日本初進出「1 Hotel Tokyo」2025年秋にオープン
森トラスト株式会社は、サステナビリティを重視した米国発高級ホテル「1 Hotel Tokyo」を2025年秋(2025年10月竣工予定)、東京ワールドゲート赤坂に開業することを発表しました。
米国の大手不動産ファンドStarwood Capital Group(スターウッド・キャピタル・グループ)の関連会社であるホテル運営会社SH Hotels & Resorts(エスエイチ・ホテルズ・アンド・リゾーツ) が展開する「1 Hotels」(ワンホテルズ)は日本初進出です。
本記事では、日本初進出の1Hotelsの特徴やサステナブルな取り組みについてご紹介します。
東京ワールドゲート赤坂
東京ワールドゲート赤坂とは、赤坂トラストタワーを中心とした、大規模複合開発プロジェクトです。赤坂トラストタワーは、地上43階、地下3階でオフィス、店舗、クリニックなども入居する複合施設です。
「1 Hotel Tokyo」は、赤坂トラストタワーの高層部である38階から43階に位置し、211室の客室、レストラン、カフェ、フィットネス、スパ、プールなどを備えています。
1Hotelsを誘致した森トラスト株式会社は、多様化する社会のニーズに応え、新しい都市の価値を創造することを目指し、大規模複合開発プロジェクト「東京ワールドゲート赤坂」を遂行しています。
地形を活かした大規模緑地の整備(約5,600㎡)を行い、都会にいながら緑を感じられる歩行者用通路や植栽などを配置した空間を創出することにより、環境負荷を低減させる取り組みを行っています。
1Hotelsの特徴
近年、世界の旅行者の間ではサステナブルツーリズムが支持されてきています。サステナブルツーリズムとは旅行者、観光事業者、受け入れ地域にとって持続可能かつ発展性のある観光を指します。「サステナブル」であることがホテル選びの重要な要素の1つとなりつつあります。
1 Hotelsは、自然の美しさと恵みを取り入れた持続可能なデザイン、レイアウト、最高級のサービスを提供している世界有数のラグジュアリー・ライフスタイルホテルブランドです。「自然環境に敬意を表し、自然との深いつながりを体現すること」をコンセプトとし、ホテル館内には何千種類もの植物が自生しています。
客室サービスでは以下のサステナブルな取り組みが行われています。
- 5 種類のリサイクル木材で作られた客室キーを導入
- 100%使用済みリサイクル素材のハンガーを導入
- メモ用紙の代わりに、再利用製品の黒板を設置
- 客室のバスルームにシャワーの長時間利用を抑制する砂時計のシャワータイマーを設置
- 客室内に飲用ろ過水の提供
- リサイクルガラスの水差しとグラスを設置
- すべての客室にヨガマットがあり、ホテル内外で利用可能
また、すべての客室には、バンフォード(イギリスのオーガニックボディケア・スキンケア製品)と共同で作られた 1 Hotelsの特製バス製品が備え付けられています。最高品質のオーガニック原料を使用し、種類はゼラニウム、ラベンダー、ペパーミントなどを提供しています。
さらに、リサイクル活動も行われており、客室に使用済みの衣類(新古品)を置いておくと、地元の慈善団体に寄付されるシステムを採用しています。
ホテルで提供される料理には、敷地内の庭園で採れたハーブ、近隣の農場で採れた農産物などの地元産の食材を使用しています。世界各地に展開する1Hotelsですが、その土地ならではの素材や、文化をホテル運営に取り入れています。
例えば、日本にオープンする1HotelTokyoでは日本古来の石材を使用しています。サステナブルでありながら、優れた快適性やサービスを提供しているホテルとして世界中の宿泊客から高く評価されています。
1Hotel Tokyoについて
日本初進出となる1 Hotel Tokyoは、日本ならではの魅力であるホスピタリティとサステナビリティブランドコンセプトである「自然との調和」を体感できるホテルとして東京・赤坂の地に誕生します。
エントランスを入ると、緑豊かな草木と日本古来の大谷石(おおやいし:栃木県宇都宮市で採掘される石材)を組み合わせた開放的な空間に迎えられます。植物から作られたアートや、環境にやさしいインテリアなどを配置して自然に囲まれた都心のオアシスを演出。パブリックエリアは日本庭園の要素を取り入れて設計されています。
1hotelsのサービスであるシャワーの長時間利用を抑制する砂時計の設置、リサイクルガラスのグラスの設置などの環境に配慮した取り組みが採用されています。
1Hotel Tokyoは、日本が観光立国として発展を続けるのと共に、多様化するラグジュアリーホテルのトレンドを代表するホテルとなり、今後世界中からの旅行者を迎える都市・東京の魅力向上につなげることを目指しています。
森トラストグループのサステナブルな取り組み
1Hotel Tokyoを運営する森トラストグループは、サステナブルな取り組みに関する目標を設定し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
サステナブルな取り組みの内容 | 達成状況 |
---|---|
ホテルの誘致による地域経済への貢献 | 新規プロジェクト16件 |
エネルギー消費原単位 | 年1%削減 |
CO2排出量 | 都条例に定められた削減義務率(3期:27%)を上回る削減率 |
太陽光発電所をはじめとした再生可能エネルギー事業への投資 | 投資枠350億円 |
廃棄物の削減 | 前年度より削減※各自治体の廃棄物の再利用・減量にかかる計画書を提出している施設 |
上記の他にも、災害時に約1週間のBCP機能(Business Continuity Plan―企業が緊急事態に遭遇した場合に事業を継続・早期復旧するための計画、手段の取り決め)を備えたオフィスの整備、帰宅困難者スペースの整備など経済・社会との共生を目指した取り組みの強化に努めています。
参照:サステナビリティに関する取組目標 | 森トラスト株式会社|Create the Future
最後に
今回は日本初進出となる1Hotelsを紹介しました。サービスというと何かを提供し、購入してもらう、と考えがちですが、1Hotelsのサービスである衣類のリサイクル引き取り、紙の代わりに黒板を提供するという発想が斬新でした。
このような徹底されたサステナブルなサービスを体験することにより、宿泊客の環境に対する意識が高まることも期待できます。
宿泊施設として自然との共生を設計、施工、運営することには多大な投資や労力が必要不可欠かもしれません。しかしながら、サステナブルツーリズムが主流となりつつある現代において、長期的に「選ばれる宿泊先」になるのではないでしょうか。