影響を特定しながら進めています。
サプライヤーに対して
「購買活動に関する考え方」を規定しており、購買先に基本的人権の尊重を求めています。購買先への優越的地位の濫用防止や購買先への人権侵害を防ぐ観点から、購買先の相談窓口を設けています。
また現代奴隷法により、自社の事業およびサプライヤーにおける労働搾取および人身取引防止の取り組みに関して、声明を公表しサプライチェーンにおける人権侵害の防止に取り組んでいます。
最後に
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループの人権への取り組みについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
人権尊重への取り組み▼
「MUFG環境方針」「MUFG人権方針」「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」の制定について▼
方針/ガイドライン▼
参照:
三菱UFJフィナンシャル・グループ
「MUFG 環境方針」「MUFG 人権方針」「MUFG 環境・社会ポリシーフレームワーク」の制定について
赤道原則への対応|三菱UFJフィナンシャル・グループ
方針/ガイドライン|三菱UFJフィナンシャル・グループ