イギリスの新車市場で電気自動車が躍進|2月の販売台数の4分の1を占める
イギリスの自動車製造販売協会(以下、SMMT)は、2023年3月6日に月次販売台数の最新情報を発表しました。発表によると、2月のバッテリー電気自動車(BEV)の販売台数は、前年同月比18.2%増。プラグインハイブリッド車(PHEV)の販売台数も1%増となりました。
イギリスでは、2023年末までに約48万8,000台のPHEVとBEVが英国の道路を走るようになると予想されています。モビリティ市場が大きく変化し始めており、EV化のメガトレンドを受けて、各自動車メーカーは今後40以上の新しい車種・モデルを市場に投入すると予想されています。
一方、ディーゼル車の新車販売台数も前年同期比14.6%減少しました。しかし、ガソリン車の販売台数は前年同期比34.9%増で、販売台数は回復基調にあり底堅い需要が確認されています。イギリス全体で、ガソリン車・ディーゼル車からの完全な脱却には至っていませんが、ガソリン車・ディーゼル車からEVヘのモビリティ需要の移行は、今後数年で更に加速する可能性が高いです。
SMMTは、この大きな変化を歓迎する一方、早急な充電インフラの整備の必要性を主張しています。2023年2月21日、イギリス政府は5,600万ポンドの新しいEVインフラ資金を確保し、イギリス全土でインフラ整備を推進すると発表しています。
動き出したタクシー会社
タクシー会社であるAddison Lee (アディソン・リー)社は、2023年までに車両すべてをEVに切り替えると発表しました。
同社は、充電施設を提供しているChargePoint(チャージポイント)社と共同でヒースロー空港近くに新しいEV充電施設を開設しました。
Addison Lee社によると、この施設では4台のEVが同時に充電することができます。また、ChargePoint社のソフトウェアにアクセスすれば、ステーションが使用中かどうかを簡単に確認できます。そのため、他の車両が使用中の充電器まで運転する必要がなく、時間やバッテリーを無駄にすることを避けることができます。
Addison Lee社は、既に1,000台のEVを保有しています。2023年末までに全車両をEVへと切り替えます。同社は、タクシードライバーが自宅で充電できるよう充電設備の導入を支援し、またロンドン市内にある4,000基以上の急速充電器を利用できる契約も締結しています。
同社の車両が完全に電気化された場合、年間で最大20,000トンのCO2を削減できるとイギリス政府は試算しています。