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女性視点の課題とジェンダー平等|ドバイ万博

ドバイ万博 | Women's Pavilion 女性のパビリオン - 女性が直面している課題やジェンダー平等について

男女平等という言葉の誕生により、日本でも格差の是正に向けた取り組みが進められています。しかし、2022年の日本のジェンダーギャップ指数の順位は146か国中116位、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中でも韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果となっています。

男女格差は日本国内だけでなく、世界でも大きな問題となっています。ドバイ万博では、各国を代表するパビリオンの他に、イスラム世界や社会課題といったテーマに関するパビリオンも多くありました。今回は、その中でも「女性」をテーマにしたWomen’s Pavillionについてご紹介します。

平等とは何か

パビリオンへ入室するとまず、世界をより平和にしSDGsの目標を達成するためには、ジェンダー平等を実現しなければ叶わないというメッセージが目に入ります。

次のセクションに移動すると、子どもたちに対して「平等とは何か」という質問に答える映像が流れます。

さまざまな国の子供たちが交互に答えていきますが、「みんな中身は同じなの。だけど見た目がちょっと違うだけ。みんな同じ人間なの」という答えが印象的でした。他にも「女性や男性に限らず、男性が得られるものは女性も得られるべきだと思う」と答える男の子や、「平等とはどの子どもでも学校に行けること」と答える女の子も映っていました。

そして映像の最後は、「女性に力を与えること、尊重することは世界の発展に繋がる」というメッセージで締められていました。

これまで活躍してきた女性たち

女性パビリオン

次のセクションでは、過去から現在まで世界で活躍してきた女性について、政治や教育分野、医療分野、環境分野、アートなど、それぞれの分野で紹介されていました。

ちなみにアートのところには草間彌生さんが紹介されていました!

女性たちが直面している課題

次のセクションへ移動する途中の壁には、「そろそろいい加減、平等を実現しようよ」というメッセージとともに、女性はこの世界の人口の半分を占めていることを再度認識する必要があると書かれていました。

現在世界では690万人の人々が飢餓で苦しんでいます。そしてそのうちの半分以上である60%は女性が占めています。

そして議会における女性の割合も、過去25年で倍増しています。しかし、世界の193ヵ国のうち、女性がリーダーとして引っ張っている国は22ヵ国にとどまっています。

女性パビリオン

人身売買の被害者の割合も女性や少女が65%と高い傾向にあります。また、オンラインでのハラスメントや嫌がらせの被害を受けたことがあると報告した女性は58%に上ります。

さらに、これまでの人生で、物理的に暴力を振るわれた経験がある女性は3人に1人の割合となっています。155ヵ国が家庭内暴力に関する法律を設けていますが、だからといって女性が安心できるわけではないのが実情です。

課題を解決するための取り組み

まず、紹介されていたのが水資源に関してでした。水は衛生面で重要な役割を果たすだけでなく、私たちの健康や食糧とも大きく関係しており人生において欠かせないものの一つです。

女性パビリオン

水がより簡単に供給できるようになれば、危険性のある公共トイレを使用する必要も、生理が理由で学校に行けないということもなくなります。そしてそれは女性の自立などにも繋がり、少しずつですが貧困の連鎖が解消に向かっています。

女性パビリオン

次に、女性が自立して力を得ていくために重要になるのが「教育」です。教育を受けることで知識を得られ、選択肢が広がります。強制結婚や児童結婚の道ではなく、経済的に自立し、より健康的な人生を選ぶことが可能になります。そしてそれは次の世代へと受け継がれ、より良い未来をつくることに繋がります。

農業の分野でも取り組みが行われています。世界の農業従事者のうち60%が女性です。彼女らが収穫量を増やすために必要なのは、機械、テクノロジーやイノベーション、そしてローンが組めるようにすることです。これらに加えて土地を所有する権利、そして市場へのアクセス権も必要です。現在まだまだ多くの人々が飢餓で苦しんでいますが、女性農家を支援することはそれらの問題を解決することに繋がると紹介されていました。

女性が安全に思いを共有できる場所を提供するという解決策も紹介されていました。me too運動のように、1人が思いを共有することで多くの人に共感され、大きなムーブメントになる可能性があります。そして現在はソーシャルメディアでの発信も大きな影響力を持っています。

最後に

女性が平等に政治に参加することが可能になると、女性は男性と比較して人同士の繋がりやコミュニティの形成が得意な傾向があるため、より包括的(インクルージョン)な持続可能な社会の実現に繋がります。

そして女性のリーダーは、コミュニティ全体で協力し必要なものが満たされるように行動する傾向があると言われています。つまり、より生活の質が上がり、幸福につながる社会が実現できるようになるのではないでしょうか。

日本もジェンダーギャップ指数が156ヵ国中120位と多くの課題が残っており、私たちの身近な課題の一つです。

女性パビリオン

このパビリオンを出る最後の壁は、「この不平等を終わらせる世代になろう。女性に力を与えよう」というメッセージで締めくくられています。

次の万博は2025年に開催される大阪・関西万博です。日本のジェンダー平等がどのように進歩するのか注目したいです。

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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