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ドイツ・バーデン・ヴュルテンベルク州 イノベーションへの挑戦|ドバイ万博

地域特化のパビリオン!ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州のパビリオンをご紹介!

2021年10月から半年間に渡って開催されたドバイ万博では、192ヵ国が参加し、万博史上初めて各国がそれぞれのパビリオンを持ちました。さらには、ジェンダーや社会課題、アラブ世界といったテーマに沿ったパビリオンもありました。今回ご紹介するドイツ南西部に位置するバーデン・ヴュルテンベルク州にのみ焦点を当てたパビリオン「Baden-Württemberg House」も史上初の試みです。

東京や北京、ニューヨークなど多くの地域がある中で、なぜここが選ばれたのでしょうか?バーデン・ヴュルテンベルク州、そしてパビリオンでの展示についてご紹介していきます!

バーデン・ヴュルテンベルク州について

baden-wurttemberg
引用:baden-wurttemberg

バーデン・ヴュルテンベルク州は人口おおよそ1,107万人、面積は35,751平方キロメートル(神奈川県の約14.8倍)で、ドイツの南西部に位置している地域です。西はフランス、南はスイスと国境と接しており、ドイツ最大の内海であるボーデン湖や黒い森などの大自然が残っているほか、ホーエンツォレルン城などの古城や中世の古い街並みが多く残っています。

また、このような観光資源だけでなく自動車産業などのさまざまなテクノロジーなどが誕生した地域で、ボッシュ、メルセデスベンツ、ポルシェ等の世界的企業の発祥の地でもあります。

テクノロジーやイノベーションの地

テクノロジーやイノベーションの地

バーデン・ヴュルテンベルクは、今も昔も多くのイノベーションやテクノロジーが誕生している地域です。パビリオンでは、自転車の起源だと言われるドライジーネ発祥の地であり、またアインシュタインの故郷でもあることも紹介されていました。

現在は、先ほどもご紹介させていただいた自動車で有名なメルセデスベンツやポルシェ誕生の地であり、また医療テクノロジーやヨーロッパ初の量子コンピューターもここで開発されたことが紹介されていました。

バーデン・ヴュルテンベルク州には60を超える研究機関と4つの国立大学があり、このようなイノベーションやテクノロジーが生まれるための投資も積極的に行っています。実際ヨーロッパの中では1番、そして世界では2番目に一人当たりの研究開発費が多いことが紹介されていました。

自然との調和

バーデン・ヴュルテンベルク

最先端のテクノロジーだけでなく、自然との調和も大切にしています。バーデン・ヴュルテンベルク州の面積のうち、40%は黒い森が占めています。密集しすぎて衛生写真で見ると黒く見えることからその名がついたそうです。現在新しく建設されている建物の3分の1が木造であり、ドイツが掲げているインダストリー4.0政策と組み合わせながらサーキュラーエコノミーを実現していくそうです。

また、このパビリオンで使用されている木材も黒い森から調達したもので、伐採した分は植林を行っているのだと説明されていました。

バーデン・ヴュルテンベルク

さらに2,000以上の保護地域があり、手付かずの大自然が多く残っています。このような自然が大きさを問わず都市や村の間に点在しており、自然に囲まれて共生しながら繁栄していることが紹介されていました。

他にもバレーやアートなど文化の面でも大きな魅力があることがパビリオンの前半部分では紹介されていました。

テクノロジーの紹介

バーデン・ヴュルテンベルク

パビリオンの後半部分では、バーデン・ヴュルテンベルク州で行われている研究や企業の取り組みなどが、実物の模型と共にタッチパネルで詳細が分かるように展示されていました。

バーデン・ヴュルテンベルク

こちらではmaxmaier groupのGNコンテイナーという食品を入れて運ぶコンテナが紹介されていました。

温度を管理する機能がついており、そのデータはサプライチェーン全体で共有することが可能です。よって食材を無駄にせず食品ロスの削減に繋がり、作業負担の軽減にも繋がります。また、これらを使用することで、1日あたりプラスチックのカップ90個分を削減することができることも紹介されていました。

また、サステナブルな街づくりの事例も紹介されており、今後地方活性化は高層ビルを建設するのではなく、持続可能性に注目して建設していくべきだと紹介されていました。

バーデン・ヴュルテンベルク

maxmaierは昔の工場を持続可能な職場に変えるプロジェクトなどを行っており、これまで多くのエネルギーを消費していた場所をむしろ供給できるほどたくさんのエネルギーを生産する場所にしている事例が紹介されています。

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バーデン・ヴュルテンベルク

他にも、interstuhlという60年以上にわたって椅子のソリューションについて研究している企業も紹介されていました。オフィスや自宅、実験室やゲーム中でも、人々がより健康的な座り方ができる椅子の研究を行っており、ヨーロッパの代表的な椅子メーカーの1つになっていることが紹介されていました。

最後に

バーデン・ヴュルテンベルク

初め、パビリオンへ入る時には分からなかったのですが、入口のこのゲートはバーデン・ヴュルテンベルク州の形をしています!

バーデン・ヴュルテンベルク州は経済と自然とのバランスをとりながら、そして同時に伝統も大切にしながら街づくりを進めている地域です。

私たちは今までの経済成長を目的にした生活スタイルから大きく変化することが求められています。そしてどことなく、それは大変で苦しい、我慢しなければならないという印象を持ってしまいますが、このパビリオンからは、初めはお金にならないかもしれないけれど、研究や植林などに投資していくことで、それが巡り巡って大きなインパクトになること、経済成長に繋がるということを証明してくれていると感じました。

バーデン・ヴュルテンベルクパビリオンは、帰路に立たされている私たちにヒントを与えてくれるのではないでしょうか?

Picture of 丸末彩加

丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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