フランス|CO2削減のため短距離のフライトを禁止する法律が成立
温室効果ガス削減のため、鉄道で2時間半以内に到着できる都市間の国内短距離フライトを禁止する法律がフランスで成立しました。
今回の法律により、パリとボルドー、ナント、リヨンなどの都市を結ぶフライトはほぼ全廃となりますが、乗り継ぎ便は影響を受けません。最終的に削減されたフライト数は、2021年に気候変動対策法のもとで提案された8路線です。ただし、鉄道サービスが改善されることで、削減されるフライト数は今後増える可能性があります。
世界自然保護基金(WWF)は、飛行機によるカーボンフットプリントは、気候変動を急速に加速させている原因の一つだと主張しています。フランス政府は、同国の「気候市民会議」から鉄道で4時間以内を基準にフライトを禁止すべきだというさらに厳しいルールの導入が求められていました。しかし、一部地域や航空会社からの反対もあり、現在の2時間30分以内という基準が設けられています。
フランスの新たな動きに対し、航空業界団体「Airlines for Europe(エアラインズ・フォー・ヨーロッパ:A4E)」の暫定代表であるLaurent Donceel(ローレント・ドンシール)氏は、「これらの旅行を禁止しても、二酸化炭素(CO2)排出量削減に与える影響はわずかだ。政府は、禁止措置を行うだけでなく、問題に対する現実的な解決策を支援すべき」とAFP通信にコメントしました。一方、フランスの消費者団体である「UFCク・ショワジール」は、フライトを禁止する基準を現在の鉄道での移動が「2時間30分」から「4時間」にすべきだと主張しています。加えて、SNCF(フランス国鉄)がこれに乗じて料金の値上げやサービスの質低下を防ぐ措置も求めています。