D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の未来|ドバイ万博
世界には貧困や飢餓、水不足、エネルギー問題、難民問題など、さまざまな社会解題で溢れています。これまでは、企業が環境や社会に対して配慮すると利益を追求することができないと考えられてきました。しかし、近年では環境や社会に配慮しながら利潤を追求するソーシャルビジネスが注目を集めています。
本記事ではドバイ万博にて、社会課題解決に向けた取り組みが紹介されていたThe Good Place(ザ・グッドプレイス)パビリオンについてご紹介します。
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グッドプレイスパビリオンについて
パビリオンの中へ進みます。最初に「みんなで一緒に取り組めば世界をより良くできるんだ」という動画メッセージがあります。次へ進むと、さまざまな環境や社会課題テーマに対する取り組み事例の展示があります。まずはウガンダの取り組み事例を紹介します。
Jibu
Jibuは、安全で美味しい水を手頃な価格で供給できるシステムを構築し、近隣地域に提供しているウガンダ発の企業です。Jibuはスワヒリ語で「解決策」を意味するそうです。
Jibuは、フランチャイズ方式で地元企業に水をろ過するフィルターを設置し、ボトルに詰めて販売する設備の整備とトレーニングを提供しています。現在は安全な水の提供に力を入れていく予定ですが、いずれはJibuを通じて多くの社会起業家を輩出し、アイディアや情報を共有するプラットフォームを構築していこうとしています。
ウガンダだけでなく、ケニア、ルワンダ、タンザニアなどの国にも提供していることが紹介されていました。
ignita
ignitaはスウェーデン発の企業で、西アフリカの熱帯地域の小規模農家を支援するためのソリューションが紹介されています。
熱帯地域は他の地域と比べると天候の予測が難しいため、この地域に特化して正確な天気予報をスマートフォンのメッセージ機能で伝えるというサービスを提供しています。
農家は少額を月々の携帯代に上乗せすると、SMSの通知で正確な天気予報を把握することができるようになります。これまでは天候により作物が取れないこともありましたが、本サービスを利用することで、収穫量が安定し、仕事の効率化に繋がったそうです。映像を通じてサービス利用者の生の声を聞くことができます。また、スマートフォンは広く普及していますが、より多くの人にサービスを届けるためアプリではなく、SMSという点も重要視しているそうです。
MOBicure
MOBicureはナイジェリア発のデジタルヘルス企業で、現在はmyPaddiとOMOMiという2つのアプリを開発しています。
myPaddiは、若者が正しい性に関する情報にアクセスできるようになっており、相談がある場合は匿名であることを保証しながらリアルタイムのチャット機能で専門家に相談することも可能です。
OMOMiは、妊娠や出産した女性が正しい知識にアクセスできるようになっており、こちらもボタンひとつで医師と繋がれるようになっています。スマートフォンで簡単にアクセスできるようにすることで、情報が行き届いていない農村に住む女性にも、乳児の健康問題などについて信頼できる情報が得られるようサポートしているそうです。
AlterYouth
AlterYouthでは、バングラディシュの子どもに教育を提供するためのソリューションが紹介されていました。貧困から抜け出すためには質の高い教育が必要ですが、この地域では5人に1人が学校ではなく働きに出ているという現状があります。
AlterYouthでは、この課題をサポートしたい個人とその家族を繋ぎ、奨学金を提供する仕組みを構築しており、貧困から脱却するためのサポートを行っています。初めに支援したい子どもを選び、家族の方との交流などを通じて奨学金の支援を行います。大多数ではなく特定の相手なので、通知表や卒業したことも知ることができ、彼らの今後の人生も一緒にお祝いしていける関係を構築していくことができます。
Quiet Taxi
韓国では、耳が聞こえない方がタクシードライバーとして活躍するQuiet Taxiの事例が紹介されていました。目的地や値段などのやり取りは、座席に設置されているタブレットを使用します。耳が聞こえない人と聞こえる人が社会の中で接点を持つことができるだけなく、雇用の創出にも貢献していると強調されていました。
Incluyeme
南米では健常者でない場合、なかなかやりがいのある仕事に就けないという問題がありましたが、それらの解決に取り組んでいるIncluyemeというアルゼンチンの企業事例が紹介されています。
Incluyemeは、求職者と企業を繋ぐオンラインハブとして機能しており、求職者は無料で登録して応募することができます。一方、企業に対しては、採用プロセスの分析を通じて最適な人材の紹介や、実際に採用したときに彼らが働きやすいような環境整備などのサポートを行なっており、多くの人の生活と職場、そして人生を豊かにしていると感じました。
PichaEats
マレーシアには約20万人の難民がおり、彼らをサポートするためのサービスを提供しているPichaEatsの事例が紹介されていました。
難民は多くのものは持っていませんが、自国の料理は食材があれば作ることができます。PichaEatsでは、難民の中で料理ができる人に本格的なシェフを目指してもらいながら、同時にブランディングやマーケティングも行なっています。そして注文があれば料理を振る舞います。自国の伝統料理を守りながら、難民の生活を豊かにするためのシステムを構築していることが紹介されていました。
実際にどのようなシェフの方や料理があるのか気になる方は公式サイトをご覧ください。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ドバイ万博では、各パビリオンでさまざまなテーマの取り組み事例が紹介されていました。気になるテーマの記事をご確認下さい。