私たちが日々着ている洋服には、さまざまな素材が使用されています。天然繊維には綿や羊毛、リネン、シルクなどがあり、化学繊維には(合成繊維)であるポリエステル、ナイロン、アクリルなどがあります。
化学繊維の多くは石油由来で、洗濯をすることで繊維が抜け落ち、排水と一緒に海に流れ出たものが、海洋プラスチック問題を引き起こす原因の1つになっています。
海洋プラスチック問題に関してはこちら▼
天然繊維は環境にやさしいのか?
一方の天然繊維が環境にやさしいかといえば、そうではありません。
綿花栽培の過程でさまざまな環境負荷が生じています。例えば、枯葉剤などの農薬による土壌汚染や生態系の喪失、染色の過程で大量に水資源を消費することで起こる水不足などが挙げられます。
サステナブルコットンとは

そこで現在注目されているのが、環境や人権に配慮された方法で栽培されるサステナブルコットンです。
「環境への影響を最小限に抑えながら、生産レベルを維持できる方法で栽培され、長期的な環境の制約と社会・経済的な問題に対応しながら生産者の生計とコミュニティを支えることができるもの」と定義されており、欧州ではこれらを選び、消費する人が増えており、わかりやすいよう認証を取得するアパレル会社が増えています。
日本でも企業や団体、消費者を巻き込み、サステナブルコットンの普及を進めるイニシアチブである「日本サステナブル・コットン・イニシアチブ」が昨年2021年の5月に設立されています。
オーガニックコットンの認証機関
オーガニックコットンとは、それぞれの基準を満たしたサステナブルコットンの一種です。オーガニックコットン認証には、農業分野(畑から原綿まで)のものと、テキスタイルの製造加工分野(紡績から製品まで)を認証する2種類があります。
農業分野の認証は、栽培する畑とそこで収穫される綿花が認証の対象となります。この基準は、それぞれの国や地域が定めた基準が使用されています。
テキスタイル分野の認証には、いくつか種類があります。
GOTS認証

GOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準)は、原料の栽培から、製品の製造、梱包、輸送、保管など、製品が消費者の手に届くまで環境に配慮された商品であることが証明されます。

また、環境への配慮だけでなく、農園から加工段階の工場、販売までのサプライチェーンを追跡
し、労働の安全性や児童労働が行われていないなど、人権に対してまで管理されています。
OCS認証

OCS(オーガニック・コンテント・スタンダード)認証は、トレーサビリティに加え、製品が95%以上オーガニックコットンを使用しており、製品の製造、梱包、ラベリング、取引、販売過程が、基準に沿っているかを証明します。
認証を取得している企業
今回は、オーガニックコットン商品を扱っているイギリス発の企業を3社ご紹介します。
Thought Fashion

女性・男性の衣類や靴などを扱うファッションブランドです。
製品で使用している綿花はGOTS認証を受けており、環境だけでなく人権への配慮も行っています。

実際に、世界中の労働者の権利を尊重するNGOであるEthical Trading Initiative(ETI)のメンバーになっています。
また、可能な限り飛行機での輸送は避け、環境にやさしい方法を採用するなど、環境負荷を減らすため、さまざまな取り組みを行っています。
Beaumont Organic

こちら女性むけのアパレルブランドです。
扱う商品のうち76.5%にオーガニックコットンを使用しています。そして商品それぞれの項目で材料について、そして、コットンの場合はCertificationの項目でGOTS認証がされていることなどを紹介しています。
しかしそれだけでなく、リサイクルされたものも活用するなど、環境への配慮が行われています。

&SISTERS

オーガニックコットンと聞くと、アパレルブランドを思い浮かべる方が多いと思いますが、女性の生理用品にも使用されており、日本の薬局でも目にする機会が増えました。
こちらの企業は、女性の生理関連の商品を扱っています。
ナプキンやタンポンだけでなく、生理用の下着にもオーガニックコットンを使用しており、GOTS認証を取得しています。

しかしそれだけでなく、B-corpの認証や、売上の一部を寄付するなど、環境、人権、企業の透明性などにも力を入れています。
いかがでしたでしょうか?
私たちは普段何気なく商品を選んでいますが、これからはオーガニックコットンと記載されているもの、可能であれば認証を取得しているものを購入することで、SDGsにも貢献し、未来に対してより良い選択ができるのではないでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございます。
あすてな公式インスタグラムでは記事を簡単に要約したものや、SDGs、サステナブルな商品のレポートなど紹介しておりますので、ぜひご覧ください!
参照:
https://global-standard.org/
https://textileexchange.org/
https://www.ethicaltrade.org/about-eti/our-members
https://www.soilassociation.org/
https://www.beaumontorganic.com/
https://www.wearethought.com/
https://andsisters.com/
https://joca.gr.jp/main/organic-cotton-and-gots/