植物性ミルクは本当にサステナブル?地球にやさしいのか解説
豆乳やアーモンド、カシューナッツやライスに加え、じゃがいも由来のポテトミルクまで登場している植物性ミルク。注目される背景には、環境負荷が少ないことが挙げられます。有名コーヒーチェーンの一つであるブルーボトルコーヒーでは、ミルクベースのメニューには基本的にオーツミルクを使用しています。このように、以前と比較すると植物性ミルクは身近な存在になっています。一方で、植物性ミルクを選ぶ際の注意点もあるので、その点についてもご紹介します。
植物性ミルクはなぜ注目される?
なぜこれほど注目されているのでしょうか?
その背景には、環境問題への意識の高まりがあります。地球の平均気温を産業革命前と比べて1.5度以内に抑えること、2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、企業だけでなく消費者を含めた全員がさまざまな取り組みを行っています。
農業・畜産業界は、世界全体で排出される温室効果ガスのうち24%を占めています。そのうち家畜から放出されるメタンガスは14.5%を占めており、育てるために行われる森林伐採や排泄物による水質汚染などさまざまな環境問題を引き起こしています。世界全体で環境への意識が高まっていることから、店舗で使用するミルクの変更や植物性ミルクの開発を行う企業が増えています。
必ずしも環境に優しい訳ではない
イギリスのオックスフォード大学の専門機関が、コップ一杯あたりの温室効果ガスの排出、土地の利用、そして水資源の利用という項目でそれぞれ算出し、比較したものを発表しています。
Dairy milkは一般的な牛乳を指しますが、植物性のミルクと比較して全体的に環境負荷が高いことがわかります。
しかし、アーモンドミルクは水の利用が多いことや、日本で消費する場合は海外から輸入しているため、輸送の過程で温室効果ガスが排出されるという問題があります。また、植物性ミルクは本来のミルクに含まれる成分と異なります。オーツミルクには食物繊維が含まれている一方で、従来品と比較するとタンパク質の量が少ないです。食事とのバランスを考えながら摂取することが大切になります。
それを踏まえた上で、現在注目されているじゃがいも由来のポテトミルクを開発している企業DUGについてご紹介します。
DUG
こちらはスウェーデン発のブランドであり、じゃがいも由来のポテトミルクを開発しています。
植物性ミルクの多くはアレルギーとなりやすい材料を使用していますが、こちらの商品は小麦やナッツ類を含んでいません。さらに原料となるじゃがいもは、栽培過程でも必要な面積や使用する水の量が少なく済むという点で、環境に対しても優しいミルクです。
牛乳と同じように使用できる「DUG Original」、バリスタ向けの「DUG Barista」、無糖の「DUG Unsweetened」の3種類が開発されています。
最後に
植物性ミルクは環境負荷を抑える選択肢として注目が集まっており、日本国内でも目にする機会が増えてきました。
私も全ての種類を試したことがあるわけではありませんが、同じカフェラテでも従来のミルクとオーツミルク、アーモンドミルクでは香りと味が変化するので、好みの組み合わせを見つける楽しさがあるなと感じています。
環境に配慮することが苦痛や我慢になるのではなく、新しい「好き」を探しながら気が付かないうちに環境に優しい選択ができる世の中になってほしいです。そのためにも、まずはこの記事を読んでくださった皆様が植物性ミルクを試して、周りの方にその美味しさを伝えていくことから変化が始まるのかなと思います!
参照:
BBC:Climate change: Which vegan milk is best?
DUG