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ドバイ万博レポート | サステナビリティパビリオンTerraの中をご紹介

terra-公式

2020年の10月から半年間にわたって開催予定だったドバイ万博(ドバイ国際博覧会)は、新型コロナウイルスの影響で1年間延期になり、昨年2021年10月から始まり、残り8日となりました!

今回は最後の1週間、実際にドバイ万博へ行ったレポートをご紹介します!

ドバイ万博の概要

ドバイ万博のメインテーマは「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来をつくる)」です。そして3つのサブテーマ「機会・モビリティ・サステナビリティ」があります。

万博会場では、Al Wasl Plazaというドーム状の建物を中心に参加している192ヵ国のパビリオンが広がっています。ちなみに192ヵ国がそれぞれのパビリオンを持つのはこのドバイ万博が初めてです。

会場全体はサブテーマに沿って「Opportunity District」「Sustainability District」「Mobility District」の3つのゾーンに分かれており、代表するパビリオンがあります。

この記事では、まずサステナビリティを代表するパビリオン「Terra」についてご紹介します!

Terra

エネルギーと水の自給

中心からサステナビリティゾーンへ向かっていくと、Terraの周りにあるエナジーツリーと呼ばれるものが目に入ります。これらは合計18本あり、自動で太陽の方向を向き、より多くの光を吸収するようになっています。

Terra自体も太陽光パネルで覆われており、建物で使用するエネルギーは全て建物の太陽光で賄っています。また、雨水も吸収することで建物を冷やすのに使われています。

また、Terraを取り囲んでいる植物たちはその日の天候や湿度を元に必要な分だけ水が与えられるように管理されており、貴重な水資源を有効活用していました。

森林ゾーン

入口の方へ向かうと「Under the Ocean」または「Under the Forest」という看板が目に入り、どちらからでも回れるようになっています。

私はまず「Under the Forest」から回りました。

館内に入ると「森の底」という文字通り、木の根っこが張り巡らされたトンネルを抜けていきます。そこには木が自然界にとってどれだけ大切なのかが紹介されていました。

木だけでなく、木が育つ土壌についてはミミズが欠かせないことなども紹介されており、自然界が人間にとっていかに重要であるかが理解できました。

そして次のゾーンでは、その自然から私たちがどれだけ搾取し破壊してしまっているのか、現在どのような問題が起こっているのかが紹介されており、森林破壊はもちろん、生物多様性の喪失や大量廃棄の問題などについて触れられていました。

私たちが普段使用しているベッドやパソコン、そして食事に至るまでが多くの自然を破壊し、そして地球温暖化を引き起こしています。

子供から大人まで視覚的に理解できるよう、ミルクチョコレート一枚がどれだけ二酸化炭素を排出しているのか、水を使用しているのか、土地を利用しているのかなどボタンを押すと表示されるようになっていました。

また、私たちは象牙のために象を殺したり、毛皮のためにレパードを殺すなど、多くの生き物の命も奪ってきました。

その一方で、多くのものが廃棄されています。そのコーナーには壊れたパソコンのキーボードが山積みになっており、本当に購入する必要があったのか。本当に捨てる必要があったのか。一度立ち止まって考えてみる必要がある、というメッセージが伝えられていました。

海洋ゾーン

次に「Under the Ocean」では、はじめにサンゴ礁のトンネルの中を通ります。海の中の映像や実際にクラゲなども展示されていました。トンネルの中には鯨の鳴き声などが響いており、本当に海の底にいるような気持ちになる空間でした。

そしてさらに進んでいくと、死んだ魚の骨の中を進んでいくことになりますが、少し怖い雰囲気が漂っていました。

私たちが海洋を汚染してしまっていることや、温暖化によって魚たちにどのような影響を与えてしまっているのかが紹介されていました。

あちこちに山積みになっているプラスチックのペットボトルや、天井にはレジ袋がたくさん吊るされており、私たちの身近なものが海洋汚染を引き起こしていることをより肌で感じることができるようになっていました。

海鳥がプラスチックを餌と間違えて食べて死んでしまっていることや、貝の中にはすでにプラスチックが含まれているため、私たちの身体にも入っている可能性があることなどが紹介されていました。

また、海洋プラスチック問題だけでなく魚の過剰摂取についても触れられており、「代替タンパク質として何を食べたらいいのだろう?」という質問を投げかけられました。

質問コーナー

森林ゾーンと海洋ゾーンのどちらの館内にも、訪問者が他の人と意見を交換したり、繋がりが感じられるよう所々に質問コーナーが置かれています。

例えば、「A. 地球を守る。 B. 火星に移住する。どっちを選ぶ?」「A. 一生バナナを食べない。 B. 一生マグロを食べない。どっちを選ぶ?」などがありました。マグロを食べないという選択肢を選ぶと、そもそもマグロの数が減少しており、どちらにしろ近い将来食べられないかもしれないよ!と表示されるなど、子どもでも分かりやすい映像で、そして選ぶボタンはレバーになっており、手前に引きたくなる工夫がされているように感じました。

そして部屋を出る時には、これまでの訪問者の選んだ答えの割合が表示されていました。

解決策紹介コーナー

もちろん暗い面ばかりではなく、現在開発されているテクノロジーや生態系が回復した事例なども紹介されており、決して未来が暗いというメッセージを伝えている訳ではありませんでした。

こちらは次回の記事でご紹介させていただきます!

Picture of 丸末彩加

丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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