カナダ、使い捨てプラスチック全面禁止へ!環境保護の最前線
2022年6月、カナダ政府は使い捨てプラスチックの使用を禁止すると発表しました。製造や販売することはもちろん、輸出や輸入も対象となっています。禁止の対象となったのは、レジ袋、フォークやスプーンなどのカトラリー、リサイクルができない食品容器、マドラーやストローなどです。
ギルボ環境・気候変動相は「最も一般的で代替が容易な6商品分野を最初のターゲットとして禁止品目に設定したが、今後新たな分野を追加する用意がある」と述べています。「特定商品の禁止は解決法の一つではあるが、プラスチックの生産企業がより多くの再生プラスチックを使用するように規制していくことも別の解決法だ」とし、今後は再生プラスチックに関する新基準制定に向けた計画を明らかにする予定であるとしています。
カナダ政府は、今回の制度を実施することで、今後10年間の間にリサイクルすることのできないプラスチック廃棄物を130万トン以上、また、プラスチックによる汚染を2万2000トン以上削減できると推定しています。
世界の動き
カナダ政府は、2030年までにプラスチック廃棄物のゼロを目指しています。この動きはカナダだけではありません。台湾では2030に向けて段階的にプラスチック製のストローや、レジ袋が禁止される予定です。フランスも、2040年までにプラスチックゼロという目標を掲げており、2021年1月には一部のプラスチック製品の製造や販売が禁止になっています。
こちらのグラフは、海洋プラスチック問題を加速させている国をランキングで表したものです。(ただし、日本などの先進国が再利用可能な資源として発展途上国に輸出していることを考慮すると、順位は変化すると思われます。)
カナダやフランスはとても厳しい政策を行っていますが、これらのランキングの上位には入っていません。
プラスチック汚染とは
カナダやフランスなどは、現在プラスチックの使用を削減しようと目標を掲げ、実際に政策に落とし込んでいる国です。ではそもそもなぜ、プラスチックに対する規制が行われているのでしょうか?プラスチックによる汚染は、海洋生物の命に関わるだけでなく、気候変動や私たちの生活にも影響しています。
海に流れ着いたプラスチックが紫外線や波の影響で5mm以下の小さな粒子になったものを、マイクロプラスチックといいます。これらは、私たちの口に入ったとしても排出されると考えられていました。しかし、2022年3月、人体の血液の中からプラスチックが発見されています。これらのプラスチックには汚染物質が付着している可能性も指摘されていますが、その影響についてはまだ判明していません。
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最後に
カナダで始まった政策ですが、2019年の時点で使い捨てプラスチックを禁止する方針を発表し、2021年の法制化を目指していました。しかし、新型コロナウイルスの流行などで実施が先延ばしになっていました。その間、それぞれの州や自治体では、海洋プラスチック問題に対する意識の高まりなどもあり、レジ袋が禁止されるなど既に取り組みが行われていたそうです。
この事例のように、政府からの指示がなくとも自治体で自発的に変化が起こるなど、消費者の意識も大きく変わってきています。日本国内でも少しずつではありますが、消費者の意識は変化しているように感じます。
プラスチックは私たちの生活を便利にしてくれており、必ずしも悪いものではありません。しかし、本当に必要なのか今一度立ち止まり、一消費者、一企業として削減に繋がる行動を意識してみませんか?