ミツバチが消えるとスーパーの商品の7割は消える!

スーパーに行けばいつでも大量の商品が並んでいますが、もしミツバチが絶滅してしまったら置かれている商品の70%は消えてしまうと言われています。それだけ私たちの生活は生物と密接に関係しているにも関わらず、WWFによると、生物多様性は過去50年の間に68%喪失していると発表されています。その影響を普段の生活の中で感じることは無いかもしれませんが、一消費者として危機感を感じませんか?今回はミツバチに焦点を当て、それらを保護しようと取り組んでいる企業を3社ご紹介します。

なぜ企業が取り組むのか

SDGsウェディングケーキモデル
SDGsウェディングケーキモデル(引用:Stockholm Resilience Center – The SDGs wedding cake

SDGsの17の目標を「生物圏」「社会圏」「経済圏」の順に3つに分け、積み重ねた「SDGsウェディングケーキ」という考え方があります。企業が健全な経済活動を行うためには、基礎を支えている生物圏の環境改善が欠かせません。

私たちが使用しているものは全て自然から作られており、また普段意識せずに吸い込んでいる空気も、植物の光合成によって作られています。これらは生態系サービスと呼ばれていまおり、国内でこれらを保護する動きが加速しています。

ミツバチの保護に取り組む企業・団体の事例3選

作物の受粉や生態系の維持を助けるミツバチを守る活動は海外でも行われています。世界的なリーディングカンパニーやフランス、アメリカでの事例をご紹介します。

Unilever PLC.

日本では洗剤・ヘアケアブランドのイメージが強いユニリーバですが、世界的には食品メーカーとしても知られています。一例として、ユニリーバが製品に使用しているアーモンドやマスタードシードなどの作物は、ミツバチやその他の受粉昆虫の力を借りて生産しています。

近年、農薬の影響とみられるハチの大量死や大量失踪が報告されています。ユニリーバは「ハチが住める環境」を指標としたサプライチェーン上の生産環境を守る取り組みを生産者とともに行っています。生態系はとても複雑で、絡み合う1つの要素が欠けても健全に機能しなくなってしまいます。ハチを含む益虫を守る取り組みが、土壌・水・空気ひいては生物多様性を守ることにつながります。

例として、イギリスではマスタード生産者組織と提携してハチが好む生け垣や春の球根を植え、フランスでは野菜畑のまわりに2.85ヘクタールの花畑を設けました。またユニリーバの代表的なブランド、クノール*のパートナーシップファンドは11カ国20以上の生態系保全プロジェクトに34万ユーロ以上の投資を表明しています。 (*日本では味の素が販売)

Les compagnons du miel

レ・コンパニョン・デュ・ミエルはフランスとスペインの120軒の養蜂家からなる協同組合です。1958年から活動を続け、蜂蜜の品質管理と完全なトレーサビリティに取り組んでいます。

養蜂家の公正な報酬、現地雇用の保全、環境に配慮しており、フランスのアグリエシークというフェアトレード認定を受けています。レ・コンパニョン・デュ・ミエルの蜂蜜はハチの巣から商品になるまでの完全なトレーサビリティを実現しています。消費者にとっても透明性が保たれ、安全を確認できる取り組みです。

レ・コンパニョン・デュ・ミエルの蜂蜜は、養蜂場によって全く異なります。白っぽいものから輝くような黄金色、深みのあるアンバー色と見た目にもさまざま。ミツバチは半径2キロほどを飛び回るので、周囲の環境により、あらゆる花々や、ハーブ、栗、麦芽、モミの木……などから蜜を集めます。芳しい花、森林、ミント、バニラの香りなどバラエティに富んだ蜂蜜は、甘さだけでなく酸味や苦みを感じられるものまであり、生物多様性そのものであると言えます。フランス全土にある52,000のハチの巣は何千もの植物種の受粉を助け、環境を守ることにつながっています。

BEE BETTER CERTIFIED

アメリカのビー・ベター認定の取り組みについてご紹介します。ビー・ベターは、ハチの仲間の保護に取り組むために、革新的な取り組みをしている農家や食品会社と提携・認定しています。認定農場ではアーモンド、ブルーベリー、野菜、リンゴ、ワイン用のブドウなど、さまざまな作物を栽培。それらの農場はアメリカ全土の約3600種もの受粉昆虫に生息地を提供し、農薬から保護しています。

ビー・ベター認定を受けた製品は、ミツバチ、蝶、および他の有益な昆虫を守る方法で栽培されます。消費者が認定製品を購入することで、受粉昆虫の保全を優先する農場へのインセンティブが保証されます。

SDGsやエシカル消費への認知の高まりから、持続可能な農産物製品は消費者からの支持を得ています。しかし、ミツバチへの被害を最小限に抑えて生産される製品の認知は十分に進んでいるとはいえず、今後積極的に進めていく必要があります。ビーベター認定シールは、受粉をしてくれる昆虫の保全をサプライチェーンに組み込み、生息地を守る方法として注目を集めています。

まとめ

普段生活の中で意識することのない「生物多様性」ですが、国内外で大きな問題として認識されています。その影響もあり、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)やCDPも生物多様性に関する開示を求めるなど、企業の情報開示に関しても変化が起き始めています。

生物多様性を俯瞰して見てしまうことがよくありますが、私たち人間も生物多様性の一部です。影響を良くも悪くも多く受けるからこそ、企業だけでなく、私たち消費者側も生物多様性の重要性について学んでいく必要があります。

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