環境先進国ドイツで人気の「量り売り」とは|ゴミの削減にも繋がる!
「過剰包装」という言葉を聞いたことはありますか?国連環境計画が2018年に発表したレポートによると、日本はプラスチック容器包装の廃棄量を国別で比較した場合、世界1位のアメリカに次いで2番目に多くの量を廃棄しています。実際、日本のスーパーマーケットやドラッグストアで商品を購入すると、包装資材によるプラスチックゴミが多く発生しませんか?プラスチックは、葉物野菜からお肉、お菓子の袋、またマスカラやアイシャドウといったコスメの包装にも多く使用されています。
本記事は、プラスチック包装を含むゴミ削減の方法の一つである「量り売り」のメリットや環境先進国ドイツの事例、そして日本でも取り入れられる点について紹介していきます。
世界のプラスチック問題
世界では、プラスチックによる深刻な環境破壊を背景に、プラスチックを規制する動きが加速しています。例えば、EUでは2019年に「使い捨てプラスチック流通禁止指令」が可決されました。2021年7月からは、プラスチック製のカトラリーや皿、ストロー、その他の容器などが規制対象となりました。カナダでも、2022年に特定使い捨てプラスチック禁止規制案が発表されました。
日本は、2022年4月からプラスチック資源循環促進法、通称プラスチック新法が施行されました。この法律によって、これまで無料で配布されていたプラスチック製品の廃棄物削減に向けた取り組みが求められるようになりました。
量り売りのメリットとは
量り売りには、ゴミの削減とコミュニケーションが生まれるというメリットがあります。
- ゴミの削減に繋がる
あらかじめ包装されている商品は、購入しても消費できずに廃棄してしまうことがあります。廃棄される理由は、量が多すぎる、肌に合わない、口に合わないなどさまざまです。しかし、食品だけでなく、シャンプーや洗剤といった商品も量り売りにすることで、お試しをすることができます。また、物によっては、多く必要な商品と少量で良い商品があります。買い物客は、必要な量だけ購入できるため、非常に経済的です。
- コミュニケーションが生まれる
個別包装の商品は、裏面に賞味期限や栄養素、使い方などの情報が記載されています。しかし、量り売りの場合、商品に関わる情報を売り場でしか見ることができません。買い物客は、量り売り専門店を訪れた際、味や使用方法を確認するため、店員と自然なコミュニケーションが生まれます。
徹底的なゴミ削減
量り売り専門店のことをバルクショップと言います。私の家の近くのバルクショップ(日本)とドイツのベルリンにあるバルクショップでは、いくつか違う点があります。例えば、バルクショップを利用する買い物客の多くは、容器を持参します。しかし、容器を忘れてしまう場合や購入したい量に対して、容器の容量が足りない場合があります。その際、バルクショップは、プラスチック袋ではなく、大小の紙袋を用意し買い物客に渡します。
日本では、この紙袋は無料ですが、ドイツでは有料の場合が多いです。ベルリンにある「FAIR unverpackt」は、店内に無料の空き瓶が置かれており、買い物客は空き瓶を自由に利用することができます。空き瓶は、さまざまな形や大きさがあるため、蓋には瓶の重さが書かれています。
「Original Unverpackt」も、ベルリンにあるバルクショップです。こちらのバルクショップでは、ガラスの瓶をデポジット制でレンタルすることが可能です。
レンタル時はお金を払いますが、返却するとそのお金は戻ってくる仕組みです。ドイツのバルクショップは、使い捨ての包装資材を徹底的に削減する意識が高いと感じました。
最後に
ドイツのスーパーマーケットを訪れると、野菜やフルーツコーナーにも量り売り用の秤機が置かれています。ドイツでは、生活に「量り売り」の文化が根付いていると感じます。
私は現在、使用済みの容器を回収してくれるLUSHの商品を使用しています。商品開封時にゴミが出ない気持ち良さは、実際にやってみてはじめて実感することができます。私の地元にも、2018年に量り売り専門店がオープンしました。ナッツ類やオリーブオイル、洗剤を量り売りで購入するなど、LUSHの商品以外でもゴミを減らす努力をしようと思います。
皆さんも近所にバルクショップがないか、こちらのサイトで確認してみてはいかがでしょうか?