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食品のカーボンフットプリント|北欧スーパー・事例

【北欧スーパー・事例】食品のカーボンフットプリントを可視化

気候変動による危機が迫る中、脱炭素に向けた取り組みが、国や政府だけでなく企業の間でも積極的に行われるようになりました。海外、特にサステナビリティに対する意識が高い欧州では、企業だけでなく消費者の意識も高いと言われています。この記事では、カーボンフットプリントや環境負荷の小さいメニューの可視化などの取り組みを行っている、ノルウェーとスウェーデンのスーパーマーケットの事例をご紹介します。

oda

oda
引用:oda

odaは、ノルウェー発のオンラインスーパーの一つで、環境にやさしいスーパーを目指してさまざまな取り組みを行なっています。

  • 環境への影響を分かりやすく公開
  • 効率的な配達
  • フードロスの削減
  • プラスチック使用の削減

それぞれの取り組みについて見ていきます。

環境への影響を分かりやすく公開

レシピにラベリングを行なっている

多くの人が地球に配慮した消費行動をとりたいと考えている一方で、具体的にどのくらいやさしいのかが分からないという課題がありました。

Odaは、消費者がより選びやすいように「時短レシピ」「ベジタリアン」などのラベルに加えて「気候ラベル」を付けています。

メニュー
引用:メニュー

この定義は、WWFと国連が提案している比較的気候変動にやさしい食事の基準を基に計算されています。

カーボンフットプリントの開示

商品を購入すると、消費者は消費と同様にカーボンフットプリントを確認することができます。

環境負荷の可視化
引用:環境負荷の可視化

こちらは、ここ最近の買い物で、どのくらい環境へ負荷をかけたのかを可視化したものです。

現在はまだ食品だけが対象であり、加工物や家庭用品は対象外ですが、今後は対象製品を拡大していく予定です。

環境負荷の比較
引用:環境負荷の比較

また、こちらは商品別に1kgあたりの環境への負荷を比較しており、上から、牛肉、子羊、チーズとバター、豚肉、鶏肉、魚、牛乳、フルーツ・穀物と続きます。

これらの計算はノルウェーの気候研究機関Ciceroと協力して作成されたもので、食品ぞれぞれの平均値を使用して計算されています。消費者はこれらを比較しながら環境にやさしい献立を考えることが可能になります。

効率的な配達

効率的な配達
引用:効率的な配達

各個人がスーパーへ買い物へ行くより、一台で一軒一軒回る方が環境にやさしいことが分かっています。odaは2025年までに全ての配達車を電気自動車にし、配送ルートの最適化などを進めていきます。

フードロスの削減

商品を購入すると、システムがいつ、どのような商品が必要なのかを正確に把握する仕組みになっており、私たちはより新鮮な野菜を購入することができます。

また、私たちの目に届くことのない規格外野菜などは、教会に寄付されています。

さらに、ノルウェーは年間に多くのパンを廃棄しており、odaは独自のベーカリーをオープンし、注文を受けて焼くことで食品ロスを削減しています。

フードロス削減
引用:フードロス削減

まだ満足はしていませんが、過去3年間で食品ロスは半減しています。

プラスチック使用の削減

プラスチック包装
引用:プラスチック包装

これまでは、1回の配達でおおよそ9個のビニール袋を使用していました。それらを解消するために開発されたのが自社で開発した段ボールです。

段ボールは必ずしも100%環境に良いとは言えませんが、折り畳んでリサイクルすることができます。また、プラスチックの消費量は大幅に削減することができました。

またプラスチックは、配達の際に使用される袋だけでなく、各商品にも個別包装がされています。野菜を保護し、品質を保つためにはプラスチック包装が必要ですが、まだ解決策が見つかっていません。しかし、ビニール袋を置き換えたように、包装に関しても代替案を模索している途中です。

The Climate Store

The Climate Store

次にご紹介するのはスウェーデンの大手食品ブランドFelixがオープンしたThe Climate Storeです。商品の値段がカーボンフットプリントによって決められており、製造、梱包、輸送すべての段階が含まれています。もちろん、二酸化炭素の排出量が多い食材ほど環境負荷が高いということで価格も高くなります。

店内では「co2e」という独自の通貨が使用されており、消費者はパリ協定で推奨されている1週間の1人あたりのco2排出量「18.9kg」以内で買い物を行う必要があります。

こうすることで、消費者は買い物をする過程でより環境にやさしい選択をすることが可能になります。

最後に

いかがでしたでしょうか?

上記の事例から分かるのは、消費者に対して分かりやすく可視化することの大切さなのではないでしょうか。こうすることで消費者の環境にやさしい生活をしたいけど、何からすれば良いか分からないという悩みを解決することができ、また知らなかった消費者に対しても意識してもらうことに繋がります。

このような取り組みは欧州だけでなくアメリカでも広がりを見せており、今後はアレルギーやカロリー表示と同じように当たり前になっていくかもしれません。

参照:
https://sustainability.oda.com/
https://www.greenqueen.com.hk/climatecurrency-sweden-grocery-store-prices-food-according-to-carbon-footprint/
https://webershandwick.eu/our-work/felix-the-climate-store/

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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