そもそもなぜ、脱プラスチックをしなければならないのか。その背景や取り組み事例ご紹介

人気のコーヒーチェーン店スターバックスでプラスチックのストローが廃止になったり、レジ袋が有料化したり、また今年4月からは「プラスチック新法」が可決されるなど、脱ププラスチックの動きが加速しています。

これらが注目されている背景や課題解決に向けた取り組み事例も紹介していきます。

脱プラスチックが必要な背景

注目されている理由は、大きく分けて以下4つになります。

  1. 海洋汚染
  2. 私たちへの健康被害
  3. 生態系の破壊
  4. 気候変動

1. 海洋汚染

読者の方の中には、海洋プラスチック問題という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

世界各地から海に流れ込むプラスチックごみの量は年間800万トンと言われており、このまま何も対策を講じなければ、2050年にはごみの量が魚の数を上回るというデータまで発表されています。

これらのプラスチックは、生き物に絡まって窒息死させてしまったり、餌と思って食べた魚が消化不良で大量死してしまう事例が発生しています。

また、紫外線の影響で劣化し、5mm以下に細かく砕かれてしまったものをマイクロプラスチックといいますが、これがこれから説明する2. 3. 4.の問題にも大きく関係しています。

2. 私たちへの健康被害

海洋には、過去に使用していた農薬や工業廃水などが含まれており、人体への影響はありませんが低濃度の汚染物質が含まれています。

汚染物質は油と親和性があるため、石油から作られているプラスチックは汚染物質を吸着しやすいという性質があります。

つまり、先ほど述べたマイクロプラスチックは汚染物質を吸着している可能性が高く、人体への影響が懸念されています。

海産物を食べなければいい、ということでもありません。日本は調査対象ではありませんでしたが、国によっては水道水から検出されるケースもみられています。

3. 生態系の破壊

先ほども述べた通り、プラスチックがが絡まったり、誤飲で命を落とす生き物がいます。

マイクロプラスチックによる被害も同様で、海中の魚だけでなく、海鳥にも影響しています。

オーストラリアのマイクロプラスチックの摂取量が多いと言われているアカアシミズナギドリという海鳥を調べると、カルシウムやコレステロールが正常値にないことがわかりました。

カルシウム濃度が低いと卵の殻が薄くなり、孵化率が低下するのではないかと考えられています。

プラスチックの直接的な人体への影響はまだわかっていませんが、生物の生殖に悪影響があるのではないかと言われています。

(※抜粋 「脱プラスチック、プラスチックフリーはなぜ必要?本当の理由を高田秀重教授に聞きました」)

また、サンゴに大腸菌のついたマイクロプラスチックを摂取させる実験では、摂取したサンゴは例外なく2週間以内に死んでいるという結果が出ています。

もちろんサンゴにも種類があるのでこれは一例ですが、サンゴ礁は海の熱帯雨林と言われるほど多くの生物が暮らしているので、サンゴ礁の白化現象は生物多様性の観点でも悪影響を及ぼします。

4. 気候変動

プラスチックは海洋汚染や健康被害だけではありません。

焼却時に発生する温室効果ガス

ストローやレジ袋、包装やラップ、お弁当のトレーやペットボトルなど、プラスチックは便利なので私たちの身の回りに溢れています。

しかし、これらのプラスチックがゴミとなり、焼却されることで温室効果ガスが発生し、気候変動に影響を与えてしまっています。

珊瑚礁の白化現象

海に流れ着いたプラスチックが劣化しマイクロプラスチックになるとお伝えしましたが、学術誌Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciencesに発表された研究論文によると、Astrangia poculataというサンゴの一種がマイクロプラスチックを「好んで」食べていることが判明しました。

しかし、プラスチックを摂取しても消化されることがないので、それらのサンゴは栄養失調に陥ってしまいます。すると、光合成によって行われていた二酸化炭素の吸収や酸素の供給が行われなくなるだけでなく、サンゴの白化現象を引き起こすことになる、との研究も発表されています。

日本の現状と取り組み

2018年にUNEP(国連環境計画)より「Single-use Plastics」という報告書が発表されました。報告書によると、日本のプラスチックごみの廃棄量を人口1人当たりに換算すると32kg、アメリカに次いで世界第2位になるというものでした。

日本政府はこれまでも2020年のレジ袋の有料化など行ってきましたが、今年2022年の4月からは「プラスチック新法」が施行されます。

これまでの「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」「自動車リサイクル法」は製品に焦点を当てていますが、今回はプラスチックという素材に焦点を当てています。

現在政府は2030年までに使い捨てプラスチックの量を25%削減することを目標にしており、プラスチックに対する規制や有料化などの動きがさらに加速していくと予想されます。

脱プラスチックに挑むLoopの取り組み

「捨てるという概念を捨てよう!」というビジョンを掲げている、Loop(ループ)というアメリカのベンチャー企業をご存知でしょうか?

AEONで扱われている商品一例

企業に対しプラスチックの包装容器ではなく、彼らの提供するスタイリッシュなステンレスのものに変更してもらいます。それらを消費者へ提供し、回収するサービスを提供しており、日本でもAEONが既に導入を開始しています。

プラスチックはとても便利で、私たちの生活を豊かにしてくれたことも事実です。プラスチックを完全にゼロにすることは難しいかもしれませんが、Loop商品を購入してみたり、マイボトルを持ち歩くなど、身近なところからプラスチックの削減に取り組んでみてはいかがでしょうか?


最後までお読みいただきありがとうございます。

あすてな公式インスタグラムでは記事を簡単に要約したものや、SDGs、サステナブルな商品のレポートなど紹介しておりますので、ぜひご覧ください!

参照
https://www.aeonretail.jp/campaign/loop/
https://loopstore.jp/
https://www.daiwahouse.com/sustainable/sustainable_journey/interview/takadahideshige/
https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2019.0726
https://www.kikonet.org/kiko-blog/2019-08-22/3593

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