B-crop認証を取得した化粧品関連企業が「B Beauty」を発足
B corp(Bコープ)認証とは、アメリカのペンシルベニア州に拠点を置いているNPO団体であるB lab(Bラボ)が企業に対して行っている認証制度です。
認証を取得すると、環境や社会への影響、説明責任、透明性や持続可能性という分野において、優れた企業であると第三者から評価されたことになります。
2022年1月時点で世界では70カ国以上、150の業種で4,000社以上の企業が認証を取得しています。一方、日本国内で取得しているのは5社にとどまっており、あまり普及していないのが現状です。
B-corp認証についてはこちらの記事をご覧ください。▼
B Beautyとは
今年2022年1月に、このB-corp認証を取得したお化粧品などの美容関連企業が参加する「B corp Beauty Coalition」連合が誕生しました。
この連合には現在「THE BODY SHOP」「Weleda」「ethique」などを含む36社が参加しています。
創業メンバーであるダヴィデ・ボラッティ(Davide Bollati)は、美容業界による環境破壊や社会への影響が年々拡大していることから、各企業が個別に行動を起こすのではなく、団結して取り組む必要があると説明しています。
連合に加盟している企業同士でのコラボレーションや、情報共有を行い、環境や社会問題の解決を目指していく予定です。
具体的には、以下の4つの問題について取り組んでいきます。
- 持続可能な原材料の使用
- 環境に配慮した物流
- 環境に配慮した責任ある梱包
- 顧客が理解し信頼性できるメッセージの発信
化粧品業界が抱えている課題とは
原材料の問題
化粧品業界が抱えている課題として、ラメや洗顔料などの中に含まれているマイクロビーズという小さなプラスチック原料の問題があります。これらはとても細かい粒子なので、下水処理施設のフィルターを通過し、そのまま海に流れ出てしまいます。その結果、私たち人間だけでなく生態系や気候変動にも悪影響を及ぼす海洋プラスチック問題の一因となってしまっています。
花王と資生堂はすでにマイクロビーズが含まれる商品の開発を取りやめていますが、国や業界からの規制などはなく、多くの製品にはまだマイクロビーズが使用されています。
詳しくはこちらをご覧ください。▼
梱包に関する問題
過剰包装をやめ、包装を減らしてほしいという消費者のニーズも高まっており、軽量化する企業が増え始めています。
B Beautyに参加しているethique社は、固形シャンプーやリンスなどを取り扱っており、私も実際に使用していますが、家に届いて使い切るまで一切プラスチックごみは出ません。
液体系のものを扱う企業も、入れ物をガラス製の瓶に置き換えたり、バイオプラスチックを使用したものを使用するなど、さまざまな対策が行われています。
しかし、中身の成分が変わらないように、中をコーティングする必要がある製品や、日光を遮る必要のある製品はどう解決していくのかという課題が残されています。
それはファンデーションやリップなどの容器も同じです。さまざまな素材が組み合わさってつくられていることから、リサイクルではなく可燃ごみとして処理されてしまいます。
ロフトは、全国26店舗で賛同した企業の使用済み化粧品の容器を回収するBOXを設置するなどしています。(11月1日(月)~2022年8月31日(水))
ある企業は容器は繰り返し使用し、中身だけを買い変えるコンパクトを導入し、継続して使用してくれる消費者には割引を行っています。また別の企業では、リサイクルしやすいシンプルな設計にするなど、さまざまな工夫を行っています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
消費者は今回ご紹介したB corp認証を取得している製品や、オーガニックなコスメであることを表すCOSMOS認証などが表示されている商品を購入することをおすすめします。
消費者の行動が変化することで、日本の美容業界全体がB corp認証の取得を目指し、環境への意識が高まることにつながるのではないでしょうか。
参照:
B Corp Beauty Coalition – B Beauty
Introducing ‘B Beauty’
ニュース NEWS|株式会社ロフト