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見た目は悪くても味は美味しい不揃い商品。江崎グリコの食品ロスへの取り組み事例

見た目は悪くても味は美味しい不揃い商品。江崎グリコの食品ロスへの取り組み事例

日本では、まだ食べられる食品を年間570万トンも廃棄しており、一人当たりに換算するとお茶碗約1杯分(約124g)が毎日捨てられていることになります。

この食品ロス(フードロス)について詳しくはこちらの記事でご紹介しております。

現在日本で起こっている食品ロスの原因は、大きく分けて「家庭系食品ロス」と「事業系食品ロス」の2つがあります。

家庭系食品ロスはその名の通り、私たち消費者が家庭から出しているものになります。例えば、野菜の皮や賞味期限が切れてしまった食材などが当てはまります。

一方の事業系食品ロスは、栽培・製造・卸など、流通や調理される過程で発生するものを指します。つまり、消費者に届く前に起こっていることで、なかなか目にする機会がありません。

しかし、家庭系食品ロスは289万トン、事業系食品ロスは357万トンにもなり、事業者と消費者の全員で取り組むべき課題であることが分かります。

今回の記事では、事業系食品ロスにあたる企業の取り組み事例として、江崎グリコ株式会社(以下、グリコ)の取り組みについてご紹介します。

グリコのGlicoグループ環境ビジョン2050」

グリコは、「Glicoグループ環境ビジョン2050」を策定しており、4つのビジョンを掲げています。

  1. 気候変動への対応・温室効果ガスの削減
  2. 持続可能な水資源の活用
  3. 持続可能な容器・包装資源の活用
  4. 食品廃棄物の削減
Glicoグループ環境ビジョン2050
Glicoグループ環境ビジョン2050

2050年までにサプライチェーンの効率化や需給予測精度の向上等、廃棄が発生しない取り組みに注力する他、商品の微細な欠け等、品質に問題がない商品を不揃い品としてアウトレット販売を行う等により、食品廃棄物を95%削減(2015年比)することを目指しています。

食品ロスの処理方法

食品ロスは、もったいないという理由だけでなく、ゴミ問題、そして気候変動への問題にも大きく関係しています。

ゴミ問題について詳しくはこちら▼

そもそも廃棄が出ないように工夫することが一番重要ですが、食品ロスが発生した場合は、「再生利用」「熱回収」という方法がとられます。

再生利用では飼料や肥料などとして利用され、また熱回収ではバイオマス発電の燃料として活用されます。

グリコの食品ロス削減の取り組み事例

グリコは、可能であれば人に食べてもらいたい、せっかくの農産物を無駄にしたくないという想いからさまざまな食品ロス削減に向けた取り組みを行なっています。

ふぞろい商品の販売

冬のくちどけポッキー - ふぞろい品
冬のくちどけポッキー – ふぞろい品

製造工程での廃棄物の削減に注力するとともに、需給予測の精度向上による過剰在庫を持たない仕組みを通じて、食品廃棄物の削減に取り組んでいます。

中止になったいちご狩りの余剰いちごを使用した商品を発売

カプリコミニ
カプリコミニ

いちご狩りの中止により、余剰となってしまったいちごの活用について相談を受け、消費されなかったいちごを使用した「カプリコミニ大袋<いちご狩り>」を開発し販売したことで生産者の食品ロス削減に貢献しました。

賞味期限の延長と年月表示化

賞味期限の延長と表示方法
賞味期限の延長と表示方法

製造管理、品質管理を徹底し、商品グループごとに賞味期限を設定しています。また、賞味期限が長い商品については品質劣化のスピードが遅く、消費段階で日付管理をする意味が乏しいと考えられるため、日付で表示してきた賞味期限を年月表示に切り替えています。

Glicoの保存食「賞味期限お知らせシステム」

賞味期限お知らせシステム
賞味期限お知らせシステム

Glicoの保存食(ビスコ保存缶、カレー職人)の賞味期限が切れる前にメールでお知らせするサービスを提供しています。いざという時に必要な保存食を、賞味期限が切れる前に消費していただくよう促します。

詳しくはこちら▼

社内への啓発(神戸の食品リサイクル・ループ取り組み)

工場から排出される食品残渣で育てられた豚を社内の従業員向け食堂の食材として提供する「食品リサイクル・ループ」取り組みを定期的に行い、従業員の廃棄物対策への意識向上に繋げています。また食品残渣から作られた肥料を「こどもぴあ保育園」の家庭菜園で使用し、採れた野菜を保育園の昼食で提供しています。

詳しくはこちら▼

粉ミルクのリサイクル取り組み

粉ミルクのリサイクル
粉ミルクのリサイクル

赤ちゃん用の粉ミルク「アイクレオ」を製造している柏原工場では、出荷数量の都合等により出荷できず廃棄されてしまう粉ミルクが発生していましたが、パン工房を運営する近隣の障がい者支援センターに提供し、ミルクパンの原料として活用いただいています。

フードバンクへの寄贈の取り組み

上記の削減に向けた取り組みの他に、フードバンクへの商品寄贈も行っています。 上海江崎グリコでは緑洲フードバンクと連携し、中国の貧困地域の小学生に商品を提供するとともに、食べ物を大切にする精神や良い食習慣に関する知識を伝えるなどしており、今後も食品ロス削減に向けて地域の皆さまと協働しながら進めていきます。

最後に

いかがでしたでしょうか?

より詳しく江崎グリコ株式会社の食品ロスへの取り組みについて知りたい方は、以下の資料をご覧ください。

Glicoグループ環境ビジョン2050▼
食品ロス削減に向けて▼

参照:
https://www.glico.com/jp/
https://www.glico.com/jp/csr/about/environment/vision/
https://www.glico.com/jp/csr/about/environment/foodloss/
https://www.glico.com/jp/newscenter/pressrelease/36325/
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/fs/2/4/8/8/7/8/2/_/jireisyuu_jirei.pdf

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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