ニュージーランド、観光税を3倍に引き上げ環境負荷軽減へ:2024年10月から9000円に
ニュージーランド政府は、ニュージーランドに入国するためのビザ/NZeTA (ニュージーランド電子旅行局) を申請するほとんどの外国人旅行者に対し、2024年10月1日から課す観光税「International Visitor Conservation and Tourism Levy(IVL)」を現在の35NZドル(約3150円)から100NZドル(約9000円)に引き上げると発表しました。これは、急増する観光客が自然環境に与える負荷を軽減し、旅行者に高品質な公共サービスや観光体験を提供するための対策です。
ニュージーランドは、他の人気観光地と同様に、観光業が自然環境に与える影響に直面しており、2019年7月に導入された35NZドルの観光税は、十分な対策資金を確保できないと指摘されていました。今回の値上げにより、観光業と環境保全を持続可能にするための資金が確保されることを目指しています。
観光業界では、観光税の値上げが競争力を損なうと懸念する声もあります。観光産業協会のレベッカ・イングラム最高経営責任者は「観光客数がコロナ以前の水準に回復していない中で、料金引き上げが観光客離れを引き起こす恐れがある」とコメントしています。最新の統計によると、ニュージーランドを訪れる観光客数は国境封鎖前の約80%にとどまっています。
さらに、観光ビザの費用や地方空港の利用料も値上げが検討されており、環境負荷軽減を図るための包括的な対策が進められています。
参照:What is the IVL? | Ministry of Business, Innovation & Employment