RE100とは?参加要件や再エネ100%に転換するメリットを解説
気候変動問題への関心の高まりなどから、脱炭素への動きが世界中で加速しています。
世界全体で排出される温室効果ガスのうち、25%と最も多くの割合を占めているのがエネルギー分野です。このような現状から、RE100のようなエネルギーに関する国際的なイニシアチブが注目を集めています。
RE100とは
RE100とは「Renewable Energy 100%」を意味しており、世界で影響力のある企業が事業活動を行う中で、使用する電力を風力、水力、太陽光など、100%再生可能エネルギーで賄うことを目指すイニシアチブです。
The Climate GroupがCDPとのパートナーシップのもとで主催し、We Mean Businessの一部としても運営しています。日本では「日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)」が、RE100の公式地域パートナーとして日本企業の参加と活動を支援しています。
RE100で認められる再生可能エネルギーとは
RE100では再生可能エネルギーを太陽光(太陽熱)、風力、水力、バイオマス、地熱による発電と定義しています。自社で発電する必要はなく、再生可能エネルギーによって生み出された電力を購入することで目標を達成したことになります。
RE100の参加要件
このイニシアチブには参加要件があり、以下を満たす必要があります。
- 消費電力量が年間100GWh以上(日本企業は50GWh以上)であること
- 自社事業で使用する電力(GHGプロトコルのスコープ2及び1)を100%再生エネ化に向け、期限を切った目標を設定し、公表すること
- グループ全体での参加及び再エネ化にコミットすること
(一番上の親会社から見て、支配率50%以上の子会社全てがRE100の参加対象となります)
企業の参加可否の判断は、英クライメート・グループが行います。
再エネ100宣言 RE Action
消費電力量が年間50GWh以下など、上記の条件が満たせない場合でも「再エネ100宣言 RE Action」に参加することができます。
当社、株式会社アスエクは、2022年2月14日に再エネ100宣言 RE Actionへ参加しました。
株式会社アスエクが再エネ100宣言 RE Actionへ参加 | 再エネ100宣言 RE Action
「再エネ100宣言 RE Action」は、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する新たな枠組みです。
参加要件は以下の通りです。
- 遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し、対外的に公表すること。例えば、自社のウェブサイトへ宣言内容の記載、さらに中間目標の設定も推奨します。
- 再エネ推進に関する政策エンゲージメントの実施。例えば、再エネの普及に関する政策提言への賛同など。
- 消費電力量、再エネ率等の進捗を毎年報告すること。その際、再エネの定義はTCGのRE100の基準に準じます。その報告内容は「再エネ100宣言 RE Action」のサイト上で公開されます。
日本の抱えるエネルギー問題
日本は国土が狭く資源も少ないため、さまざまなものを海外に依存しています。エネルギー資源もその一つであり、日本のエネルギー自給率は11.8%と先進国の中でもとても低くなっています。
その中でも、最も利用が多いのが石炭や石油などの化石由来のエネルギーです。2010年は原子力発電の割合が増えていますが、福島第一原発事故により、2018年度は化石燃料への依存率が85.5%となっています。
そして原油、天然ガス(LNG)、石炭の多くを海外からの輸入に依存しています。つまり、今回のウクライナ情勢のようなことが起きると、値段の高騰など私たちの生活にまで大きな影響を及ぼすことになります。
RE100に参加するメリット
RE100に参加するメリットとしては、上記のリスク回避につながるだけでなく、以下のメリットも挙げられます。
- ESG投資が受けやすくなる
- エネルギーコストの削減
それぞれご紹介します。
ESG投資が受けやすくなる
ESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス)投資の拡大により、投資家から気候変動へ配慮しているかどうかが注目されるようになりました。ESGへより配慮している企業は、将来のリスクと機会がより明確になっており、目標達成に向けたロードマップによって戦略を実行しています。そのため、長期的には企業価値が向上する傾向が強く、ESGは機関投資家にとって中長期的な企業成長を判断する上で重要な情報となりました。
RE100は国際的なイニシアチブなので、参加することで世界中の投資家に対しアピールすることができます。
ESGについて詳しくはこちらをご覧ください▼
エネルギーコストの削減
再生可能エネルギーの値段は年々減少しており、まずは一度見積もりをしてみることでエネルギーコストの削減につながるかもしれません。
シミュレーションもできますので、是非お試しください。
自然電力株式会社▼
株式会社ボーダレス・ジャパン(ハチドリ電力)▼
RE100加盟企業について
RE100に参加している日本企業は現在、以下の66社が参加しています。
参照:
RE100
国内外の再生可能エネルギーの現状と今年度の調達価格等算定委員会の論点案 2020年9月資源エネルギー庁
ホーム | JCLP | 日本気候リーダーズ・パートナーシップ
再エネ100宣言 RE Action
再エネのコストを考える|広報特集|資源エネルギー庁