「スポーツ文化ツーリズムアワード2024」発表!山形県飯豊町の白川湖「水没林」が本賞受賞
スポーツ文化ツーリズムアワード2024の受賞団体が発表され、山形県飯豊町の『「白川湖の水没林」における「映える」カヌーツアーを主軸としたサステナブルな観光地づくり』が本賞を受賞しました。
白川湖では、カヌーやSUP(サップ)などを用いて「水没林」という特徴的な自然景観を活かした体験型の観光が盛んに行われています。今回の受賞は、地域資源を魅力的に活用し、持続可能な観光を目指す取り組みが評価されたものです。
スポーツ文化ツーリズムアワードとは
スポーツ文化ツーリズムアワードは、各地域のスポーツと文化芸術資源を結び付け、新しい地域ブランドや日本ブランドを創出し、観光振興・地域振興を推進することを目的に創設されたものです。
2016年から表彰が始まり、今年で9回目の開催を迎えています。今回は全25件の応募があり、その中から飯豊町を含む7件が各賞を受賞しました。
受賞理由は?
今回の受賞には、以下の3点が総合的に評価された背景があります。
- 地域経済の循環を生む仕組み
- 文化的背景を生かした課題解決
- 積極的な連携による相乗効果
期間限定で出現する白川湖の「水没林」という特異な景観を活かし、カヌーツアーなどの体験型アクティビティを組織的に展開することで、地域経済の活性化に貢献しました。
また、地域が持つ文化的背景を尊重しながら、現状の地域課題の把握と解決に向けた施策を実践している点も注目すべきポイントです。
他の施策との積極的な連携を図り、集客増加やメディア露出の拡大につなげている点も、受賞の理由につながっています。
白川湖の「水没林」
白川湖は1982年に完成した白川ダムの貯水池です。湖の周辺には豊かな自然環境が広がり、キャンプ場やパークゴルフ場などの体験型観光施設が点在しています。
中でも、注目を集めるのが「水没林」です。白川ダム湖岸公園周辺では、毎年3月下旬から5月上旬にかけて、この幻想的な風景を見ることができます。ダム湖内や周辺には柳の木が群生しており、春になると飯豊山系からの大量の雪解け水が流れ込み、湖は満水状態になります。
その結果、水面から柳の木々が立ち並ぶように見えることから「水没林」と呼ばれるようになりました。カヌーやSUPなどのアクティビティで湖上に出れば、この神秘的な景色を間近で堪能できます。
年間でも限られた時期しか見られないことから「希少性が高い絶景」とされ、近年、人気の観光スポットとしてSNSなどを中心に話題となっています。白川湖を抱える飯豊町を訪れる観光客数も、近年、増加傾向にあります。
持続可能な観光を支えるサステナブルな取り組み
1980年代から観光施設の建設など、観光地化への取り組みがはじめられた白川湖周辺。それゆえに白川湖の水没林は、自然環境と人の営みのバランスによって成り立っている観光資源ともいえるでしょう。2025年現在、その環境を守るための保全活動が積極的に行われています。
まず、観光客が集中するゴールデンウィーク期間を中心に、周辺道路で交通規制を実施しています。また、訪れる観光客から駐車協力金を受領し、観光振興や環境保全、オーバーツーリズム対策に活用されています。
さらに、カヌーやSUPの利用者からは湖面利用協力金を受領しており、白川湖周辺の環境保全に役立てられています水没林のシーズンが終わると、湖上や湖周辺では清掃活動や、下草の除去、低木・雑木の伐採といった環境保全活動が行われます。
これらの取り組みが実を結び、今回の「スポーツ文化ツーリズムアワード2024」本賞受賞へとつながったと言えるでしょう。
参考文献
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_00008.html
https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001855525.pdf
https://www.dam-net.jp/dam_content/topix/02_topix_list/1903/01.html
https://www.pref.yamagata.jp/documents/42481/r5kankoshasutyosa.pdf