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株式会社セブン&アイ・ホールディングス – 人権デューデリジェンスへの取り組み事例紹介

株式会社セブン&アイ・ホールディングス - 人権デューデリジェンスへの取り組み事例紹介

コーポレートガバナンス・コードの改定やESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス)という言葉の認知度が広がったこともあり、多くの企業が気候変動対策や人権に対して取り組みを強化しています。

今回は株式会社セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブンイ&アイ)の人権への取り組みについてご紹介していきます。

セブン&アイグループ人権方針

株式会社セブン&アイ・ホールディングス
株式会社セブン&アイ・ホールディングス

すべての人の人権を理解し、人権尊重の責任を果たすため、ここに「セブン&アイグループ人権方針」を定めます。

この方針は、セブン&アイグループすべての事業活動の基盤であり、人権尊重が未来世代と共有すべき地球環境の保全と不可分一体であると捉え、本方針の実践を通じて、ステークホルダーの皆様と協働し、人権が尊重される持続可能な社会を共創します。

人権に対する考え方

企業活動が人権に影響を及ぼす可能性のあることを認識し、バリューチェーン上のすべての人の人権を尊重することを最重要課題の一つと認識しています。

以下の国際的な原則・基準を、人権に関して最低限遵守されるべき原則・基準と理解し、支持します。

  • 「国際人権章典」
  • 「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言」
  • 「国連ビジネスと人権に関する指導原則」
  • 「OECD多国籍企業行動指針」
  • 「国連グローバル・コンパクトの10原則」
  • 「子どもの権利とビジネス原則」
  • 「日本ビジネスと人権に関する行動計画(2020-2025)」

これらは、事業活動を行うすべての従業員(子会社の取締役、監査役などの役員および正社員、契約社員、パートタイマー、アルバイト、嘱託社員、派遣社員などの従業員)はもちろん、ビジネスパートナー(フランチャイズ加盟店・お取引先様など、私たちの事業に関係する社外の組織・個人のすべて)に適応され、人権侵害への関与が確認された場合は、是正への働きかけを行います。

人権デューデリジェンスの実施

人権デューデリジェンスプロセス
人権デューデリジェンスプロセス

「国連ビジネスと人権に関する指導原則」に基づく手順に従って人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、人権への悪影響を防止または軽減することに努めており、「人権リスクの特定・評価」「人権リスク緩和のための行為の実施」「是正のモニタリング」「情報開示」といった人権デューデリジェンスプロセスの実施や苦情処理メカニズムの整備、ステークホルダーとの対話を進め、人権デューデリジェンス体制の強化を図っています。

人権への負の影響を評価・特定・分析 

プライベートブランド商品の生産工場の把握・お取引先様によるセルフチェックの実施・第三者の監査機関によるCSR監査を実施しています。

セルフチェックの解答状況について、2020年度は1,133社に配布し、854社から回答があり、回答率は75.4%と前年の73.1%から上昇しています。

CSR監査の評価については後述します。

行動

中国・東南アジアのプライベートブランド商品製造工場CSR監査認証の流れ
中国・東南アジアのプライベートブランド商品製造工場CSR監査認証の流れ

人権リスクの低減に向けた教育、啓発活動、中国・東南アジアでのプライベートブランド商品製造工場のCSR監査認証取得を前提とした取引を実施しています。

追跡評価
課題の改善、および是正処置支援を行なっています。

情報開示
健全なサプライチェーン構築に向け、お客様、取引先、投資家など、あらゆるステークホルダーに対し、適時・適切な情報開示に努めています。CSR監査結果やサプライチェーンにおける課題について積極的に情報開示を行い、サプライチェーン全体の透明性を高めることで、より安全・安心な商品をお客様に提供しています。

救済措置
取引先、サプライチェーンで働くステークホルダーを利用対象とした、通報窓口(お取引先専用ヘルプライン)を設けています。CSR監査や通報を通じて人権侵害が認められた場合は、調査を実施した上で救済措置を行っています。

CSR監査の評価と認証

CSR監査の監査項目は16に分類されています。

セブン&アイ監査項目と評価
セブン&アイ監査項目と評価

赤い項目、黄色の項目の順番で優先度が決まっており、赤い項目に該当する「強制労働」「児童労働および若年労働者」「生活賃金(最低賃金)」「懲罰」に関する不適合を発見した場合は【重大不適合Critical 1】とし、該当工場と契約するグループの事業会社へお取引中止勧告を行います。

次に重要視する黄色い項目である「健康および安全」「労働時間」「下請け契約」「環境」「商品の安全」に関して不適合を発見した場合は【重大不適合Critical 2】とし、該当工場と契約するグループの事業会社へお取引継続可否の検討を通達します。もし、お取引を継続する際は、再監査(フォローアップ監査)を実施して、是正を確認した上で継続しています。

監査の評価基準は以下のようになっています。

監査評価基準
監査評価基準

このように、深刻な人権侵害が発覚した場合は取引ができない体制を整えています。

外国人労働者に対する配慮

国際協力機構(JICA)と一般社団法人ザ・グローバル・アライアンス・フォー・サステイナブル・サプライチェーン(ASSC)が共同で事務局を行う「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム」にアドバイザリーグループ企業として参加しており、サプライチェーンを含めた外国人労働者の人権保護、適切な労働環境・生活環境の整備を推進し、外国人労働者のディーセント・ワークを実現することで、多文化共生社会を目指しています。

最後に

株式会社セブン&アイ・ホールディングスの人権への取り組みについてより詳しく知りたい方は以下の資料をご覧ください。

お取引先様とともに築く持続的発展可能なサプライチェーンの構築▼
セブン&アイグループ人権方針▼
人権への取り組み▼

参照:
https://www.7andi.com/sustainability/theme/theme5/businesspartners.html
https://www.7andi.com/sustainability/suppliers/guide.html
https://www.7andi.com/sustainability/policy/human_rights.html
https://www.7andi.com/sustainability/human_rights.html
https://www.7andi.com/

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丸末彩加

丸末 彩加(まるすえ あやか)。幼少期をアメリカで過ごし、日本と海外どちらの視点も入れながら、楽しく社会問題を解決したいと思っています。趣味は旅行と音楽と食べることです。linkedinでも情報発信しています!

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