サステナブル旅行に関する意識調査2024|ブッキング・ドットコムが公開
ブッキング・ドットコム(Booking.com)が実施した最新の調査によると、サステナブル旅行に対する意識において、日本の旅行者は世界平均を大きく下回る結果となりました。この調査は世界34の国・地域の3万1000人以上を対象に行われました。
参照:ブッキング・ドットコム、2024年版「サステナブル・トラベル」に関する調査結果を発表 | Booking.com Japan
世界と比較した日本のサステナブル旅行への関心
調査によると、世界の旅行者の75%が「今後12ヶ月間に、よりサステナブルな旅行をしたい」と回答していますが、日本の旅行者ではこの割合が53%に留まっています。
また、「訪れた場所を到着時よりも良い状態で去りたい」との回答は、世界では71%であったのに対し、日本は56%でした。「旅行が環境に与える影響に対して自ら働きかけることができる」との回答は、日本では35%と世界平均の45%を下回っています。
サステナブルな取り組みの体験と日常生活の意識については、世界の旅行者の67%、日本の旅行者の42%が「旅行中にサステナブルな取り組みを体験することで、日常生活でもよりサステナブルな生活を意識するようになる」と回答しました。
サステナブル旅行への失望感とモチベーション低下
調査結果からは、サステナブル旅行に対する失望感が旅行者のモチベーションを低下させていることも示唆されています。世界の旅行者の25%は「気候変動は世間で言われているほど深刻ではない」と回答し、日本でも21%が同意しています。また、世界の33%、日本の29%が「既に生じたダメージは回復不可能であり、旅行者の選択によって状況が変わることはない」と考えています。
サステナビリティを意思決定時に考慮しない理由
「旅行に費やす時間は貴重であり、サステナビリティを意思決定のトップに据えることはできない」と感じている旅行者は、世界で28%、日本で32%に上ります。さらに、世界の34%、日本の23%が「サステナブルな取り組みが実施されていない旅行先で、よりサステナブルに過ごすことは難しい」と考えています。この回答が特に多かったのは、タイ(56%)、インド(53%)、アラブ首長国連邦(52%)でした。
環境要因への対応と責任
世界の旅行者の43%、日本の旅行者の32%は「旅行サービス業者が環境要因への対応のカギを握っている」と回答し、世界の40%、日本の38%は「旅行や観光がもたらす影響について人々を啓蒙する責任は政府にある」と考えていることもわかりました。
サステナブルな宿泊施設への関心
世界の旅行者の約半数が「よりサステナブルな宿泊施設に魅力を感じる」と回答していますが、サステナビリティに関する認証の詳細について知りたいと考える世界の旅行者の割合は、2023年の69%から52%に低下しました。
まとめ
最新の調査からは、日本の旅行者のサステナブルな取り組みに対する意識が低いことが明らかになりました。また、サステナブルな旅行の中身に対する失望感もモチベーション低下の一因となっているようです。
環境問題に対する関心・知識の低さが旅行の計画に影響を与えている可能性があるため、サステナブルな取り組みを発信する際には、課題や解決策、効果を明確に伝え、行動を促していく必要があります。
旅行業界がよりサステナブルな方向へ進むためには、業界全体が協力し合い、旅行者にサステナブルな選択肢を提供することがこれまで以上に重要になるでしょう。