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太陽の国スペイン、持続可能な未来に向けた取り組み事例とは|ドバイ万博

ドバイ万博 | スペインパビリオン編 - サステナブルな取り組みについて紹介されていました!

ドバイ万博のスペインパビリオンでは、スペインの歴史、芸術、観光産業、そして国として行っているSDGs達成に向けた取り組みを積極的に発信していました。サステナブルな社会を目指すことは、決して我慢することでも、苦しいことでもなく、また意識が高いと言われることでもありません。スペインでは「サステナブルな社会を目指すことは、私たちの生活をより豊かにするものだ」という考え方が浸透しています。

スペインがどのような取り組みを行なっているのか、パビリオンでの事例について紹介します。

スペインパビリオン

写真には映っていませんが、太陽光によって館内の半分のエネルギーを補っています。また、ドーム状になっていることで内部の気温は5℃ほど下げることが出来ます。

また、これからご紹介する館内で登場する森の木々は、生分解性プラスチックであるポリ乳酸を使用して3Dプリントされており、パビリオン全体でみても90%以上のものが原材料として再度利用することが可能になっています。

スペインパビリオン

サステナビリティに関する取り組みを紹介する空間は、森の中のようになっており、デジタルアートによって地面には落ち葉や泳いでいる魚などが映し出され、幻想的な空間になっていました。

海の保全について

スペインは日本と同じく多くの部分が海に面しており、多くの海洋生物がその沿岸で暮らしています。生態系が豊かで、なんと10,300もの生物が暮らしており、世界全体の5.1%を占めています。

スペインの海洋面積のうち12%は既に法律によって保護されており、2030年までに30%保護することを目標としています。

食糧システムについて

スペインパビリオン

これから人口爆発が起こることで、人類が必要とする食糧の量、つまり需要と供給のバランスが崩れ、2030年には食糧危機が起こる可能性があると言われています。しかし、これまでのように大量の農薬を使用し、自然環境を破壊する方法ではなく、これらを保護しながら需要を満たすことが私たちの義務であり、早急に食糧システムの在り方を見直す必要があります。

地球全体で排出している温室効果ガスのうち、25%は農業など食糧を生産する過程で排出されています。また、世界全体のエネルギーの使用率も30%はこれらの食糧システムによって使用されており、さらに水資源においても、飲める水のうち70%が使用されているという現実があります。

このコーナーでは、今後の人口増加に伴う食糧需要に対応するためには以下の3つのことに取り組む必要があると紹介されていました。

  1. 食糧生産に関するテクノロジーの開発
  2. サステナブルな食事に変えること
  3. 食品ロスを減らすこと

藻類について

スペインパビリオン

食糧システムを変える一つの手段として藻類が注目されています。中でもスピルリナという藻類はお豆腐の2倍のカルシウム、7倍のタンパク質を含んでおり、将来の食糧危機の対策として注目されています。

また、栄養価が高いだけでなく多くの二酸化炭素を吸収し、耕す土地も必要ないことから、温暖化の解決策としても注目されていると紹介されていました。

サーキュラーエコノミーへの取り組み

スペインパビリオン

サーキュラーエコノミーとは、難しい取り組みを行うことではなく、普段使っているものや身近な生活の中での取り組みが重要になります。

スペインパビリオンでは、Andreu Worldというブランドによって作成された椅子が紹介されていましたが、その椅子は背もたれや肘置きなどに細かく分解することができます。よって壊れた部分のみを取り替えることで長く使用することが可能になります。

さらにその椅子は持続可能な森林から採れた木材を使用しており、それらは土に還ることができる素材です。また、クッション部分に使用されている布もリサイクルされたものを使用していますが、全体的に統一感が出ており、とても温かみのある椅子に仕上がっていました。

持続可能なエネルギーについて

スペインパビリオン

エネルギーに関しても、自然エネルギーなど持続可能なものを使用することが求められています。スペインでは既に太陽光や風力発電などに対し力を入れていることが紹介されていました。

スペインパビリオン

El Hierro島の消費電力を全て島の中にある自然電力で賄っている事例が紹介されていました。

テクノロジーについて

スペインパビリオン

渋滞による待ち時間や駐車場などの空きを探すために時間を費やしています。スペインでは、駐車場を探すのに平均で10分かかっていますが、テクノロジーを使用することで2分に短縮させることが可能です。また、自動車が通行しない分音を抑えることや、大気汚染の軽減にも繋がると紹介されていました。

スペインパビリオン

このゾーンの最後は、壁にある大きな木に向かってクイズに答えます。正解すると木の栄養となり、緑色に光るようになっていました。(間違えると赤色に光ります!)

スペインパビリオン

最後は出口に向かって歩くことになりますが、その過程でこのパビリオンがサステナブルな構造をしていることなどが紹介されているパネルや、スペインはジェンダー平等を掲げている国であることなどが紹介されていました。

最後に

スペインが観光地としていかに魅力的かという紹介ももちろんありました。しかし、最も強く打ち出されていたメッセージは、SDGs達成に向けた取り組みであると感じました。この取り組みは、難しいわけでも、我慢するものでもなく、人生をより豊かにするための取り組みであるということ。そして実現するのは不可能ではないというメッセージを私は受け取りました。

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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