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モビリティ革命は、クールでカッコいい

先進国である日本では、生活インフラに不便を感じることはほとんどないでしょう。しかし、インフラが整備される過程や、完成したことで、環境破壊や大気汚染といった問題を引き起こしていることも事実です。

インフラの整備と一口に言っても、取り組めることの範囲は多岐に渡ります。道路建設や通信環境の整備、また水へのアクセスなどもあります。今回の記事では、テクノロジーの進展により、ICT(情報通信技術)を活用した次世代の移動概念であるMaaS(Mobility as a Service)に力を入れている海外企業の事例をご紹介します。

モビリティ革命への取り組み|日本企業の事例

大手企業では、トヨタ自動車が自動運転技術を活用したMaaS専用次世代EV(電気自動車)e-Paletteに取り組んでいます。また日産自動車もEV車の普及に力を入れており、現在開催されているドバイ万博にもプレミアムパートナーとして配車するなどしています。

国内のスタートアップ企業では、Zenmov株式会社がスマートモビリティシステムの企画や開発、製造、販売を行っており、株式会社SkyDriveは空飛ぶクルマと物流ドローンの開発・製造・販売・運航サービスを提供。このように、日本でもさまざまなイノベーションや変化が起きています。

イノベーションで環境負荷ゼロのサービスを展開|世界の企業の取り組み例

ここからは、オランダ、ドイツ、クロアチアをそれぞれ拠点にしている海外企業の事例をみていきます。今回ご紹介する企業は、イノベーションによって環境負荷をゼロにしながら、より良いサービスを作り出している例です。環境に優しいだけでなく、サービス自体が革新的で私たちの生活をより豊かにしてくれるでしょう。

Squad Mobility

Squad Mobility
引用:Squad Mobility

1社目は、オランダのアムステルダムを拠点とするスタートアップ企業Squad Mobilityです。

2021年9月に新しい都市型自動車「Squad」のプロトタイプを発表する予定で、2022年後半には販売開始を予定しているとのこと。「Squad」は、車の屋根に設置したソーラーパネルからの電力だけで走行可能な2人乗りの電気自動車です。太陽光からの電力はバッテリーに貯蔵でき、雨の日や夜間の走行も可能です。ヨーロッパの場合、駐車しておくだけで1日に約20km走行分の電気が充電可能になります。またエネルギー源は太陽光のみなので、本来自動車に必要となるガソリンや充電のコストがかからないだけでなく、充電するためのステーション建設が必要ないことも利点です。

Squad Mobility
引用:Squad Mobility

「Squad」は市街地専用の電気自動車で、最高速度は時速約45km、航続距離は100kmとなっています。駐車がしやすく、都市部への通勤・通学、買い物などへの利用に期待が持たれています。 販売価格は5,750ユーロ(約74万円)からです。環境に負荷をかけず、自動車としては手頃な価格帯なので、今後普及することが予想されます。

Dance

Dance
引用:Dance

2社目はドイツのスタートアップ企業Danceです。ベルリンにおいてeバイクのサブスクリプションサービスを展開しています。利用者はメンテナンス費込みの定額で、eバイクを利用することが可能。月ごとの契約なので、例えば夏の間だけなど一定期間のみでも利用することができます。

洗練されたデザインのボディに加え、オリジナルのスマホアプリと連動させることが可能。スマホアプリでは、eバイクのロック開閉やライト点灯などの操作、地図や走行距離の提示ができるようになっています。またバッテリーは取り外し可能で、バイクごと充電する必要がないので充電の場所を選びません。

danceのeバイク
引用:Dance公式

eバイクは、環境に負荷をかけるエネルギーを必要とせず、騒音なども出しません。Danceは、持続可能でより良い都市作りをすることを目指し、eバイクのサブスクサービスを開発しました。

RIMAC

RIMAC
引用:RIMAC

3社目はクロアチアに拠点を置くRIMACです。電気自動車の開発・製造販売を行っている自動車メーカーです。RIMACの自動車は、最新の技術と美しいボディを兼ね備え、近未来を想像させます。

RIMAC
引用:RIMAC

欧米メディアの取材によると、RIMACは電気自律車を利用した、都市部のモビリティエコシステムのプロジェクトを進めているとのこと。その中でも注力しているのが、電動ロボタクシーの構想です。2022年に発表予定であるこのプロジェクトは、クロアチアとイギリスに拠点を置き、グローバルな視点での活動を見据えているようです。このプロジェクトは、単に電気自律車の開発にとどまらず、モビリティエコシステムにおいての包括的で新しい取り組みになりそうです。

まとめ

欧州連合(EU)は、温暖化ガスの大幅削減に向け、ハイブリッド車を含むガソリン車の新車販売を2035年より事実上禁止する方針を打ち出しています。今回ご紹介した企業は、その方針に沿って、人々の「移動」に関わるさまざまなアイデアを打ち出しています。

持続可能な社会の実現のために、私たちの「移動」にまつわる環境は今後ますます変化の一途をたどるでしょう。そしてそれは日本も例外ではありません。モビリティにおける環境に負荷をかけないエネルギーの採用、CO2排出ゼロへの目標は、製造者と消費者が一丸となって取り組まなければならない問題です。 私たちの生活においては、環境に負荷をかけないエネルギーの選択、CO2排出を減らすため、公共交通の積極的な利用などが求められます。また国・自治体・企業が一体となり、環境に負荷をかけないシステム作りを行うことも望まれます。

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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