環境活動家グレタ・トゥーンベリから学ぶSDGsと気候変動
2019年9月23日、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットで世界中から注目された16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんのスピーチ。
皆さんも数年前にニュースなどで、怒りを露わにしてスピーチをしている彼女の姿を目にしたことがあるのではないでしょうか?
彼女のスピーチに対して感動、共感した人が多くいた一方で、「大人に操られている」「子どもらしくない」といった批判、中傷などさまざまな声も上がりました。
私もどちらかというと、飛行機を使わずに船で移動する16歳の過激な環境活動家という印象が強くありました。しかし、この映画はスピーチの1年以上前から密着しており、時系列で進んでいくので、あのスピーチにたどり着くまでに何が起きていたのかを彼女の家族のような目線で追って行くことができました。
彼女の名はグレタ・トゥーンベリ
2018年当時15歳、ストックホルム在住。2011年に学校の授業で環境問題に関する映画を見た後、摂食障害になるほどショックを受け、それ以降、塞ぎこむことが増えました。後に、アスペルガー症候群(知的障害を伴っていないもののコミュニケーション能力にやや特異性がある)と診断されます。
彼女は菜食主義者になり、二酸化炭素の排出量が多い飛行機での旅行を断るなど、生活習慣を変えます。気候問題に関する独学を続け、2018年には国会議事堂前で学校ストライキを始めます。
そしてこの「Fridays For Future(未来のための金曜日)」と名付けられた運動は世界へ波及し、南極大陸を除くすべての大陸で広がりました。
対立でも批判でもない
映画の内容については、ぜひ実際に観ていただきたいと思うので、日本に居て私がこの気候変動アクションについて感じることを少し書きたいと思います。
どことなく、まだまだ環境問題について話す人は「意識が高い」や「大人 vs 若者」のような対立構造を連想してしまうことって少なくないように感じています。
メディアの影響もあるのかもしれませんが、映画を通じてグレタの目線で世界を見ると、彼女は決して対立してほしいわけではないのです。全員飛行機に乗るなと言っているわけでもありません。
彼女はただ、私たちが希望を持てる未来を作ってほしいと願っており、そのために何ができるのか、ということを私たちに問いかけています。
感想
予告編
私は、この映画を観終わったあと良い意味で叱られた気持ちになりました。私がまだ小学生だった20年前にも、地球は温暖化している、2100年には人類は滅亡しているかもしれない、とテレビや科学者は言っていました。その当時は、私も彼女のように怒りや悲しみの感情を抱いたはずなのに、年齢を重ねたり目の前の生活に追われることで忘れていました。
最初にアクションを起こした人物なのでヒーローのように扱われますが、家では愛犬と戯れて母とお料理を楽しみ、ケラケラ笑う16歳の女の子です。
世界は今、気候変動の対策に向けて着実に変化しています。そんな中、彼女は感情に訴えより多くの人を巻き込み、世界を変えるためのきっかけを与えてくれたのではないかと私は思います。
この流れを私たちは絶やさず、さらに多くの人を巻き込みながら、大切なのはこれからこの映画をみた私たち一人一人がどのような行動を取っていくかだと強く感じました。
最後に
映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』が公開するにあたり、グレタ本人は「とにかく私たちが社会に求めているのは、気候変動を危機として捉え、安全な未来を守ってほしいということだけ。映画を見れば、その実現までどれ程遠いのか、 ”もう時間がない” という科学的なメッセージが全く伝わっていないということも分かってもらえるはず」とコメントしています。