ワーケーションの交通費・宿泊費が無料に 北海道・島牧村で実証実験
北海道島牧村にて、農業ワーケーションプログラム「NO 農 NO LIFE(ののの)」を利用することで、宿泊費に加え交通費も無料となる実証実験が開始されました。これは「ののの」を展開するPerma Future社と、旅行用アプリ「Free Traffic」を運営するFourwin社との提携によるものです。
これまで「ののの」では参加者の交通費が自己負担でしたが、「Free Traffic」の活用により、一定の条件を満たした旅行者の交通費を自治体やDMOなどが負担する仕組みが導入されました。
NO 農 NO LIFE(ののの)とは
「NO 農 NO LIFE」は新しいライフスタイルである「農業ワーケーション」を提供することを目的として展開されています。「NO 農 NO LIFE」の頭文字を取って「ののの」とも呼ばれています。
農業ワーケーションとは、農家などで1次産業の仕事を手伝いつつ、テレワークや観光をして地域とつながり、生活を楽しむというライフスタイルです。一般的な「ののの」の仕組みは下記のとおりです。
- 就業先となる農家などが「ののの」へ登録、利用者の宿泊場所とテレワーク環境を用意。
- 利用者はPerma Future社へ利用料金を支払う
- 利用者自身が交通費を負担し現地を訪れてワーケーションを行う
Free Trafficとは
「Free Traffic」は、旅行者が訪れることによって恩恵を受ける自治体や地域の事業者が旅行者の交通費を負担するアプリです。Fourwin社は移動のハードルを大幅に下げて、人にもっと移動してもらい経済を活性化させて日本や世界に交通革命・観光革命を起こしていくことを目的として、このアプリを運営しています。
この実証実験では、「ののの」と「Free Traffic」のメリットを組み合わせることで、島牧村を訪れる「ののの」利用者の交通費・宿泊費が無料となります。
島牧村とは
実験が行われる島牧村は北海道南西部にある人口約1200人の村です。日本海に面しており、漁業を中心とした1次産業が盛んなことから、「ののの」との相乗効果が期待できます。
今回の実証実験では村内にある「ヤマト北栄水産」での生たこの出荷作業や、鮮魚の箱詰め、「宮内温泉旅館」の清掃作業の手伝いが募集されています。宿泊、テレワーク環境は宮内温泉旅館が提供します。
この実証実験は、地域住民とのつながりや、地域の産業・文化を理解すること、また産業への貢献が重視されたプログラムとなっています。近年の体験型・交流型観光というトレンドを意識したものと言えるでしょう。関係人口や交流人口の創出にも期待が高まります。
島牧村の実証実験の仕組み
・利用者が申し込み、利用料金(1回5500円)をPerma Future社へ支払う
・利用者の交通費は「Free Traffic」を利用して自治体などが肩代わりする
・利用者は島牧村に最短で3泊4日~最長で2週間滞在し、農業ワーケーションを行う
・利用者の宿泊・滞在は「ののの」を利用し、就業先が宿泊先を準備・費用を負担する
参考文献